イラク戦争

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イスラームを知るための資料として①

投稿者: nezu_nezukou 投稿日時: 2004/11/14 02:52 投稿番号: [2271 / 5091]
■ マディーナ憲章

ヒジュラ暦第一年前のヤスリブは、マッカと同様、中央の権勢が存在しない部族社会でありました。国
家はなく、全体の統治者もありませんでした。したがって、全体を律する政治的なルールもありません。
いったん抗争が始まるとなかなか終結させることが出来ませんでした。それが、彼らがムハンマドを調
停者と招いた一つでありました。

しかし、ムハンマドとイスラームの到来と共に、新しい原理に立脚して政治組織が作られました。この
時誕生したのは、規模はごく小さな都市国家に過ぎないが、それはアラビア半島にこれまで全く存在し
たことのない共同体でありました。

ヤスリブには二つのアラブ部族のほかにユダヤ教を奉じる三部族がありましたが、彼ら全体を結び付け
る協定が結ばれました。ヤスリブの町は「預言者のマディーナ(町)」略してマディーナとして知られ
るようになりますが、この協定は「マディーナ憲章」の名で呼ばれます。この憲章には四七条あります
が、その一部を挙げれば、下記のようなものとなります。


(01) これは預言者ムハンマドよりの、クライシュ出身者とヤスリブ在住の信徒およびムスリムたち、
   ならびに彼等に従って、彼らと提携し、共に戦う者たちの関係を律する文書である。

(02) 彼らは、他の人々とは異なる一つの共同体をなす。

(12) 信徒たちは、彼らの間の困窮者を放置せず、身代金あるいは血の代償に関して、その者に善行を
   施すものとする。

(14) 信徒は、不審者のために他の信徒を殺してはならないし、また他の信徒に敵対する者を援助して
   はならない。

(15) 神の保護は一つであり、最も地位の低い者が与える保護も彼ら全員を(保護の連帯責任において)
   拘束する。信徒たちは、他の人々とは別に、互いの間で保護し協力し合う。

(16) ユダヤ教徒で我々に従う者には援助と対等の扱いが与えられ、抑圧されることも、その敵に援助
   が与えられることも無い。

(25) アウフ支族のユダヤ教徒は、信徒たちと共同体をなすが、ユダヤ教徒には彼らの宗教があり、ム
   スリムたちには彼らの宗教がある。

(39) ヤスリブの谷は、本憲章の民にとって(安全が保護され)不可侵である。

(42) 本憲章の民の間で、悪影響の(広がる)恐れがある対立や紛争が生じた場合には、その裁決は神
   と神の使途ムハンマドに委ねなければならない。


これらの憲章には、無闇に殺戮が行われないように予め定められたものであり、ユダヤ教において規定
されてあるその意図は、宗教の相違による紛争や戦争、殺戮が行われないように定義付けられたもので
あります(これにはムハンマドたちが宗教観の相違で身の危険に曝されたことにある)。

この憲章こそ、しばしば抗争を生む部族主義の紐帯に加えて、信仰を基礎とする共同体を樹立し、宗教
共存による安全保障の原理を打ち立てるものでありました。ここにウンマ(イスラーム共同体)の理念
と原理の祖型が作られたのであります。
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