或る事故(by Lu Xun)
投稿者: ifmoaokl0aitsihk 投稿日時: 2011/10/28 20:43 投稿番号: [234 / 242]
An Incident (by Lu Xun)
或る事故(人力車)
Six years have slipped by since I came from the country to the capital. 私が田舎から都会に来てから6年が過ぎてしまった。
During that time I have seen and heard quite enough of so-called affairs of state; その期間、いわゆる国政について十分見聞を広めてきが、
but none of them made much impression on me. 私に強く印象付けるものはなかった。
(以下英文省略)
彼らの影響を定義づけよと問われれば、彼らは私の短気を逆撫でし、大雑把に言えば、私をどんどん厭世的なものにした、とだけ私は言えよう。
だが或る出来事が私が今日それを忘れることが出来ないくらい意義深く、そして私の短気から私を立ち上がらせるほど私を打ちのめした。
1917年の冬にそれは起こった。凍てつく北風が吹いていたが、糧を得るために私は早朝起きて出掛けなくてはならなかった。
道には人影が殆ど見当たらなかったので、私をS門に連れて行ってくれる人力車を見つけるのに私は一苦労した。
やがて風は少し和らいだ。それまで、土埃は全部一掃されて道がきれいになっていたので、人力車の男は歩調を速めた。
我々がS門に丁度近づいていたとき、道を横切る誰かが我々の人力車に巻き込まれて、ゆっくり倒れた。
それは女だった、彼女の髪には白い筋が認められ、ぼろ服を纏っていた女であった。
我々の前を突きって横切ろうとする合図も無しに彼女は舗道を通り過ぎてしまった。
それで、人力車の男が道をあけようとしたけれども、彼女の垂れ下がった上着がボタンが外れて風で翻っていたので、それが車軸に巻き込まれてしまった。
幸い人力車の男は素早く車を止めた、さもないと彼女は明らかに強打されてひどく怪我を負ったことだろう。
彼女はそこの地べたに横たわり、人力車の男は止まっていた。
私はその老女が怪我をしたとは思わなかったし、それにその出来事を目撃していた人もいない、
そこで、彼をトラブルに陥らせて私を足止めにするかもしれないこのお節介に、私は憤った。
「大丈夫だ、行こう」と私は言った。
しかし、彼は気に留めてくれず・・・、或いは聞いてなかったのか・・・、というのも彼は車軸を留めて(←誤訳かも)、その老女を介添えしてゆっくり立ち上がらせたからだ。
彼女の腕を支えて彼は訊ねた:「大丈夫ですか?」
「痛みます。」
私は、彼女が如何にゆっくり倒れたかを見ていたので、彼女が怪我をし得なかったと確信していた。
彼女は装っていたに違いない、それは嫌悪の情を抱かせた。
人力車の男は余計なことをして災いを招き、そしてその渦中に彼は在った。彼は打開策を講じなくてはならなかったであろう。
だが、老女が痛みを訴えるのを聞いた束の間、その人力車の男は迷わなかった。
未だ彼女の腕を支えながら、彼は彼女を介添えしてゆっくり前に歩かせた。
私は驚いてしまった。私が前方を見たとき警察署が見えた。
強風のせいで外には誰もいなく、そこで人力車の男は警察署の門に老女に付き添って向かった。
突如として私は不思議な感覚を抱いた。
彼の埃っぽい、遠退く姿がその瞬間大きく見えたのだ。
実に、彼が遠退くに従って彼が大きくなり、ついには私が彼を見上げなくてはならなかった。
同時に彼は徐々に私を圧倒するようであり、それは毛皮で裏打ちされたガウンの下のちっぽけな私自身を脅して圧倒する光景であったのだ。
私の生気が衰えるように思えた、私がその場で身動ぎせずに座って、心が空っぽになっていたら、警官が出てきた。そして私は人力車から降りた。
警官が私の方に歩いてきて言った、「別の人力車を拾え。彼はもう君を乗せられないから。」
考えることもなく、私は一握りの銅貨を外套のポケットから取り出して「彼にこれをあげて下さい」と言ってそれを警官に渡した。
今でさえ、この事が私の記憶に生々しく残っている。
それはしばしば私を苦しめ、そして私自身について考えさせる。
当時の軍部と政治の情勢、それは私が幼少の頃に読んだ古典と同じくらい完全に忘れてしまった。
しかしながらこの出来事は私に蘇る、しばしば実像以上に生き生きと、私に恥を思い知らしめ、私に改心を促し、且つ新鮮な勇気と希望を与え続けている。
http://acc6.its.brooklyn.cuny.edu/~phalsall/texts/luxun.html
