ファシズムに加担した国民
投稿者: wintrip_02 投稿日時: 2004/06/29 01:57 投稿番号: [208593 / 280993]
「世界の歴史26
中央公論新社
世界大戦と現代文化の開幕
初版1997」から
引用開始−−−−−−−−−−−
労働者の対応
国民の過半を占める労働者のあいだでも、積極的なナチ支持は多くはなかった。
−−−中略−−−−
にもかかわらず、労働者はナチ体制に反抗もしなかった。
その理由の一つは、かれらが長い失業時代、失業の不安の時代を体験してきたことにある。
1970年代におこなわれたルール地方の聞き取り調査では、
当時の労働者に「暗いワイマール共和国時代と明るいナチ時代」
という記憶が少なくなく、歴史家を驚かせた。
それも職の確保と生活の安定がいかに切実な関心であったかを物語っている。
中略
(本巻の最後に
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一国主義の極限・ファシズム国家)
ドイツやイタリアの国民は戦争を積極的に支持したわけではなかった。
だが、かれらは一度得た特権を、あるいはそれが手に入りそうな見通しを
手放そうとはしなかった。
ある歴史家は、ドイツ国民が恐れたのは
戦争ではなく、敗戦とせっかく築き上げた生活の破壊であったのだ
と辛辣に指摘している。
こう断言できるかどうかについては議論があるだろう。
だが、かれらは「静に」戦争に行き、その遂行を担った。
第一次世界大戦のように、ドイツや日本で大きな反戦運動が
起こらなかった理由の一つは国家から与えられた特権に
自己の生活基盤をすえてしまったことにあった。
ファシズム諸国による戦争が始まって、
西欧諸国、アメリカ合衆国、ソ連、アジア、東欧の諸地域の人々は、
一国主義のもつ危険と現代への模索が
国際協力と連帯の道のなかで選択されなければならないこと
に気づいていく。
だが、それは第二次世界大戦でおびただしい犠牲を払って、
苦しみながら学ばれることになるだろう。
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-引用終了
これは メッセージ 208586 (masa03012 さん)への返信です.
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