北朝鮮

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カルタゴとローマ

投稿者: lilasnosakukoro 投稿日時: 2004/05/26 17:24 投稿番号: [18646 / 44985]
  作家塩野七生氏の著書によれば、古代のカルタゴとローマには次のような違いがあったそうだ。
  カルタゴでは、敗軍の司令官はその責任を追及されて磔という極刑に処せられた。ローマでは、いったん任務を与えて送り出したあとはいっさい作戦上の口出しをしなかった。心おきなく任務に専念させるため、敗軍の責任を問わなかった。そして、講和を申し出るのも受けるのも、講和の条件を提示することから交渉の遂行まで司令官たる執政官に一任したのである。
  カルタゴはハンニバルという稀代の天才を得て20年近くローマを苦しめた。だが最終的に勝利したのは、ご存知の通りローマである。

  さて、2004年5月22日という一点を取り上げれば、今回の小泉首相の訪朝が8割がた失敗であったことは目をそらすことができない事実であろう。そして、ご批判を受けることを覚悟の上で言う。今回の訪朝が外交的な失敗に至る要因は、拉致被害者家族会そのものの中にも含まれていた。
  家族会の意向が潜在的に小泉訪朝賛成と反対に分かれていたこと、日本の世論もその影響を受けていたことからも目をそらすべきではないと思う。それが、先に帰国された5人の拉致被害者の家族を取り戻すための交渉に影を投げかけていたことも確かだろうと、私は判断する。
  これらの要因が、全体状況としては圧倒的に不利なはずの北朝鮮に対する日本側の弱点となっていたことは認めないわけにはいかない。
  結果として、小泉首相は今回は外交的敗北を喫したし、拉致被害者家族の多くのかたがたの苦しみは続くこととなった。そしてその思いを吐露した言葉の一部が現在、日本国民の一部に反感をもたらしている。

  だが私は、心あるかたたがに1度冷静になって考えていただきたい。
  判断ミスは犯罪だろうか?   行き過ぎた言葉は罪悪だろうか?
  政治は結果責任である以上、首相たる小泉氏の軽率さや愚かさが歴然となれば批判を受けるのは当然だ。マスメディアを使った記者会見とは視聴者の印象をリングとする言葉の戦いなのだから、表現の不適切さは発言者達に跳ねかえってくるだろう。双方とも、そのミスや失敗への批判を甘受しなければならないと考える。

  その上で言う。
  今、私達日本人が小泉氏もしくは家族会のそれぞれに肩入れして相手かたを非難しいがみ合いを続ければ、真実得をするのは誰か、という点を忘れてはいけないはずだ。
  彼らは、今回の小泉訪朝で日本の世論が分裂し、小泉政権なり家族会なりのどちらかが崩壊することを願っていると私は確信している。そのどちらであっても、彼らにとっては上出来の結果だろう。小泉政権のほうであれば日本の政治家達に対する格好の見せしめになるし、家族会であれば最大の頭痛の種が消滅することになるのだから。

  以上の意味あいにおいて、5月22日より続いたレスのうちで、私は18434のlrani2002氏の投稿の以下の部分に賛成の意を表さざるを得ない。

>小泉首相にせよ、家族会にせよ、
それほどエライとかスゴイとかワルイとか思いません。
家族会バッシングにしろ、小泉バッシングにしろ、
僕にはあまりピンときませんし、
小泉にせよ家族会にせよ、
「人としての常識の範囲で振る舞っている」と思います。

(なお、一部で言われているように、今回の首相訪朝が利権の絡むものであったとしたらそれは厳しく追及されるべきだ。汚職は犯罪なのだから)


  これからの数ヶ月間は、真の意味で、私達日本人の質が問われる試練のときと思う。
  さあ、私達は、カルタゴ人となるのかローマ人となるのか。

  そして最後に付け加えさせてほしい。
  日本社会の活動に参加し、現在の北朝鮮当局のあり方に批判的な、心ある在日諸氏に申し上げる。質を問われ試練のときを迎えているのは、あなたがたが生活の場としておられる、まさにこの社会なのだ。これは、あなたがたの存在にも直結した問題なのである。
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