事のついで
投稿者: corax_lupus 投稿日時: 2008/02/07 19:13 投稿番号: [5428 / 63339]
ついでだからアウトラインだけ呟いてみようか。
ある瞬間の1個体の増加率rは前に書いたとおり。ただし、親が生き残って複数回繁殖する場合、集団の増殖率はrではなくてNに比例して大きくなる(子孫の増加分が上乗せされるから)。だからdN(t)/dt=rN(t)となる。dN(t)/dtは個体数変化を時間で微分したものだから、その瞬間の増加率。これがrN(t)に等しい、ということ。
この微分方程式を解くとN(t)=N*e^rtとなって、初期個体数N(本当はN0,エヌゼロだけどノーに見えるからNで代用)、1個体あたりの増加率r、時間tの関数として表すことができる。
一方、個体数はどこまでも増えられるというものではないので、その環境に入れる最大の個体数、「環境収容力」というものがある。これをKとする。一般に個体数が頭打ちに近付くと増殖率そのものが小さくなる事が知られていて、「個体数に反比例して増加率が小さくなる」というロジスティックモデルが一般には使われる。
MSYというのは持続的に利用しつつ、漁獲量を最大化する方法。「これだけ漁獲すると資源量はこれだけ、するとその時の増加率はこうなって、次に年にはこれだけ資源が増えている」という計算から、親魚量を減少傾向に入れずに漁獲できる最大量を計算するもの。要は「毎年これだけ引き出しても利息で賄える」範囲で、引き出し金額を最大化する方法ということ(ただしこの金利はロジスティック式に基づいて変わる)。
で、RMPは「このような捕獲実績がある場合、現在の個体数となるような増殖パターンはどういうものがあるか、それは今後、どういう挙動を示すか」を確率論的に考えるモデル。当然、その考えうる増加パターンはさまざまなモデルに基づくし、そもそもパラメータの「取り得る値」は指定する必要がある。となると、大元のモデルに個体群の増殖に関する情報が入っていなければならないのは当然ということになる。
また、モデルの当てはめが間違っている可能性だって常にある。RMPは万が一モデルに誤りがあった場合も破綻しにくい(ロバストな)モデルとされているが、手に入る情報は全て使って精度を高めよう、という考えは当然出て来るでしょう。現に(r13812氏本人が喧伝したがっているように)死亡率の推定範囲がまだ広過ぎという意見が出ているわけだから、これを埋めるためのデータが求められている、という事に他ならない。それはRMP自体の中から出て来るものじゃないし、個体数調査だけで得られるものでもない(個体識別ができていれば、可能性はないこともない。精度は非常に低くなるが、ある個体を標識してから死ぬまでの年数を数えればいい。しかしものすごく時間がかかる。そういえばr氏は標識銛も認めていないのだった)。
もう一つ指摘しておけば、RMPがそれまでの方式より優れているとされる理由の一つは「真値を知ることは不可能」という不確実性を含めたモデルになっている、という事だそうだ。となると、そういったモデルに対して「わかんねえ、わかんねえ」と言い続けても仕方ないのである。だからこそ、反捕鯨国も「日本がRMPを守っているかどうかどうやって確かめるんだ」という反論に変化したというわけだろう。
というような話でした。あ、僕の算数は怪しいからね。あと、水産学や個体群生態学は専門じゃない。それでも調べればある程度は理解できる、という事だ。
あ、r13812氏、君向けってわけじゃない。君にまともな返事をする徒労観を(何度目か知らないが)つくづく感じてるところだから。こういう独り言が愚行なのは確かなんだが、人間には愚行権もあるということだな。
ある瞬間の1個体の増加率rは前に書いたとおり。ただし、親が生き残って複数回繁殖する場合、集団の増殖率はrではなくてNに比例して大きくなる(子孫の増加分が上乗せされるから)。だからdN(t)/dt=rN(t)となる。dN(t)/dtは個体数変化を時間で微分したものだから、その瞬間の増加率。これがrN(t)に等しい、ということ。
この微分方程式を解くとN(t)=N*e^rtとなって、初期個体数N(本当はN0,エヌゼロだけどノーに見えるからNで代用)、1個体あたりの増加率r、時間tの関数として表すことができる。
一方、個体数はどこまでも増えられるというものではないので、その環境に入れる最大の個体数、「環境収容力」というものがある。これをKとする。一般に個体数が頭打ちに近付くと増殖率そのものが小さくなる事が知られていて、「個体数に反比例して増加率が小さくなる」というロジスティックモデルが一般には使われる。
MSYというのは持続的に利用しつつ、漁獲量を最大化する方法。「これだけ漁獲すると資源量はこれだけ、するとその時の増加率はこうなって、次に年にはこれだけ資源が増えている」という計算から、親魚量を減少傾向に入れずに漁獲できる最大量を計算するもの。要は「毎年これだけ引き出しても利息で賄える」範囲で、引き出し金額を最大化する方法ということ(ただしこの金利はロジスティック式に基づいて変わる)。
で、RMPは「このような捕獲実績がある場合、現在の個体数となるような増殖パターンはどういうものがあるか、それは今後、どういう挙動を示すか」を確率論的に考えるモデル。当然、その考えうる増加パターンはさまざまなモデルに基づくし、そもそもパラメータの「取り得る値」は指定する必要がある。となると、大元のモデルに個体群の増殖に関する情報が入っていなければならないのは当然ということになる。
また、モデルの当てはめが間違っている可能性だって常にある。RMPは万が一モデルに誤りがあった場合も破綻しにくい(ロバストな)モデルとされているが、手に入る情報は全て使って精度を高めよう、という考えは当然出て来るでしょう。現に(r13812氏本人が喧伝したがっているように)死亡率の推定範囲がまだ広過ぎという意見が出ているわけだから、これを埋めるためのデータが求められている、という事に他ならない。それはRMP自体の中から出て来るものじゃないし、個体数調査だけで得られるものでもない(個体識別ができていれば、可能性はないこともない。精度は非常に低くなるが、ある個体を標識してから死ぬまでの年数を数えればいい。しかしものすごく時間がかかる。そういえばr氏は標識銛も認めていないのだった)。
もう一つ指摘しておけば、RMPがそれまでの方式より優れているとされる理由の一つは「真値を知ることは不可能」という不確実性を含めたモデルになっている、という事だそうだ。となると、そういったモデルに対して「わかんねえ、わかんねえ」と言い続けても仕方ないのである。だからこそ、反捕鯨国も「日本がRMPを守っているかどうかどうやって確かめるんだ」という反論に変化したというわけだろう。
というような話でした。あ、僕の算数は怪しいからね。あと、水産学や個体群生態学は専門じゃない。それでも調べればある程度は理解できる、という事だ。
あ、r13812氏、君向けってわけじゃない。君にまともな返事をする徒労観を(何度目か知らないが)つくづく感じてるところだから。こういう独り言が愚行なのは確かなんだが、人間には愚行権もあるということだな。
これは メッセージ 5422 (corax_lupus さん)への返信です.
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