イラク復興

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国連決議を根拠とする部隊の法的地位

投稿者: silverlining430 投稿日時: 2004/10/21 19:10 投稿番号: [1774 / 1982]
オランダ軍事法廷の判決については、すでにかつらぎさんとライターさんで話し合われておりますが、僕からも一言。

まず、イラク人男性をオランダ兵が射殺した事件が起きたのは昨年12月27日。

ちょうどイラク暫定憲法の起草作業が本格的に開始された時期でもあります。イラクの人口の6割を占めるシーア派が、その人口比に見合った政治的発言権を確保できないような起草文書案ができあがろうとしていたため、シーア派の最高権威であるシスタニ師も、シーア派住民に大々的なデモをイラク全土で起こすよう呼び掛けていた時期でもありますね。

問題は、「群衆への警告射撃」というところです。おそらくデモで押し掛けてきたイラク人の群れに向けてオランダ兵が警告射撃したという構図を記事にしているのだと思いますが、ここは朝日新聞の記事が不正確かと思われます。正確にはイラク人群衆めがけてオランダ兵が射撃したのではなく、警告のため銃口を別の方向に向け撃った銃弾が障害物に跳ね返り、その流れ弾がイラク人男性に当たってしまったということのようです(と僕は聞いているのですが…)。

ここは空砲で行うべきで、銃弾を込め、警告射撃を行ったのは、ROEにも違反しているとの意見があるかもしれませんが、そもそも威嚇射撃や警告射撃は、実弾を込めた銃で行うものであるのかどうかということに関しては、ちょっと僕は分かりません。カツラギさんやライターさんの方が、この点についてお詳しいかと思われます。

いずれにせよ、故意ではない過失致死的な事件だったようです。

サマワでも、イラク人のデモが暴徒化することが幾度となくありましたので、治安任務の一貫として、これを沈静化させることは、国連安保理決議1483で想定されている活動でもあるため、安保理決議上の任務を果たしている過程で、業務上の過失致死的な事件が起きた――ということになるのでしょう。

となると、オランダ軍事法廷のような判決が出てしまうのは、ある意味、仕方のないことであるかもしれません。

チョムスキーの「テロ国家」の定義の問題とも関係してくるのですが、チョムスキーの定義のもう一つの誤りは、故意と過失の被害を峻別していないことです。テロは故意の殺害ですが、自衛権や国連決議などを根拠に行われる武力行使は、形式的には制裁行動であり、それに付随する殺害や被害などは、意図的にやったものではなく、誤射などに帰因しているため、あくまで付随被害となります。

問題は、自衛権や国連決議を根拠にしているからといって、故意ではないにせよ、その制裁的な武力行使により生じた被害は、何の補償もなされなくていいのか?――ということであり、国連の御旗の下、ないし自衛権を盾に編成された軍事組織の活動により生じた被害を、平時にどう補償していくのかということが、既存の国際法の未整備部分でもあり、重要な課題でもあるのです。

補償のための国際法規範の整備ということは、今後、PKOなり、国連決議に基づく多国籍軍の活動を考えいてく上で、しっかり取り組んでいかなければならないものであると、僕は考えています。

たとえ無罪判決をオランダ軍事法廷が出したとしても、業務上過失致死とはいえ、その被害をどう補償していくのか、という視点は重要ではないかと僕は思います。

8月中旬のオランダ軍部隊襲撃事件については、ちょうどサドル君のばか民兵が暴れまくっていた頃でもあり、サドル民兵が鎮圧された今、この襲撃事件を理由に、即時撤退をほのめかすようなことを、オランダがするわけはないでしょう。

とりあえず以上です。
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