「中国細見」押しつけの現代史(読売新聞)
投稿者: usero_yaboo_hebaritsuki 投稿日時: 2008/05/01 07:32 投稿番号: [20117 / 30899]
海外巡回を終えた聖火は4月30日、中国最初の聖火リレー地となる香港に到着し、今月2日から警察官3000人を動員して行われる予定。香港入管当局は4月26日、デンマークの人権活動家ら3人を、同29日にはチベット独立支持の米人権団体の活動家ら4人の入境を拒否するなど、海外人権活動家の入境拒否が相次いでいる。これに対して香港民主派は「中国が香港に対して言論や政治活動の自由を含む『高度な自治』を認めた一国二制度の形骸化」と非難。30日には、市民団体「香港市民支援愛国民主運動連合会」が香港大で集会を開き、入境拒否や中国の人権弾圧などを批判した。(5月1日付読売新聞記事要旨)
読売新聞は1日の「『中国細見』押しつけの現代史」(編集委員:藤野彰)で、「歴史統制で狭まる視野」と題して、中国の若者の多くが「中共が教える歴史」しか知らず、多面的に物事を考察する訓練ができていないと批評した。この中で、北京の女性作家、章詒和(しょう.いわ)さん(65)を取材し、紹介している。同紙を購読していない人は、売店で買ってでも読んでおく価値がある。
解説はしないが、以下に、章詒和さんの代表作(邦訳)とコメントを短く紹介する。
【「中国細見」より抜粋】
というのも、共産党が触れたくない反右派闘争の内幕を当事者の目で赤裸々に描いているからである。それもそのはずで、章さんは右派の頭目とされた章伯鈞(しょう.はくきん)(当時=交通相、中国民主同盟副主席)の末娘だ。リベラル派の章伯鈞は「中国をミニ.スターリンたちに統治させるな」「二院制の導入を」などと主張したことから、毛沢東の怒りを買い、失脚した。
反右派闘争で右派と認定された知識人は全国で約55万人。後に、そのほとんどは誤認だったとして名誉回復されたが、章伯鈞らごく一部の右派の罪状はそのまま残された。
共産党は反右派闘争の誤りを認めているが、それは「闘争の拡大化」に関してであり、「反党右派への反撃そのものは必要だった」としている。自らの暴政を全面否定できない独裁権力のメンツのいけにえにされたのが、章伯鈞ら少数の知識人だった。
章さんは、中国の現代史には四つの大問題があるという。第一は反右派闘争。第二は58年の大増産運動「大躍進」が失敗した後、数千万人が餓死したとされる「3年自然災害」。第三は文化大革命。第四は89年の天安門事件。いずれも共産党の暴政ないし失政に起因する惨禍であり、真相はいまだに国民の前に明らかにされていない。
「中国ではこれらのどの問題も掘り下げた研究が行われていない。歴史家たちがダメなのではなく、お上がそれを許さない。なにしろ、必要な資料も文書も公開しないのだから」
章さんは、共産党が独善的に歴史を握り、ゆがめ、国民に押しつけている現状を憂える。現代史の真相の数々が白日の下にさらされたら、おそらく共産党は国民から完全に見放されるに違いない。当局が章さんの作品を警戒するのも、それがわかっているからだ。
四大事件のいずれも体験していない中国の若者たちの多くは、共産党が教える歴史しか知らない。多面的に物事を考察する訓練ができていない。チベット問題や北京五輪聖火リレーで、声高に「愛国」を叫び、五星紅旗を振り回した青年たちの熱狂は、視野の狭い歴史認識と無縁ではないだろう。
【書籍紹介】
「嵐を生きた中国知識人――『右派』章伯鈞をめぐる人びと」
(章詒和著)
(中国書店)
【関連投稿ツリー】
『チベット人死者203人(亡命政府)』
(#19974)
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(別トピ:#779←「維新政党」でトピック検索)
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読売新聞は1日の「『中国細見』押しつけの現代史」(編集委員:藤野彰)で、「歴史統制で狭まる視野」と題して、中国の若者の多くが「中共が教える歴史」しか知らず、多面的に物事を考察する訓練ができていないと批評した。この中で、北京の女性作家、章詒和(しょう.いわ)さん(65)を取材し、紹介している。同紙を購読していない人は、売店で買ってでも読んでおく価値がある。
解説はしないが、以下に、章詒和さんの代表作(邦訳)とコメントを短く紹介する。
【「中国細見」より抜粋】
というのも、共産党が触れたくない反右派闘争の内幕を当事者の目で赤裸々に描いているからである。それもそのはずで、章さんは右派の頭目とされた章伯鈞(しょう.はくきん)(当時=交通相、中国民主同盟副主席)の末娘だ。リベラル派の章伯鈞は「中国をミニ.スターリンたちに統治させるな」「二院制の導入を」などと主張したことから、毛沢東の怒りを買い、失脚した。
反右派闘争で右派と認定された知識人は全国で約55万人。後に、そのほとんどは誤認だったとして名誉回復されたが、章伯鈞らごく一部の右派の罪状はそのまま残された。
共産党は反右派闘争の誤りを認めているが、それは「闘争の拡大化」に関してであり、「反党右派への反撃そのものは必要だった」としている。自らの暴政を全面否定できない独裁権力のメンツのいけにえにされたのが、章伯鈞ら少数の知識人だった。
章さんは、中国の現代史には四つの大問題があるという。第一は反右派闘争。第二は58年の大増産運動「大躍進」が失敗した後、数千万人が餓死したとされる「3年自然災害」。第三は文化大革命。第四は89年の天安門事件。いずれも共産党の暴政ないし失政に起因する惨禍であり、真相はいまだに国民の前に明らかにされていない。
「中国ではこれらのどの問題も掘り下げた研究が行われていない。歴史家たちがダメなのではなく、お上がそれを許さない。なにしろ、必要な資料も文書も公開しないのだから」
章さんは、共産党が独善的に歴史を握り、ゆがめ、国民に押しつけている現状を憂える。現代史の真相の数々が白日の下にさらされたら、おそらく共産党は国民から完全に見放されるに違いない。当局が章さんの作品を警戒するのも、それがわかっているからだ。
四大事件のいずれも体験していない中国の若者たちの多くは、共産党が教える歴史しか知らない。多面的に物事を考察する訓練ができていない。チベット問題や北京五輪聖火リレーで、声高に「愛国」を叫び、五星紅旗を振り回した青年たちの熱狂は、視野の狭い歴史認識と無縁ではないだろう。
【書籍紹介】
「嵐を生きた中国知識人――『右派』章伯鈞をめぐる人びと」
(章詒和著)
(中国書店)
【関連投稿ツリー】
『チベット人死者203人(亡命政府)』
(#19974)
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これは メッセージ 19974 (usero_yaboo_hebaritsuki さん)への返信です.
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