中国 重金属汚染
投稿者: kizin_onino_hidetora 投稿日時: 2005/08/02 20:42 投稿番号: [40238 / 66577]
重金属汚染広がる 工業化ひずみ 工場周辺農地に被害
2005/7/30 産経新聞
急速な経済成長を続ける中国で、工業化のひずみが表面化している。
急成長の大きな柱は重化学工業の進展だが、
工場などから排出される重金属などの有害物質が周辺農地の土壌を汚染し、
耕作禁止に追い込むところまで深刻化している。
中国の雑誌、「中国新聞周刊」は江蘇省の秦淮河で二十年以上、
野菜を中心に経済作物を生産している農民の韓さんの例を紹介している。
ある日、省都である南京市当局の専門家が来て、韓さんの畑の土壌を検査、
分析したところ、大量の重金属類が含まれていることがわかった。
◆作物生産を中止
土壌に含有されていたのは政府の安全基準を大幅に上回る水銀や亜鉛だった。
韓さんの畑で農作物を生産することはできなくなった。
「おいらは畑を耕しているだけで、重金属っていわれても何なのかわからないよ」
韓さんは悲しげに不可解な表情で語る。
重金属汚染を理由とする耕作の禁止措置は、
村で暮らす数百世帯の農民から農業生産の機会を奪った。
「こんな目に遭うとは夢にも思わなかったよ。先祖代々耕してきた土地なのに」。
みずみずしく育った野菜は内部に大量の水銀と亜鉛を含んでいる。
だが、これらの野菜を食べ続ければ中毒症状を起こすことになり、
毒のある野菜を町の市場に出すことはできない。
韓さんが住む南京市郊外の江寧区には経済開発区が設けられ、
農地付近には、火力発電所や電子機械工場、アパレル工場、
大手外資系携帯電話工場、精密機器工場が林立している。
区政府は開発区の発展に力を入れ、生産の増強に突っ走ってきた。
おかげで、域内総生産(GDP)の伸びは目覚しいものがあった。
だが、同時に農地の土壌汚染が静かに進んだ。
南京農業大学の姜小三・研究員たちは
江寧区に隣接した二つの町の土壌汚染の実態調査を行った。
その結果、いくつかのサンプル調査地点で
原因不明の高濃度の水銀や亜鉛による汚染が確認された。
原因は秦淮河を伝って重金属の汚染が広がったと考えるしかないという。
同大生態環境研究所の調査では、
二〇〇二年に初めて南京市内の各地の土壌の重金属汚染について調べたところ、
サンプル調査地点の70%で汚染が確認され、
最高で基準の三倍の鉛が含有されていた。
◆長江流域都市も
長江流域の都市は経済発展が急速に進み、消費水準も向上している。
都市部の住民は野菜や農作物の摂取量も多い。
だが、皮肉にも、地域の経済発展を支える開発区に誘致した各種の工場が排出する重金属、
化学物質による汚染は、農作物の生産を不可能にしている。
中国科学院のデータによると、コメ、野菜、果物などの汚染度は高く、
農地は食用の作物の生産には適さなくなっていると指摘している。
もはや草花など、観賞用の植物を植えるしか活用の方法がない。
長江デルタ経済圏では、水銀など重金属を含んだコメが出回り、
長期間食べれば中毒など健康被害が出るのは確実だ。
きれいな土壌があってはじめて安全な農作物が生産できるが、江蘇省農林庁の幹部は
「短期間に汚染された土壌を浄化することはできない」と、頭を抱えている。
経済発展のマイナス面が土壌汚染や食物汚染を引き起こしている長江流域の現状は、
各地で企業廃棄物による公害が頻発した高度成長期の日本の姿を鏡映しにしているようだ。
(上原隆)
これは メッセージ 40196 (cpa_03 さん)への返信です.
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