彼は解雇通告されていた
投稿者: dorawasabi5001 投稿日時: 2008/07/29 00:41 投稿番号: [113200 / 118550]
▼彼は 「解雇通告」 されていた
現場を訪ねたことが明らかになっている数少ないルポの中で、「週刊金曜日」 6月27日号の横田一レポート、「派遣先自動車工場での容疑者の日常」
・・
しかし、横田レポートが伝えている 「事実」 は衝撃的だ。・・
横田レポートを引用する。
「秋葉原殺人事件三日前の六月五日早朝、トヨタの子会社 『関東自動車工業』 (静岡県裾野市) で加藤容疑者が暴れ出した。
『つなぎがない。いらなくなったら (首を) 切るのか』 と叫びながら、職場仲間のつなぎをぶちまけ始めたのだ。同僚のT氏は、すぐに上司に訴えた。
『止めてもらえませんか。解雇通知を受け取り、精神的の動揺して暴れているのです』」
「しかし上司は止めなかった。
『君は解雇されない。延長の予定だから誤解するな』 となだめることもしなかった。T氏はこう振り返る」
「『加藤容疑者の夢は正社員でした。 《いまは派遣社員だけども、そのうち期間工になって、正社員になるんだ》 と話していました。でもその夢が解雇通知とつなぎの件でうち砕かれた。加藤容疑者にも解雇通知は来ており、ショックを受けていました。
会社は 《加藤容疑者は延長する予定だった》 と事件後の記者会見で説明しましたが、それなら、なぜ暴れたときに伝えなかったのですか』」−。
取材に応じたT氏は、横田記者に 「つなぎ (作業服) 本当になかった。現場にいた者としてはっきりいえます」 とも語っている。
▼「全員解雇」 の中での 「選別」
偽装倒産事件などでよくあるのは、いったん全員を解雇して、その中から会社に忠実な、問題を起こさないものだけを採用するやり方である。
労働者の働く権利など完全に踏みにじったやり方だ。しかし、その方法が会社にとって、労働者の 「選別」 をしやすい方法であることは言うまでもない。
かつて、国鉄の分割民営化では、反対する国労組合員に対してこの方法がとられたし、いままた社会保険庁の廃止・民営化で同様のことが語られている。「組織替え」 という名の労働者の 「選別」 であり、「物言わぬ職場」 作りの方策だ。
しかも、一般正社員で、労働組合に組織されている労働者であれば、闘う方法もあるだろうが、借り上げのアパートに住まわされている派遣工は、いまの派遣先を 「クビ」 になれば、住んでいる場さえ明け渡さなければならず、生活の場も奪われてしまうのだ。その 「選別」 に異議を唱えることなどできず、派遣会社がどこかほかの派遣先を見つけてくれれば幸せ。そこに行く以外、方法がない。
・・
ネットに書き込んでも、止める人はいなかった。朝日新聞6月21日付によれば、彼は、取り調べ官に 「初めてきちんと話を聞いてくれる人ができた」 と語ったのだそうである。
▼改めて労働現場の取材−事実報道を
・・
その時代から、「派遣法」 が動き出して、1985年、16の専門業種に限って派遣労働が解禁され、相次ぐ労働法制の 「規制緩和」 の中で、「例外」 だった 「労働者派遣」 は当然のことになった。
【99年に原則自由化、2004年には、製造業にも解禁された。当時の日本経団連会長はトヨタの奥田碩氏である。】
横田レポートは、事件の背景にある 「派遣社員の不安定さや正社員との絶望的な格差に加え、派遣社員を部品扱いするトヨタ生産方式 (利益至上主義) も関係しているのではないか」 と指摘し、全トヨタ労働組合の若月忠夫委員長の話を紹介している。
「一番屈辱的なのはボーナスの日。正社員だけがボーナスをもらえて、非正規社員はもらえない。欧州では、正社員でも非正規社員でも同じ仕事をすれば、給料が同じ 『同一労働同一賃金』 が当たり前ですが、日本では実現されていないのです」。・・
彼が置かれていた状況と犯罪に至る心理は、これまでの報道が示すように、解雇はされないのに勝手に解雇されると思いこんだ 「誤解」 だったのか、横田レポートが示すように、実際に 「解雇通告」 を受けたあとのショックだったのか、あるいは、自分が 「選別過程=まな板の鯉」 状況に置かれていることを知ったためだったのか―。
このことは、犯行に至る彼の心理と、事件の持つ意味を考えれば、格段に違いがあるのではないだろうか。 ・・
http://www.news-pj.net/npj/maruyama/index.html#anchor-20080719
