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「戦争の飢えを日本軍が救った」

投稿者: nakiwryo 投稿日時: 2006/05/04 02:16 投稿番号: [54810 / 66577]
日中戦争さなかの1942年、大干ばつに見舞われた河南省の人々を救ったのは、なんと日本軍だった――。そんな史実を描いた、中国人作家のルポルタージュが日本語に翻訳され、注目を集めている。

  主題は日本軍の「美談」ではなく、人間の「生きる」という営為は政治や戦争の善悪を超えるということ。人々の生活こそが歴史を作るとの作者の主張は、政治対立に翻弄(ほんろう)される日中関係に新たな視点を提供している。

  この作品は北京在住の人気作家、劉震雲氏(47)が発表した「温故一九四二(1942年を訪ねる)」。邦訳はこのほど竹内実監修・劉燕子訳で中国書店から刊行された。

  1942年、河南省など華北一帯は激しい干ばつに襲われ、同省では約300万人が餓死。同省の農村出身の劉氏は郷里を取材して歩き、資料を調査して、当時の飢餓地獄の惨状をルポルタージュにまとめた。

  作品が異色なのは、飢えた人々を助けたのは国民党政府ではなく、「侵略者」である日本軍が放出した軍糧だった、という史実を明らかにし、「敵の食糧」を食べて生き延びた人々の選択を肯定した点。中国では、日本軍は「絶対的な悪」であり、国民は売国奴であってはならないとの認識が強いため、作品は批判も含めて論争を引き起こした。

  そんな国内事情を承知しつつも、劉氏があえてノンフィクションの形で作品を世に問うたのは、「人々にとって政治とか戦争とかは小問題であり、『食べる』ことこそが大問題だ」という根源的な真理を訴えたかったからだ。

  政治がどうあれ、人々は飯を食べ、生きていかなければならない。そうした人間の営みが歴史の源流だ。政治や戦争が歴史の主役であるかのように見えるが、実は歴史を動かすのは人々の生活だ――。劉氏の作家としての基本的視点はそこにある。

(2006年5月4日0時16分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060503i314.htm?from=main3
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