イラクの「ベトナム化」 (下)
投稿者: dorawasabi5001 投稿日時: 2006/12/23 00:18 投稿番号: [99286 / 118550]
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★米国の青写真
イラク情勢がなぜ泥沼化し「ベトナム化」したのか。
軍事攻撃によりフセイン政権を崩壊させ、治安確立と復興を促す――これが米国の描いた青写真だった。
さらに「イラク民主化をバネに中東周辺国に民主化ドミノを呼び起こす」というプランも幻に終わりそうだ。
今のイラクは、独裁的だったがフセイン政権時代の一応の国内秩序が崩れ「おもちゃの箱」をひっくり返したような混乱状態に陥っている。
米軍の敗色が濃くなったベトナム戦争末期と同じ様相である。
その国の文化・宗教に無理解
ベトナム戦争での米国敗退の原因を探っていくと、その一つに米軍と味方であるはずの南ベトナム政府との反目・相互不信が挙げられる。
米国は南ベトナム解放民族戦線と戦うサイゴン政府軍を必死に支援した。
「自由と民主主義を守れ」を旗印に、軍事・経済面で膨大な物量、人的援助を惜しまなかった。
米軍の戦死者は約五万八千人にものぼり、朝鮮戦争の五万四千人を上回る犠牲を出した。
しかし南ベトナム政府は汚職と腐敗にまみれ、政府軍の士気はあがらない。
厭戦気分は広がり、戦線離脱、武器横流しなどが横行した。
強力な米軍の支援にもかかわらず、じわじわ解放戦線のゲリラ攻撃の前に後退していった。
米軍と現地軍隊との心理的な乖離と溝がそこにあった。
例えば宗教、文化。東南アジアには精霊信仰がある。
タイでいう「ピー信仰」だ。
仏教やヒンズー教などが定着する前から東南アジアには土着のアニミズムがあった。
樹齢を重ねた樹木、大きな岩や石、そして洞窟などには精霊が潜む、という原始信仰である。この民間信仰の上に外から伝播してきたイスラム、ヒンズー、仏教などの宗教や文化が融合して形成された社会――それが東南アジアである。
洞窟とモスク
ベトナム戦争時にこんな話があったという。
米兵部隊が、解放戦線兵士の潜んでいそうな洞窟を攻撃するため踏み込もうとするが、政府軍兵士は尻込みした。
米兵の目には「敵が怖くて突撃できない臆病者」と映るが、政府軍兵士にとって洞窟は「精霊が宿る神聖な場所」だった。
米兵には、こうした素朴な精霊信仰や宗教風土が分からなかった。
【米国が戦争に負けたのは、北ベトナムや解放戦線という主敵だけではなく、味方とも価値観をめぐる「静かな戦争」を戦わなければならなかったことも原因だった。】
イラクでも同じことが起きた。
米国は抵抗勢力の掃討作戦を展開したが、多くのイラク民間人を殺傷した。
【敵が潜んでいるとして、国民の精神文化の拠り所であるモスク(イスラム礼拝所)まで攻撃した。こうした行為が「反米」のうねりとなっていく。】
ベトナムより難しいイラク撤退
イラク内戦とベトナム戦争は、宗派対立と思想対立という点において違う。
ベトナム戦争は、南北ベトナム間における共産主義と自由主義との戦いだった。
その主義・主張のせめぎあいは、冷戦を背景にしていたが、ベトナム国内では長い歴史的な軋轢を物語るものではない。
一方、イラクの宗派、部族間の確執は、歴史的に地政学的にさまざまな要素が重なりあって続いてきた。
一度もつれた糸を解きほぐすのは容易ではない。
米国は、北ベトナムを支援してきた中国との和解を契機にベトナム戦争の泥沼から抜け出した。
イラクでは、イランやシリアの影がちらつくが、仲介役になれそうな巨大で明確な「外部勢力」は見当たらない。
その中でいつ米軍を撤退させるのか――ベトナムに比べ、イラク戦争の処理は格段に難しい。
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20061219-02-0801.html
米兵輸送などに加担の【航空自衛隊】は何時撤退できるのか??
