対イラク武力行使

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>>ICC加盟方針を撤回

投稿者: GivingTree 投稿日時: 2005/03/11 11:51 投稿番号: [66775 / 118550]
>何でもイラクのことは自分たちで決めたいと思っている独立心のある民族の集団のように思います。
>その例として、(当然の国民感情でしょうが)フセイン元大統領をイラク自国で裁きたいということを前から訴えていることが挙げられます。

これはいいポイントですね。たしかにイラクの人々は自尊心が高く、独立心が旺盛のような気がします。ただ、国際条約に加盟するか否かという問題については、これは外交や政治が舵取りする問題なので、単純な民族性の視点では語り切れないと思います。

●ICCが管轄権を行使しうる条件

国際刑事裁判所(ICC)はあくまで補完的機構で、国家の司法が十分に機能しない、あるいは存在しない、もしくは公正な裁判が妨げられているなどの理由がない限り、その管轄権を行使できません。また、これが一番肝心なのですが、ICCの管轄権は2002年7月1日(発効日)以降に行われた、ICCが管轄権を持つ犯罪にのみ適用され、それ以前の当該犯罪に対する管轄権はありません。したがって、フセイン元大統領が行った犯罪を裁く場合があるとしても、それは2002年7月1日以降に行われた犯罪でなければならないのです。

つまり、イラクがICCに加盟したとしても、(1)イラク国内司法が有効に機能しない、そして(2)フセイン元大統領の犯罪が2002年7月1日以降に行われたもので且つ、それはICCが管轄権を持つ(a)人道に対する罪、(b)戦争犯罪、(c)ジェノサイドのいずれかに該当する場合を除き、ICCはイラクに対して管轄権を行使できないのです。

>現在、フセイン元大統領はアメリカに拘束されているので、実際のところ、裁判の行方はアメリカがイラクに対し何らかの誘導をしていくだろうと容易に推測できます。だから、イラクの暫定自治政権がアメリカ寄りになるのは仕方がないことだと思います。

そうですね。すでにイラク特別法廷にはアメリカ人のオブザーバーが送り込まれていますから、実際のところ裁判はアメリカの監視のもとで行われているといっても過言ではないでしょう。モンダイは自治権が完全に新政府に移行した後のことなんですよね…。
新政府までもが同じ決定をしたら…貴方は再び「アメリカ寄りになるのは仕方ない」と思えますか?

●アメリカが加盟していないから撤回したのか

>利口な振りをすれば、イラクがICC加盟してもアメリカは加盟していないため、フセインをICCに引き渡す義務は生じない。だから、フセインの裁判は成立しないため、イラクも加盟を撤回した。

たしかにフセイン元大統領の身柄はいまだにアメリカが拘束しており、まだ正式にイラク政府には引き渡してはいませんでしたね。したがって、フセインを引き渡すかどうかについてはアメリカがICCに加盟しているかどうかが関係してくると思われる─こう考えてなんら不自然はありません。

しかし盲点は、フセインがアメリカ人でないことです。アメリカは戦時国際法に基づいてフセインの身柄の拘束権を行使しているのでしょうが、身柄がアメリカにあってもフセインはイラク人です。アメリカはICCに対して協力する義務はありませんが、イラクがICCに協力した場合、イラクはアメリカにフセインの引渡しを求めることになり、またその権利があります。この場合、アメリカは国際慣習にしたがって非合理的な理由により引渡しを拒否することはできないので、フセインの引渡しは実現し、フセイン裁判もまた実現します(あくまで論理的可能性ですが─理由は上記の条件が満たされないからです)。したがって、イラクがICCに加盟し、フセインが犯した犯罪が上記の条件に適合する場合は、フセイン裁判は十分に成立しえるのです。イラクが十分ICC規程の精査を行った上で判断しているのだとしたら、アメリカの非加盟はイラクが加盟を撤回した理由にはならないでしょう。
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