北朝鮮

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会田雄次氏【全般的】

投稿者: clionomiko 投稿日時: 2004/11/23 15:48 投稿番号: [25288 / 44985]
  以下は、私にとってこの北トピに参加するときの最低の自己基準だ。だからこそ、【全般的】とタイトルに加えた。clionomiko=lilasnosakukoroの自己基準などに興味がないかたは、看過していただきたい。


  大学の先輩で私にこう語った人がいた。
「私ね、ある人が別の人についてなにか言うとき、話の中身に登場する相手よりも語っているその人の人柄についての観察材料にするの」

  それから長い年月を経た今、私もまた、人間はなにかについて語るとき実は自分自身をさらしているのだ、と思うようになった。
  経験は貴重な指標だ。しかし、それに反射的に反応しつづけているだけでは他人にまでそれを語る値打ちは生じないだろう。その経験(人によって、数としては多いかもしれないし少ないかもしれない)を掘り下げ、なにがそれを自分に語らせつづけているのかを内省し、そこから導き出される「人間」そのものへの洞察なしでは、経験はたんなる「お話」で終わってしまう。「お話」の数が多いか少ないか、それだけだ。
  ましてや、その「お話」を裏書する証拠をあちこちから拾い集めてきても、それに対する分析の鋭さや洞察の深さこそが「他人にまで語る値打ち」のあるなしを決めるのであり、証拠の多さに関しては「ここまで集めたお手間には感心致しました」としか言えない。

  故会田雄次氏は、『アーロン収容所』(中公新書)で日本人捕虜に対する英国人を主とする戦勝国側の扱いを描いた。なるほど氏は、そのなかで、人種差別や日本人への憎悪としか読み取れないもろもろのエピソードを挙げている。(特に、氏のまえで平気で裸になる女性の話など)

  だが、会田氏が著書のなかで語ったのは、本当には、それらの英国人たちに対する「自らへの考察」だったのであり、英国人へのやみくもでみじめな断罪ではなかった。
  氏は、むやみやたらと英国人にこだわることで自分の一生を浪費することはしない。自分について考え、日本や日本人について考え、その対比として英国をはじめとする西欧人というものを深く掘り下げ、鋭く分析した。
  それにより会田氏は死後も読者を持つ著作の著者として自らを昇華する道へと進んだ。そして一方では、上記のエピソードに登場する英国人女性はその親族以外からはすでに記憶のかなたに消えた人となっただろう。


  私は、自分への掘り下げなくして他者を見る人こそが尊大であり、自己の精神管理に手を抜いていると思う。
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