戦争を風化させない
投稿者: nanisun_carrion 投稿日時: 2005/08/08 11:49 投稿番号: [1654 / 1657]
英国の小説家コナン・ドイルはシャーロック・ホームズに「人の脳の容量は一定で、新しい知識を一つ入れると古い知識が一つ追い出される」と語らせている。
使えば使うほど容量が増えるというのは一部の天才たちの話であって、私たち凡人は毎日テレビや週刊誌(新聞も)などで余計な知識を詰め込んでは大切なことを忘れていく……。しかも記憶というものはそれがどんな悲劇的なものであっても時が過ぎると痛みは薄れていく。
その結果、「あの頃はつらかったがこんないいこともあった」などという愚かな意見がはびこることになる。中には都合の悪い歴史は書き換えて過去そのものを無かったことにしようとする輩(やから)も出てくる。
奇(く)しくも今日は広島に原爆が投下されてから60年に当たる。被爆や戦争を体験した人たちの「非戦」の願いで全国各地が埋め尽くされるだろう。私たちがこの人たちの体験を風化させず、未来の叡智(えい・ち)につなげることができないのは何故だろうか……。
私は世界中の誰もが戦争のない平和な国を望んでいることを疑わないが、いまだに紛争やテロが絶えないのは「平和とは何か。何をもって平和と考えるのか」という論議が足りないからだと思う。
平和を守るために軍備を増強する。平和を守るために大国の戦争を支持する。平和を守るために平和憲法を「改正」する。「何も関係のない市民が」と言える平和……。このような平和の思想の中身や方向の違いを抜きにして平和を合唱したところで、私たちはそれをいつまでたっても引き寄せることは出来ないと思う。
被爆者が「60年の証言」を続けるなかで、九州の陸上自衛隊がイラクへ向けて出国していく。無力感に襲われ、トリにエサをやる気力も失(う)せるが、それでもここが私の戦場である。トリを飼いながら「被爆者が訴えてきた『憎しみと暴力、報復の連鎖』を断ち切る和解の道」(広島平和宣言
2002)を探り続けたい。
2005
広島平和宣言の日に
これは メッセージ 1 (topics_editor さん)への返信です.
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