現場を訪ねたことが明らかになっている数少ないルポの中で、「週刊金曜日」 6月27日号の横田一レポート、「派遣先自動車工場での容疑者の日常」
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しかし、横田レポートが伝えている 「事実」 は衝撃的だ。・・
横田レポートを引用する。
「秋葉原殺人事件三日前の六月五日早朝、トヨタの子会社 『関東自動車工業』 (静岡県裾野市) で加藤容疑者が暴れ出した。
『つなぎがない。いらなくなったら (首を) 切るのか』 と叫びながら、職場仲間のつなぎをぶちまけ始めたのだ。同僚のT氏は、すぐに上司に訴えた。
『止めてもらえませんか。解雇通知を受け取り、精神的の動揺して暴れているのです』」
「しかし上司は止めなかった。
『君は解雇されない。延長の予定だから誤解するな』 となだめることもしなかった。T氏はこう振り返る」
「『加藤容疑者の夢は正社員でした。 《いまは派遣社員だけども、そのうち期間工になって、正社員になるんだ》 と話していました。でもその夢が解雇通知とつなぎの件でうち砕かれた。加藤容疑者にも解雇通知は来ており、ショックを受けていました。
会社は 《加藤容疑者は延長する予定だった》 と事件後の記者会見で説明しましたが、それなら、なぜ暴れたときに伝えなかったのですか』」−。
取材に応じたT氏は、横田記者に 「つなぎ (作業服) 本当になかった。現場にいた者としてはっきりいえます」 とも語っている。
▼「全員解雇」 の中での 「選別」
偽装倒産事件などでよくあるのは、いったん全員を解雇して、その中から会社に忠実な、問題を起こさないものだけを採用するやり方である。
労働者の働く権利など完全に踏みにじったやり方だ。しかし、その方法が会社にとって、労働者の 「選別」 をしやすい方法であることは言うまでもない。
かつて、国鉄の分割民営化では、反対する国労組合員に対してこの方法がとられたし、いままた社会保険庁の廃止・民営化で同様のことが語られている。「組織替え」 という名の労働者の 「選別」 であり、「物言わぬ職場」 作りの方策だ。
しかも、一般正社員で、労働組合に組織されている労働者であれば、闘う方法もあるだろうが、借り上げのアパートに住まわされている派遣工は、いまの派遣先を 「クビ」 になれば、住んでいる場さえ明け渡さなければならず、生活の場も奪われてしまうのだ。その 「選別」 に異議を唱えることなどできず、派遣会社がどこかほかの派遣先を見つけてくれれば幸せ。そこに行く以外、方法がない。
・・
ネットに書き込んでも、止める人はいなかった。朝日新聞6月21日付によれば、彼は、取り調べ官に 「初めてきちんと話を聞いてくれる人ができた」 と語ったのだそうである。
▼改めて労働現場の取材−事実報道を
・・
その時代から、「派遣法」 が動き出して、1985年、16の専門業種に限って派遣労働が解禁され、相次ぐ労働法制の 「規制緩和」 の中で、「例外」 だった 「労働者派遣」 は当然のことになった。
【99年に原則自由化、2004年には、製造業にも解禁された。当時の日本経団連会長はトヨタの奥田碩氏である。】
横田レポートは、事件の背景にある 「派遣社員の不安定さや正社員との絶望的な格差に加え、派遣社員を部品扱いするトヨタ生産方式 (利益至上主義) も関係しているのではないか」 と指摘し、全トヨタ労働組合の若月忠夫委員長の話を紹介している。
「一番屈辱的なのはボーナスの日。正社員だけがボーナスをもらえて、非正規社員はもらえない。欧州では、正社員でも非正規社員でも同じ仕事をすれば、給料が同じ 『同一労働同一賃金』 が当たり前ですが、日本では実現されていないのです」。・・
彼が置かれていた状況と犯罪に至る心理は、これまでの報道が示すように、解雇はされないのに勝手に解雇されると思いこんだ 「誤解」 だったのか、横田レポートが示すように、実際に 「解雇通告」 を受けたあとのショックだったのか、あるいは、自分が 「選別過程=まな板の鯉」 状況に置かれていることを知ったためだったのか―。
このことは、犯行に至る彼の心理と、事件の持つ意味を考えれば、格段に違いがあるのではないだろうか。 ・・
http://www.news-pj.net/npj/maruyama/index.html#anchor-20080719
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