イラクで日本人拘束

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sironeko_kuroneko_ti_kuさん2

投稿者: gravitation_and_cosmology 投稿日時: 2004/05/29 08:02 投稿番号: [190331 / 280993]
続き

次に中国のエネルギー安保についてですが、
おっしゃるとおり現在の中国の電力不足は深刻です。昨年の電力需要は15.4%の伸びとなり、全国31省市のうち22省市で広域停電や使用制限が行われる事態となりました。上海等に進出している日本企業の製造業62%が電力供給制限を受けましたし、日本企業の70%が電力供給調整問題が対中投資検討の考慮要因になっていると言っています。今年の1−3月期も電力需要の伸びは16.4%となっており(新華社)、電力不足になるのは明らかです。

中国は2020年にGDPを2000年の4倍にするとの長期努力目標を有しており、この場合に必要となる発電設備は9億kwにもなります。現状が3億8千4百万kwなので、単純計算でも毎年3千万kw以上もの電源開発が必要で、これは日本の中部電力規模の電源が毎年出現しなければなりません。ちなみに日本の総発電設備は2億6千6百万kwなので、中国はすでに世界第2の発電大国です。それでも現状のままなら未来の電力を賄えません。何で賄うか?

まず、石炭火力です。
現在の中国の発電設備の3/4は石炭火力です。今後もこの地位は変わりないでしょう。日本エネルギー経済研究所によると2020年時点での石炭火力のシェアは70%を維持すると見通されています。しかし地球環境問題との兼ね合いもあります。

2番目に石油です。
昨年中国の石油消費量は日本を越えました。IAEの見通しだと2015年には中国の石油輸入量が日本を上回るとされています。中国が電源を石油にシフトしていけば世界の石油市場に与えるインパクトは看過できないでしょう。

3番目に天然ガスです。
中国政府は西部地区に大量に存在すると言われる天然ガスを開発して東部に輸送するパイプライン建設に国を挙げて取り組んでいます(いわゆる「西気東輸」)。2020年に向けて相当程度の天然ガス火力開発が進むでしょうが、開発には時間がかかるので2020年には総発電量の5.8%程度と見積もられています。

4番目に水力です。
現在の中国発電量の1/4は水力によるものです。実際、水力発電開発は盛んですが、三峡ダムでさえ70万kw26基の計画なので、トータルでも1820万kwの発電量にしかなりません。

5番目に原子力です。
昨年、中国国家発展改革委員会は原子力を積極的に開発するという方針を打ち出しました。仮に日本のように電力の1/3を原子力で賄うならば、100万kw級の原子力発電所300基必要になります。ちなみに日本で稼動してる原子力発電所は52基で、世界全体でも434基です。開発には時間がかかり、現実の見通しでは2020年に3千2百万kwぐらいなので、総発電設備の4%にも満たないです。

9億kwとは如何にすごいかが見えてきますが、結論から言うとあらゆる電源を追求していくということ以外に道はないでしょう。世界のエネルギー安保は今後中国が大きく加わってきて影響を受けるのは避けられないですね。以下に過去5年の中国資源外交をまとめてみます。

1999年10月
江国家主席、サウジを訪問。石油分野を含む協力で合意
2000年 6月  
イラン大統領訪中、エネルギー分野を含む協力関係を強化する共同コミュニケに調印
同年7月
江主席、トルクメニスタン訪問。天然ガスパイプラインの調査実施で合意
01年7月
江主席、東シベリア−中国間の原油パイプラインにからみ合意
02年4月
江主席、リビア、イランと石油や天然ガスの協力協定締結
03年9月
中国側企業がカザフすたんと石油・ガスの協力協定に調印
同年10月
オーストラリアでの天然ガスの購入などでコキントウ主席が調印式に出席
04年1,2月
コ主席がガボン、アルジェリアなどを訪問

このように中国は首脳自らが資源国を訪問し、関係強化を図っていて、一段と資源外交を積極化させています。我国もこれらをしっかり踏まえてエネルギー調達力を強化することが、これまで以上に重要ですね。日本も米の反対を押し切って、イラン石油利権やシベリアパイプライン建設を得ています。自民党は昔から経済問題では相当米国とぶつかってきましたし。

中国のエネルギー政策をみると、南紗諸島には野心はあるでしょうが、現在のASEANと中国の関係、さらにいえばベトナムとの関係、それと米国との関係からいっても表立って野心的に行動するとは考えられません。協調体制を取るでしょう。上記の資源外交を見ても中東や中央アジアに重点を置いているようです。軍事行動は非現実的でしょう。それでも日米の連携による抑止は当然必要ですが。

以上です、それではおやすみなさい。
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