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反国家分裂法採択「反対ゼロ」とは恐ろしい

投稿者: hangyosyufu 投稿日時: 2005/03/16 03:32 投稿番号: [8138 / 16409]
産経新聞【主張】

中国の国会に相当する第十期全国人民代表大会(全人代)第三回会議は、台湾の独立阻止を目的にした反国家分裂法案などを採択して閉幕した。台湾の反発や国際社会の懸念を無視し、武力行使権を規定した反分裂法の制定は極めて遺憾だ。同法が過剰な愛国主義につながらないか、警戒したい。

胡錦濤政権が発足してから三度目の今回の全人代では、公正、公平でバランスのとれた「和諧社会」建設を目標に掲げ、社会の安定に努力する方針を一段と明確にした。三農(農業、農村、農民)問題の改善のため、多くの財政措置が取られたのは一例だ。

温家宝首相は政府活動報告(施政方針演説)で「平和と発展が時代のテーマ」とし、「この有利なチャンスを発展に生かす」と述べた。対外開放路線を堅持、各国との協力を促進し経済発展を図るという意味だ。国内の安定には経済発展が不可欠だからだ。

その路線に反国家分裂法はそぐわない。同法は「平和的統一」の方針を強調する一方で、台湾独立や国家分裂につながる重大事態の発生に加え、「平和的統一」の可能性が消えたときに「非平和的方式」を取るとしている。問題は解釈権は中国側が握り、いつでも武力行使が可能になる点にある。

反分裂法に対して、台湾では抗議デモが起こり、米国や日本も批判している。全人代代表はそれには一顧だにしなかったようで、約二千九百人の出席代表中、反対はゼロ、棄権二票のほぼ満場一致で同法は成立、その瞬間、議場は、長い拍手に包まれた。

閉会後の記者会見で、温首相が「(同法が排除を規定した)外国の干渉を望まないが、干渉しても恐れない」と力説したとき、中国人記者からも拍手が起こった。かつての「一つの声」しかない時代を想起させた。

中国の国防費は今年も前年実績比12・6%伸び、十七年連続で二ケタ成長を遂げた。「抗日戦勝利六十周年」の今年、愛国主義教育の普及が図られ、南京や北京の抗日戦争記念館も改装、拡張される。反国家分裂法も愛国主義高揚の一翼を担いかねない。

今回、江沢民氏が完全引退し、胡錦濤氏が党、国家、軍の全権を握った。江氏があおった愛国主義を胡氏も継承したとすれば憂慮にたえない。
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