★米国の青写真
イラク情勢がなぜ泥沼化し「ベトナム化」したのか。
軍事攻撃によりフセイン政権を崩壊させ、治安確立と復興を促す――これが米国の描いた青写真だった。
さらに「イラク民主化をバネに中東周辺国に民主化ドミノを呼び起こす」というプランも幻に終わりそうだ。
今のイラクは、独裁的だったがフセイン政権時代の一応の国内秩序が崩れ「おもちゃの箱」をひっくり返したような混乱状態に陥っている。
米軍の敗色が濃くなったベトナム戦争末期と同じ様相である。
その国の文化・宗教に無理解
ベトナム戦争での米国敗退の原因を探っていくと、その一つに米軍と味方であるはずの南ベトナム政府との反目・相互不信が挙げられる。
米国は南ベトナム解放民族戦線と戦うサイゴン政府軍を必死に支援した。
「自由と民主主義を守れ」を旗印に、軍事・経済面で膨大な物量、人的援助を惜しまなかった。
米軍の戦死者は約五万八千人にものぼり、朝鮮戦争の五万四千人を上回る犠牲を出した。
しかし南ベトナム政府は汚職と腐敗にまみれ、政府軍の士気はあがらない。
厭戦気分は広がり、戦線離脱、武器横流しなどが横行した。
強力な米軍の支援にもかかわらず、じわじわ解放戦線のゲリラ攻撃の前に後退していった。
米軍と現地軍隊との心理的な乖離と溝がそこにあった。
例えば宗教、文化。東南アジアには精霊信仰がある。
タイでいう「ピー信仰」だ。
仏教やヒンズー教などが定着する前から東南アジアには土着のアニミズムがあった。
樹齢を重ねた樹木、大きな岩や石、そして洞窟などには精霊が潜む、という原始信仰である。この民間信仰の上に外から伝播してきたイスラム、ヒンズー、仏教などの宗教や文化が融合して形成された社会――それが東南アジアである。
洞窟とモスク
ベトナム戦争時にこんな話があったという。
米兵部隊が、解放戦線兵士の潜んでいそうな洞窟を攻撃するため踏み込もうとするが、政府軍兵士は尻込みした。
米兵の目には「敵が怖くて突撃できない臆病者」と映るが、政府軍兵士にとって洞窟は「精霊が宿る神聖な場所」だった。
米兵には、こうした素朴な精霊信仰や宗教風土が分からなかった。
【米国が戦争に負けたのは、北ベトナムや解放戦線という主敵だけではなく、味方とも価値観をめぐる「静かな戦争」を戦わなければならなかったことも原因だった。】
イラクでも同じことが起きた。
米国は抵抗勢力の掃討作戦を展開したが、多くのイラク民間人を殺傷した。
【敵が潜んでいるとして、国民の精神文化の拠り所であるモスク(イスラム礼拝所)まで攻撃した。こうした行為が「反米」のうねりとなっていく。】
ベトナムより難しいイラク撤退
イラク内戦とベトナム戦争は、宗派対立と思想対立という点において違う。
ベトナム戦争は、南北ベトナム間における共産主義と自由主義との戦いだった。
その主義・主張のせめぎあいは、冷戦を背景にしていたが、ベトナム国内では長い歴史的な軋轢を物語るものではない。
一方、イラクの宗派、部族間の確執は、歴史的に地政学的にさまざまな要素が重なりあって続いてきた。
一度もつれた糸を解きほぐすのは容易ではない。
米国は、北ベトナムを支援してきた中国との和解を契機にベトナム戦争の泥沼から抜け出した。
イラクでは、イランやシリアの影がちらつくが、仲介役になれそうな巨大で明確な「外部勢力」は見当たらない。
その中でいつ米軍を撤退させるのか――ベトナムに比べ、イラク戦争の処理は格段に難しい。
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20061219-02-0801.html
米兵輸送などに加担の【航空自衛隊】は何時撤退できるのか??
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