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明日は何の日? 3・10 東京大空襲

投稿者: yugafee 投稿日時: 2005/03/09 11:08 投稿番号: [66602 / 118550]
昭和二十年三月十日の(東京)大空襲から三日目か、四日目であったか、私の脳裏に鮮明に残っている一つの情景がある。

永代橋から深川木場方面の死体取り片付け作業に従事していた私は、無数とも思われる程の遺体に慣れて、一遺体ごとに手を合わせるものの、初めに感じていた異臭にも、焼けただれた皮膚の無惨さにも、さして驚くこともなくなっていた。午後も夕方近く、路地と見られる所で発見した遺体の異様な姿態に不審を覚えた。

頭髪が焼けこげ、着物が焼けて火傷の皮膚があらわなことはいずれとも変りはなかったが、倒壊物の下敷きになった方の他はうつ伏せか、横かがみ、仰向きがすべてであったのに、その遺体のみは、地面に顔をつけてうずくまっていた。着衣から女性と見分けられたが、なぜこうした形で死んだのか。

その人は赤ちゃんを抱えていた。さらに、その下には大きな穴が掘られていた。母と思われる人の十本の指には血と泥がこびりつき、つめは一つもなかった。どこからか来て、もはやと覚悟して、指で固い地面を掘り、赤ちゃんを入れ、その上におおいかぶさって、火を防ぎ、わが子の生命を守ろうとしたのであろう。

赤ちゃんの着物はすこしも焼けていなかった。小さなかわいいきれいな両手が母の乳房の一つをつかんでいた。だが、煙のためかその赤ちゃんもすでに息をしていなかった。

わたしの周囲には十人余りの友人がいたが、だれも無言であった。どの顔も涙で汚れゆがんでいた。一人がそっとその場をはなれ、地面にはう破裂した水道管からちょろちょろこぼれるような水で手ぬぐいをぬらしてきて、母親の黒ずんだ顔を丁寧にふいた。若い顔がそこに現れた。ひどい火傷を負いながらも、息の出来ない煙に巻かれながらも、苦痛の表情は見られなかった。

これは、いったいなぜだろう。美しい顔であった。人間の愛を表現する顔であったのか。

だれかがいった。

「花があったらなあ――」


    『 写真版   東京大空襲の記録 』(新潮社) http://www.ihope.jp/tokyo-bomb.htm より引用






戦争は理屈抜きに、“ 絶対悪 ”。
日本がアジア諸国に行った行為も悪。
アメリカが東京を焼き払い、広島と長崎に原爆を落としたのも悪。
人間が人間を殺す行為そのものが “ 絶対悪 ”。

万一に備えて、軍備や法律を整備する政治屋を選ぶことより、
そうならない努力をする政治家を選ぼう。

一体一体の犠牲者も、さっきまで、ちゃんと名前があった。
ただの黒焦げの死体じゃない。

とくに、女性こそ戦争の最大の犠牲者となる。
これは世界共通の現象。
女性が賢明になってこそ、世の中が変るものと思う。
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