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金は天からの回り物

投稿者: oixkozo 投稿日時: 2004/06/28 21:41 投稿番号: [238 / 509]
  財産とか権力とか言うものは、一時的にはどうあれ、長い間に亘って、
   それを維持する事は、社会の先を見るという知性がなくては、不可能である。
  封建時代の貴族やブルジョワだって、伊達や酔狂で権力を維持したわけじゃない。
  それなりの知性と勇気を持たなくちゃ、己の地位を保持できなかった。
  どんな体制でも、進歩的なときは、非支配層と言われる民衆が知性を持つことを進めるものである。
  こんな時代では、民衆の政治的エネルギーも覚醒し、
   その上にたつ支配層の知性と品性は、一段と高いレベルのものを求められる。
  非支配層の奴隷化と無知化を進めることによって、
   己の無知(=鞭)による支配を正当化し始めた時は、その体制の末期症状である。
  このような現象は、社会体制に限らず、企業経営や政治的組織でも、似たようなものである。

  キリストは面白いことを言う。
  「求めよ、さらば与えられん」と。
  貨幣というものは、一般的には求めなくては、与えられない。
  しかし、求めることは、結構、つらいものである。
  求めるものが得られないと、誰でも、苦しむ。
  そして、この苦しみに耐え抜いて、道を見出したものには、与えられる。
  しかし、誰でもに与えられるのじゃなく、一足早く道を見つけたものだけに与えられ、
   後は、彼らの餌食になるしかない。
  まあ、この道は、意外といくつもある場合もあるし、行き詰まりの道である場合もある。
  だから、一足早く見つけた、と喜んだ途端に地獄に落ちる奴もいる。
  要するに、金なんかは「天からの回りもの」だ。

  貨幣というものは不思議な物質(=観念)である。
  金なんか、全然、興味を持たない者に、金が落ちる場合もある。
  これは、キリストの命題に反する。
  社会が、ある特定の人間・団体の知性と夢に活躍と期待を抱いて、金を一方的に落とす。
  この落ちた金で有頂天になったら、その金と共に夢も雲散霧消となる。
  まあ、時には、詐欺師的に成功する場合もあるが、めったにない。
  やはり、どんな場合でも、成功するには、知性というものは不可欠である。
  しかし、その逆は真ではない。
  知性は、成功の保証とはならないのが、歴史の皮肉である。
  成功のために、必死に知性を身につけたのに、
   逆に、その知性が邪魔になって、失敗する事だってありうる。
  従って、やはり、この場合でも、金は「天からの回り物である」となる。

  ところで、人間にとって、貨幣は、幸せの保証となるのだろうか?
  「資本は自己増殖する価値である」とマルクスは断言する。
  だから、どんな資産家でも、自己増殖していない資産家は飢えている、つまり、不幸である。
  どんな巨額の利益でも、それは当然の権利であり、
   どんなちっぽけな損失でも、それは巨大な損失であるとなる。
  俺なんか、恋愛ドラマを見ている時だけは、
   愛するものと一緒に居られるだけで、人間は幸せに成(=慣)れるんじゃないかと思う。
  でも、やはり、「成」は幸福だが、「慣」に転じると飽きちゃう。
  とは言え、「愛」は自己増殖すると、碌なことはないだろう?
  ただ、この年になると、これだけは断言できるような気がする。
  人間というものは、「何か」を「愛」していないと幸せになれない。
  この「何か」は、己・家族・団体・会社・社会・国家等々である。
  そして、時には、どんな人間でも、この「愛」のためには、命がけになるものである。
  だから、人間は幸せになろうとして努力したために、不幸になってしまう事が、後を絶たない。
  少なくとも、知性は、こうした不幸を少なくする力になる事だけは、断言できる。
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