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日銀よ、どこへ消えた

投稿者: yankeejapan 投稿日時: 2008/10/07 10:04 投稿番号: [114085 / 118550]
日銀よ、どこへ消えた   世界金融危機

10月7日8時5分配信 産経新聞

  株式市場が急落する最中に開かれた衆院予算委員会での補正予算論戦。見ていると「不思議の国」に迷い込んだアリスのような錯覚に陥った。日本も当事者のグローバルな金融危機なのに、「金融」は俎上(そじょう)に載らず、危機前につなぎ合わせた「財政」の2文字しか出てこない。その予算委員会には金融の元締め、白川方明(まさあき)日銀総裁が出席する予定はないという。

  「日銀の政治的独立性を尊重しなければならないから」とは詭弁(きべん)である。緊急時に機動的に対応できるのは金融政策しかない。「超低金利の日銀には政策面での余力がない」とみる専門家もいる。実際にそうなのだろうか。

  □供給増やさず

  金融政策は何も金利操作とはかぎらない。日銀は日銀券というマネーを刷って市場に流す。一部は現金となって出回り、一部は市中銀行の日銀口座にある。統計上この2つを合計したものが「ベースマネー(基礎マネー)」と呼ばれる。ベースマネーが増えるとまるでダムの水のように放出され、金融機関を通じて企業、そして家計に貸し出される。金融機関の貸し渋りが深刻化しているときは有効だ。

  また、株価もベースマネーの供給が増えれば上昇し、絞れば下がる場合が多い。昨年8月のサブプライム危機勃発(ぼっぱつ)前にすでに株価が低迷していたのも、ベースマネー供給を減らした量的な引き締めが一因だ。

  驚くべきことに、日銀の統計をみると、この9月のベースマネー平均残高は前年同期比0・9%増にすぎない。米ウォール街で金融機関の破綻が相次ぎ、日本経済の下降が加速している最中に、日銀は実のところマネーという水の供給を増やしていない。リーマン・ショックに巻き込まれた外資系金融機関に資金を流すようにはしたが、短期間で資金を引き揚げている。

  □ドル急落不安

  危機の震源、米国の連邦準備制度理事会(FRB)はこの9月だけで1年分をはるかに上回るドル資金を市場に供給した。いわば垂れ流しに近いが、経営不安のために資金調達できない金融機関をつぶさないためにまだまだ続けざるをえない。その結果生じるのはドル急落不安であり、円の急騰である。そのとき、日本も欧州もアジアも市場が受ける衝撃がどうなのか、予測もつかない。

  「いずれ世界は新プラザ合意が必要になる」(ロンドンの国際金融アナリストA・シムキン氏)との観測も強い。欧州主要国は緊急サミット(主要国首脳会議)の開催を提唱している。日本は政治の場で日銀を交えて金融危機についてしっかりと自国の政策を議論して決め、世界に発信する必要がある。そうしなければ、市場にもみくちゃにされ、国際的な対応もできなくなるだろう。(編集委員   田村秀男)
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