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こういう社説を期待してたのに

投稿者: squark333 投稿日時: 2002/08/02 10:43 投稿番号: [4879 / 28311]
■北朝鮮――緊張緩和への努力を惜しんではならない

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が積極外交に再び舵(かじ)を切った。

  白南淳外相がブルネイで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に2年ぶりに出席し、川口順子外相と会談したほか、パウエル米国務長官とも非公式に会談した。

  北朝鮮は6月に黄海で行われた韓国海軍との砲撃戦について「計画的な軍事的挑発」だと韓国を非難していたが、ARF直前になって一転、韓国に「遺憾の意」を伝えた。中断していた南北当局者間の対話も、これで再開が決まった。

  北朝鮮が対話のテーブルに戻ることは、北東アジアの平和と安定に欠かせない。北朝鮮の変化をまずは歓迎したい。

  日朝外相会談は2年ぶりだった。川口外相は拉致問題やミサイル問題だけでなく、よど号犯の引き渡しなど日朝間の懸案について前向きな対応を率直に求めた。前回の外相会談ではなかったことである。

  白外相は問いかけのすべてに答えたわけではないが、国交正常化交渉の再開に向けて今月中に局長級協議と赤十字会談を持つことで一致した。局長級協議では日本側が重視する拉致問題やミサイル問題を取りあげることにも合意した。

  一方、米朝の外相会談は1年9カ月ぶりであり、北朝鮮を「悪の枢軸」のひとつにあげたブッシュ政権下では初めてである。

  わずか15分間の対話だったが、パウエル長官は砲撃戦に関する北朝鮮の遺憾声明を評価した。砲撃事件をきっかけに取りやめられた米特使の北朝鮮派遣は、実現に向かいそうだ。

日朝には、日本人拉致疑惑や不新鮮疑惑など、障害がいくつもある。しかし、ここで厳しい態度に出れば北朝鮮が再び態度を硬化させかねない。朝鮮半島の利益に直結するという意味でも、北朝鮮を対話に引き出すことは、日本の国際的責務といってもいい。それには、北朝鮮を必要以上に刺激しないように、柔軟な態度で交渉に臨むことが必要だろう。

北朝鮮では、依然、厳しい経済事情がなお続いており、日米韓からの経済援助を引き出すことが本音であろう。しかし、拉致問題などの解決なしに再び食糧援助を行うとなると、国民からの理解を得るのは難しいだろう。一方で、北朝鮮の食糧難は危機的状況にあり、人道上の観点から言っても座視しつづけることは許されない。拉致問題解決にこだわりすぎて北朝鮮の人々を見殺しにすれば、国際社会から激しい非難を浴びる恐れもある。日本政府はそのことを十分に考慮して対北朝鮮外交を進めていくべきだ。

歴史的な南北首脳会談から2年余。北朝鮮を取り巻く国際環境は依然厳しいが、朝鮮半島の緊張緩和へ向けた動きは着実に進んでいるという確かな感触はある。二年前の熱気をもう一度思い出し、さらなる平和への努力を続けていかなければならない。

白外相は川口外相に「地域の平和と安定のために努力したい」と語った。北朝鮮は着実に変わりつつある。その芽を摘まないように、日本政府は慎重に対話を続けていくべきだろう。
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