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魔女狩りの聖書的根拠

投稿者: clionomiko 投稿日時: 2004/09/29 15:33 投稿番号: [22384 / 44985]
  後世の異端審問官たちが魔女や異端者とされたひとびとを焼き殺す根拠としたのは、以下の聖書の文言。

  出エジプト記   22章   17節
「女呪術師を生かしておいてはならない。」

  これはたしかにイエス・キリスト自身の言葉ではない。(もしこれがイエス自身の言葉であったならば、私は洗礼など受けなかっただろう)だが、これは、旧約の世界精神を支配している預言者モーセの言葉だ。
  無論モーセも、自らのこの文言が後世あのような恐ろしい用いられかたをするとは考えもしなかったに違いない。だが、それでも彼は神によってこの世に使わされた預言者(ユダヤ教徒だけでなく、キリスト教徒、モスリムにさえ)と認められた人物だ。自らの言葉がどのように解釈され利用されたかについて、責任逃れをするような人物ではあるまい。

  そしてなお恐ろしいのは、中世きっての聖人とされた聖ベルナールも異端者を殺すことになんの抵抗も感じなかったし(ついでに言えば、彼は第二次十字軍の提唱者だった)、大神学者トマス・アクィナスも、
「教会は異端者を死の危険から救う必要はない」(『神学大全』)と言い切っている。

  また、魔女狩りはカトリックの専売特許ではない。宗教改革を起こしたマルティン・ルターは、
「私はこのような魔女にはなんの同情ももたない。私は彼らをみな殺しにしたいと思う。」(『食卓談話』)
と語り、事実、ルターもカルヴァンも多くの魔女裁判・異端審問を行っている。

  もちろん、歴史というものは一直線に理想にむけて進むものではないし、それぞれの時代の過誤に満々ているだろう。
  でもだからこそ、それが過誤であったことを知るわれわれは、われわれの先祖たちの罪を謙虚に背負わねばならないのではないか。


  これらの過去のクリスチャンの所業に対し、
「そんなものは過去のことでしょう。しかも、イエスがご自身でお命じになったことではないでしょう。そんなことで動揺する程度なら、最初から信仰などお持ちではなかったのじゃありませんか?」
と言える人の言葉には、私はまさしく、パスカルがパンセで述べた言葉を思い返さずにはいられない。
  自己の無辜性(一分野に限るかもしれないが)を信じ通せるその神経の太さにおいて。
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