或る事故(人力車)
Six years have slipped by since I came from the country to the capital. 私が田舎から都会に来てから6年が過ぎてしまった。
During that time I have seen and heard quite enough of so-called affairs of state; その期間、いわゆる国政について十分見聞を広めてきが、
but none of them made much impression on me. 私に強く印象付けるものはなかった。
(以下英文省略)
彼らの影響を定義づけよと問われれば、彼らは私の短気を逆撫でし、大雑把に言えば、私をどんどん厭世的なものにした、とだけ私は言えよう。
だが或る出来事が私が今日それを忘れることが出来ないくらい意義深く、そして私の短気から私を立ち上がらせるほど私を打ちのめした。
1917年の冬にそれは起こった。凍てつく北風が吹いていたが、糧を得るために私は早朝起きて出掛けなくてはならなかった。
道には人影が殆ど見当たらなかったので、私をS門に連れて行ってくれる人力車を見つけるのに私は一苦労した。
やがて風は少し和らいだ。それまで、土埃は全部一掃されて道がきれいになっていたので、人力車の男は歩調を速めた。
我々がS門に丁度近づいていたとき、道を横切る誰かが我々の人力車に巻き込まれて、ゆっくり倒れた。
それは女だった、彼女の髪には白い筋が認められ、ぼろ服を纏っていた女であった。
我々の前を突きって横切ろうとする合図も無しに彼女は舗道を通り過ぎてしまった。
それで、人力車の男が道をあけようとしたけれども、彼女の垂れ下がった上着がボタンが外れて風で翻っていたので、それが車軸に巻き込まれてしまった。
幸い人力車の男は素早く車を止めた、さもないと彼女は明らかに強打されてひどく怪我を負ったことだろう。
彼女はそこの地べたに横たわり、人力車の男は止まっていた。
私はその老女が怪我をしたとは思わなかったし、それにその出来事を目撃していた人もいない、
そこで、彼をトラブルに陥らせて私を足止めにするかもしれないこのお節介に、私は憤った。
「大丈夫だ、行こう」と私は言った。
しかし、彼は気に留めてくれず・・・、或いは聞いてなかったのか・・・、というのも彼は車軸を留めて(←誤訳かも)、その老女を介添えしてゆっくり立ち上がらせたからだ。
彼女の腕を支えて彼は訊ねた:「大丈夫ですか?」
「痛みます。」
私は、彼女が如何にゆっくり倒れたかを見ていたので、彼女が怪我をし得なかったと確信していた。
彼女は装っていたに違いない、それは嫌悪の情を抱かせた。
人力車の男は余計なことをして災いを招き、そしてその渦中に彼は在った。彼は打開策を講じなくてはならなかったであろう。
だが、老女が痛みを訴えるのを聞いた束の間、その人力車の男は迷わなかった。
未だ彼女の腕を支えながら、彼は彼女を介添えしてゆっくり前に歩かせた。
私は驚いてしまった。私が前方を見たとき警察署が見えた。
強風のせいで外には誰もいなく、そこで人力車の男は警察署の門に老女に付き添って向かった。
突如として私は不思議な感覚を抱いた。
彼の埃っぽい、遠退く姿がその瞬間大きく見えたのだ。
実に、彼が遠退くに従って彼が大きくなり、ついには私が彼を見上げなくてはならなかった。
同時に彼は徐々に私を圧倒するようであり、それは毛皮で裏打ちされたガウンの下のちっぽけな私自身を脅して圧倒する光景であったのだ。
私の生気が衰えるように思えた、私がその場で身動ぎせずに座って、心が空っぽになっていたら、警官が出てきた。そして私は人力車から降りた。
警官が私の方に歩いてきて言った、「別の人力車を拾え。彼はもう君を乗せられないから。」
考えることもなく、私は一握りの銅貨を外套のポケットから取り出して「彼にこれをあげて下さい」と言ってそれを警官に渡した。
今でさえ、この事が私の記憶に生々しく残っている。
それはしばしば私を苦しめ、そして私自身について考えさせる。
当時の軍部と政治の情勢、それは私が幼少の頃に読んだ古典と同じくらい完全に忘れてしまった。
しかしながらこの出来事は私に蘇る、しばしば実像以上に生き生きと、私に恥を思い知らしめ、私に改心を促し、且つ新鮮な勇気と希望を与え続けている。
http://acc6.its.brooklyn.cuny.edu/~phalsall/texts/luxun.html
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/200000427/a4ra4adfa8a42jfccva4nbdwbbybbe0k4cf9q_1/234.html