小選挙区制のマジック
投稿者: dorawasabi5001 投稿日時: 2005/09/13 23:33 投稿番号: [80193 / 118550]
★自民党に押し寄せた「変革願望」の波
・・・
自民党が増やした得票数は523万票ですが、これを得票率で見ると前回35.0%から、今回38.2%への増となります。わずか3.2ポイントの増加にすぎません。
投票総数での割合も8%弱です。自民党の比例区での当選は、前回が69で今回は77です。
8議席増ですから、それほどの増加ではありません。1割ほど増えただけです。
それなのに何故、これほどの躍進につながったのかというと、
【その秘密は小選挙区制にあります。】
自民党の小選挙区での当選者は、前回の168から今回の219へ51も増えました。
【議席では130%もの増加ですが、得票数では643万票、得票率ではわずか4ポイント増えただけです。】
ここに小選挙区制の特性が明瞭に表れています。第2党とのわずかな差が、議席の上ではきわめて大きな差に増幅されるという特性です。
【 自民党と民主党の差は771万票で、得票率からすれば11.4ポイントにすぎません。
それが議席になると219対52という4倍以上もの差になってしまいます。】
これが、人為的な多数派を作り出す小選挙区制の仕組みです。安定した多数派を生み出す機能だとして、これをプラスに評価したのが小選挙区制導入論者たちでした。
つまり、今回の自民党の圧勝は制度のカラクリによるもので、民主党の後退はそんなに大きなものではなく、自民党と民主党の差も見かけほど大きくはありません。
民主党にとっては、十分挽回可能な位置に付けているということになります。
また、「こんなに多かったのか」というほどに、「バカな国民」が多かったわけでもありません。確かに、今回新たに自民党に投票した523万票という数字は決して小さなものではありません。
しかし、民主党は2000年衆院選の1508万票から2003年衆院選の2210万票へと702万票増やした実績があります。
523万票は、決して追い抜くことのできないほどの差ではないでしょう。
しかも、この523万票は決して「バカな国民」などではなく、日本の政治を変えたいという「変革願望」の特殊な現れ方のように思われます。選挙のたびごとに、その受け皿を求めてさまよい続けてきた「変革願望」が、
「改革幻想」に惑わされて小泉自民党に向かったというのが、今回の結果なのではないでしょうか。
以前、雑誌『経済』2004年10月号の座談会「現代日本とイデオロギー Ⅲ部 対抗的イデオロギーの現状と展望 科学的社会主義・社会民主主義・市民主義の盛衰」で、このような「変革願望」について、私は次のように指摘したことがあります。・・・
★改革幻想と変革願望
・・・
このようにして、小泉首相は「改革」への期待を一身に集めることになりました。しかしそれが幻想であれば、これらの人々の「変革願望」に、結局は答えることができません。
「幻想」は、はかなく消え去ることになります。そのとき、何が起きるのでしょうか。
順調に議席を伸ばす開票作業を見ながら、小泉首相はほとんど笑顔を見せませんでした。まさか、「リフォーム詐欺」がばれたときのことを心配していたわけではないとは思いますが……。
なお、「思い込み・無理やり解散」総選挙で問われているもの『賃金と社会保障』No.1400(2005年8月下旬号)と、
書評:渡辺治『憲法「改正」―軍事大国化・構造改革から改憲へ』を読む『賃金と社会保障』No.1399(2005年8月上旬号)の2本を新たにアップしました。ご笑覧いただければ幸いです。
★「郵政」をエサに、「改憲」という大魚を釣り上げる
・・・
今回の総選挙の本当の目的は、衆院の3分の2という議席を獲得して改憲発議を可能にするところにあったのです。
今後4年間、総選挙は行われません。その間に、思い通りの改憲作業を進めてしまおうというのが、今回の総選挙の隠された真の目的だったのではないでしょうか。
今回の選挙では、憲法問題はほとんど議論されていません。
しかし、選挙が終われば、自民党結党50周年の11月に向けて改憲の動きは一挙に強まるでしょう。
総選挙で与党が圧勝すれば、その勢力を背景にして改憲作業が進むことになります。今後4年間ほどの時間がそれに費やされるにちがいありません。
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm
