焚書司書
投稿者: kyurokuhachi 投稿日時: 2005/07/18 14:48 投稿番号: [19038 / 28311]
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しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
(1)
図書館は,「図書,記録その他必要な資料を収集し,整理し,保存して,一般公衆の利用に供し,その教養,調査研究,レクリエーション等に資することを目的とする施設」であり
「社会教育のための機関」であって
国及び地方公共団体が国民の文化的教養を高め得るような環境を醸成するための施設として位置付けられている。
公立図書館は,この目的を達成するために地方公共団体が設置した公の施設である。
公立図書館の図書館職員は,公立図書館が上記のような役割を果たせるように, 独断的な評価や個人的な好み にとらわれることなく,公正に図書館資料を取り扱うべき職務上の義務を負うものというべきであり,
閲覧に供されている図書について,独断的な評価や個人的な好みによってこれを廃棄することは,図書館職員としての基本的な職務上の義務に反するものといわなければならない。
公立図書館の図書館職員である公務員が,図書の廃棄について,基本的な職務上の義務に反し,著作者又は著作物に対する独断的な評価や個人的な好みによって不公正な取扱いをしたときは,当該図書の著作者の上記人格的利益を侵害するものとして国家賠償法上違法となるというべきである。
(3)
前記事実関係によれば,本件廃棄は,公立図書館である船橋市西図書館の本件司書が,上告人A会やその賛同者等及びその著書に対する否定的評価と反感から行ったものというのであるから,上告人らは,本件廃棄により,上記人格的利益を違法に侵害されたものというべきである。
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したがって,これと異なる見解に立って,上告人らの被上告人に対する請求を棄却すべきものとした原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は,上記の趣旨をいうものとして理由があり,原判決のうち被上告人に関する部分は破棄を免れない。そして,本件については,更に審理を尽くさせる必要があるから,上記部分につき本件を原審に差し戻すこととする。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官
横尾和子
裁判官
甲斐中辰夫
裁判官
泉
紱治
裁判官
島田仁郎
裁判官
才口千晴)
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