拘束された豪州女性の手紙No.8-1
投稿者: amadeusdus 投稿日時: 2004/07/08 23:55 投稿番号: [212974 / 280993]
私たちの道路封鎖ドラマはそこで終わりではなかった。ファルージャ周辺の田
舎道を車で帰る途中では、しばしば土地の人に止められてこう言われた。
「そっちの方には行けないよ、道端にアメリカ兵が隠れている。安全じゃない
よ」
私たちは数回後戻りを余儀なくされて、また最初から始めなければならなかっ
た。頭上の戦闘機がうなり声を上げながら飛び交うなか、バグダッドへの帰り
道を見つけようとして、田園風景の中をびくびくしながらジグザグに進んだ。
他にどうしようもなくなって、ついに1本の道に思い切って出てみた。
前方に迫撃砲の発射音が聞こえたので、ゆっくりと停車した。もしこのまま車
が進めば、ロケット弾のひとつが私たちに命中するだろう。家族満載の車はま
だ私たちにくっ付いてきていた。
(中略)
歩いていく間ずっと、ミサイルと銃弾が私たちの向かう場所から発射されてい
た。近くの農地に着弾すると、私たちの歩いている地面が揺らいだ。ミサイル
発射音が大きくドカンとなるたびに、私は胃が痛んだ。
ここ数日間で私は数回「兵士たちのほうに向かって歩く」ということをした
が、このときは、なかでも一番恐ろしくて、何が起こるか分からなかった。拡
声器で呼びかけたものの、返事はなかった。
突然デービッドが訊ねた。「あそこにいるのは、アメリカ兵かね、それともム
ジャかね?」
人物の輪郭は見えたものの、私たちが見慣れたアメリカ兵の伝
統的なヘルメットをかぶっていなかった(訳者注:ムジャはムジャヒディン=
イスラム教の戦士の略称)。
これで、ますます不安が増大した。はるか先に、私たちのいるあたり一帯にミ
サイルを打ちまくってくる戦士がいる。それがだれだか分からずに、そこに向
かって歩いていく私たち。
拡声器でわめきつづけたが、聞こえているに違いないのに、まったく返答はな
かった。
「彼らが英語をしゃべれなかったら、こっちの言うことが分からないね」と
デービッドが言った。私の心臓は時速100マイルで脈打ちはじめた。私たち
はいよいよ、このまま歩いていっていいのか、わからなくなった。撃たれない
か、また捕虜になるのか、という思いが私たちの頭に浮かんだ。
しかしここはイラク。戦争中のファルージャ周辺の農地の中で、車には安全な
ところに逃げなければならない人たちが満載だ。こんな状況で多くの選択肢は
ない、だから私たちは歩きつづけた。
これは メッセージ 207020 (amadeusdus さん)への返信です.
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