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>茶色の朝

投稿者: battamother 投稿日時: 2004/08/08 21:47 投稿番号: [49598 / 118550]
官軍様ご紹介の『茶色の朝』ですが、これ私も買いました。6月にこれを別トピで案内していたので、コピーして貼り付けようと思ったのですが、既に削除されていました。
この物語の象徴することもさることながら、巻末にある哲学者高橋哲哉氏のメッセージがこの本の圧巻ではないかと個人的には思っています。
そこで、昨夜、共鳴による『波及効果』という話題が持ち上がっていましたが、今この時期だからこそということで、官軍さまのご紹介を受け継ぐ形で、一部内容を私流にアレンジしての抜粋で、ご紹介させて頂きます。

メッセージ
『やり過ごさないこと、考えつづけること』―フランク・パヴロフ『茶色の朝』に寄せて―

『茶色の朝』は、ひとことで言ってしまえば、すべてが「茶色だけ」になってしまう物語です。ある国の中で何もかもが「茶色」に染まっていきます。猫、犬、新聞、ラジオ、本、パスティス、競馬のレース、人々の服装、政党の名前、そして「朝」までも・・・。茶色以外のものはいっさい存在を許されなくなっていくのです。

「流れに逆らった言動をすると、かたよった人間と見られ、仲間はずれにされる」。
たしかに、流れに逆らうためには勇気が必要です。孤立することもあるでしょう。不安につきまとわれたり、面倒ことに巻き込まれることもあるかも知れません。でも、ひとりの人の言動をきっかけに、もしかすると、それまで言いたくても言えないでいた、動きたくても動けないでいた「ふつうの人々」のだれかが、第一歩を踏み出す勇気をもてるかもしれないのです。
なによりも、孤立を恐れて皆が流れに棹さしてしまえば、行き着く先は『茶色の朝』でしかなくなってしうでしょう。
「なんだかんだ言っても、私たちはまだ自由じゃないか。権力の弾圧など受けたことはないし、毎日の生活でとくに不自由を感じることはない。いろいろな法律が国家統制を強めるとか言うけれど、今のこの自由が近い将来なくなってしまうなど、とても想像できない」。
こんなふうに感じる人にこそ、『茶色の朝』の物語の意味を十分に考えてほしいと思います。私たちがいまも感じているこうした「自由」―それが、すでに相当程度「茶色」に染まった自由であり、「茶色の自由」でないと、だれが言い切れるでしょうか?
私たちがすでに「茶色に守られた自由」の中にいて、まさにそのために自分たちが染まっている「茶色」の濃さを実感できずに、「それも悪くない」と感じているだけだとしたら、どうなるでしょう?
まさにそのために、自分たちを待ち受けている「茶色の朝」の衝撃を予感すらできなくなっているのだとしたら?
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