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宮沢賢治のベジタリアニズム

投稿者: capt_paul_watson 投稿日時: 2008/04/01 19:18 投稿番号: [18675 / 63339]
  銀河鉄道の中の話です。
  『銀河鉄道に乗っていたジョバンニとカムパルネラは、川の向こう岸に、ルビーよりも赤く透き通って燃えている火を見た。それは蠍(さそり)の火だった。その火のことをよく知っている女の子がこう説明した。

  昔、野原に一匹の蠍がいて、小さな虫を殺して食べて生きていた。ある日、いたちに見つかって食べられそうになり、一生懸命に逃げた。ついにとらえられそうになったとき、前にあった井戸に落ちておぼれ始めた。そこで蠍はこう祈った。

  「ああ、わたしはいままでいくつのものの命をとったかわからない、そしてその私がこんどいたちにとらえられようとしたときはあんなに一生けん命にげた。……どうしてわたしはわたしのからだをだまっていたちに呉れてやらなかったろう。……こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなの幸のために私のからだをおつかい下さい」。

  すると蠍のからだは真っ赤な火になって燃え、永遠の命となって明るく闇を照らし、人々の役に立っているという。』

  この話を鶴田   靜さんは『食物連鎖を受け入れずに転生する別の生き物を、賢治は「銀河鉄道の夜」に登場させている。』とし、

  『・・・賢治は世界全体的な幸福を目指したが、その手段とした賢治自身のベジタリアニズムを、仏教の枠組みの中だけにくくってしまうのは狭窄(きょうさく)である。彼のそれは、宗教を超え、普遍的な倫理の天地へと拡大されているからだ。

  賢治の食を果実に見立てると、種は仏教かもしれない。が、その種の中にある核はベジタリアニズムである。種のまわりには身があるが、それは、食物が生産される風土とそこに生きる人々の生活(文化芸術を含めての)である。その果実は、岩手県のイーハトーブという地域だけでなく、世界全体に生り、食されるものである。・・・』
  (鶴田   靜   「ベジタリアン   宮沢賢治」   晶文社   1999年   p20〜41)

くだらない奴の言葉には惑わされず、我々は先へ進もう!!
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