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自民党が増やした得票数は523万票ですが、これを得票率で見ると前回35.0%から、今回38.2%への増となります。わずか3.2ポイントの増加にすぎません。
投票総数での割合も8%弱です。自民党の比例区での当選は、前回が69で今回は77です。
8議席増ですから、それほどの増加ではありません。1割ほど増えただけです。
それなのに何故、これほどの躍進につながったのかというと、
【その秘密は小選挙区制にあります。】
自民党の小選挙区での当選者は、前回の168から今回の219へ51も増えました。
【議席では130%もの増加ですが、得票数では643万票、得票率ではわずか4ポイント増えただけです。】
ここに小選挙区制の特性が明瞭に表れています。第2党とのわずかな差が、議席の上ではきわめて大きな差に増幅されるという特性です。
【 自民党と民主党の差は771万票で、得票率からすれば11.4ポイントにすぎません。
それが議席になると219対52という4倍以上もの差になってしまいます。】
これが、人為的な多数派を作り出す小選挙区制の仕組みです。安定した多数派を生み出す機能だとして、これをプラスに評価したのが小選挙区制導入論者たちでした。
つまり、今回の自民党の圧勝は制度のカラクリによるもので、民主党の後退はそんなに大きなものではなく、自民党と民主党の差も見かけほど大きくはありません。
民主党にとっては、十分挽回可能な位置に付けているということになります。
また、「こんなに多かったのか」というほどに、「バカな国民」が多かったわけでもありません。確かに、今回新たに自民党に投票した523万票という数字は決して小さなものではありません。
しかし、民主党は2000年衆院選の1508万票から2003年衆院選の2210万票へと702万票増やした実績があります。
523万票は、決して追い抜くことのできないほどの差ではないでしょう。
しかも、この523万票は決して「バカな国民」などではなく、日本の政治を変えたいという「変革願望」の特殊な現れ方のように思われます。選挙のたびごとに、その受け皿を求めてさまよい続けてきた「変革願望」が、
「改革幻想」に惑わされて小泉自民党に向かったというのが、今回の結果なのではないでしょうか。
以前、雑誌『経済』2004年10月号の座談会「現代日本とイデオロギー Ⅲ部 対抗的イデオロギーの現状と展望 科学的社会主義・社会民主主義・市民主義の盛衰」で、このような「変革願望」について、私は次のように指摘したことがあります。・・・
★改革幻想と変革願望
・・・
このようにして、小泉首相は「改革」への期待を一身に集めることになりました。しかしそれが幻想であれば、これらの人々の「変革願望」に、結局は答えることができません。
「幻想」は、はかなく消え去ることになります。そのとき、何が起きるのでしょうか。
順調に議席を伸ばす開票作業を見ながら、小泉首相はほとんど笑顔を見せませんでした。まさか、「リフォーム詐欺」がばれたときのことを心配していたわけではないとは思いますが……。
なお、「思い込み・無理やり解散」総選挙で問われているもの『賃金と社会保障』No.1400(2005年8月下旬号)と、
書評:渡辺治『憲法「改正」―軍事大国化・構造改革から改憲へ』を読む『賃金と社会保障』No.1399(2005年8月上旬号)の2本を新たにアップしました。ご笑覧いただければ幸いです。
★「郵政」をエサに、「改憲」という大魚を釣り上げる
・・・
今回の総選挙の本当の目的は、衆院の3分の2という議席を獲得して改憲発議を可能にするところにあったのです。
今後4年間、総選挙は行われません。その間に、思い通りの改憲作業を進めてしまおうというのが、今回の総選挙の隠された真の目的だったのではないでしょうか。
今回の選挙では、憲法問題はほとんど議論されていません。
しかし、選挙が終われば、自民党結党50周年の11月に向けて改憲の動きは一挙に強まるでしょう。
総選挙で与党が圧勝すれば、その勢力を背景にして改憲作業が進むことになります。今後4年間ほどの時間がそれに費やされるにちがいありません。
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm
これは メッセージ 1 (topics_editor さん)への返信です.
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