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社説、小学校校内刺殺事件:コメント

投稿者: rykutukgi 投稿日時: 2001/06/10 01:00 投稿番号: [1073 / 28311]
9日付け校内刺殺についての社説。

・読売
「学校内惨劇   二度と起こさぬ手だてを尽くせ」
「あまりのむごさに胸が痛み、言葉を失う。」
「旧文部省は教育委員会に来訪者の確認と安全対策の徹底を指示したが、現場にどの程度、浸透していたのだろうか。すべての学校、教育委員会でもう一度、安全確保対策を点検すべきだ。」
「児童が在校中は校内に不審者を侵入させないことだ。警備員の配置と巡回に要する費用の負担は、国や自治体にとってそうむつかしいことではないだろう。奪われた幼い命の重みをすべての大人側がことと受け止めたい。」

・朝日
「児童刺殺 異常な事件に言葉を失う」
「友香ちゃん、花菜ちゃん、優希ちゃん、綾乃ちゃん、麻希ちゃん、真宥子ちゃん、玲奈ちゃん、健大くん。刺殺された子どもたちの名に胸がつまる。」
「学校関係者は専門家の意見も交えて、今後の子どもたちの「心のケア」に取り組んでほしい。その傷がいくらかでも、一日も早くいえることを祈る。 」
「容疑者の男は...入退院を繰り返していたという。今回の事件との因果関係は今後の調べを待たねばならないが、退院の判断やその後のケアに問題はなかったかは検証する必要があろう。」
「重大な罪を犯しながら、責任能力の点で不起訴あるいは無罪になった人の処遇について、政府部内で検討が進められている。入退院手続きの見直しや社会復帰後のフォロー態勢の充実が大きな論点だ。再発を防ぎ、同時に本人の福祉にもかなう対策に向けて衆知を集めなければならない。」
「当時の文部省は全国の教育委員会に対して安全管理のための39項目のチェックリストを配布した。しかし、リストを読んでみても、今回のような事件が避けられたかどうか疑問は残る。」
「地域に「開かれた学校」の理想との兼ね合いの中で、どう両立を図るかを考えたい。」
まず、読売ですが「言葉を失う」と書いていますが、実は言葉を失っていません。ここにあげたように、事後の対策を提言しています。また、記事中も精神障害者の犯罪に対する識者のコメントをいくつも取り上げ、「犯罪を起こす危険のある人物から社会を守る「刑事治療処分」を一日も早く導入しなければならない」等対策に重点を置いた論調になっています。

たいして、朝日の社説。社説のタイトル通り「言葉を失う」社説です。最初の出だしは亡くなった子供たちの名前を一人づつあげています。ここらへんの感情を煽る手法は朝日らしくて○です。ただし、今回はその煽った感情をぶつける先がありません。加害者は精神障害者であり、「正義人道に基いて国民の幸福に献身」し、とにかくなにがなんでも人権派に立つ朝日としては精神障害者も擁護の対象なのです。かくして具体的な提言はなにも行うことなく「検討する必要があろう」、「衆知を集めなければならない」、「どう両立を図るか考えたい」という問題提議で終わっています。中立な立場から問題提議を行う方が、具体的な対策を述べるよりも、一段高い視点と評価されることでしょう。各論の論議をあえてさけ、総論で終われば揚げ足を取られることがないと言うことを、朝日はちゃんと心得ているのです。

しかも、反政府的な論調は健在です。読売が文部省が出したチェックリストの現場での徹底をすべきと提言しているのに対して、朝日はこのチェックリスト自身が役に立たないとの疑問を呈しています。表現は疑問を呈する形になっていますが、これは否定と受け取ってよい流れです。いつなんどきでも政府のやっていることは無能で無駄との気持ちよい論調は、高ぶった読者の心にはヘロインのように、本人の知らぬうちに気持ちよさとなって受け入れられることでしょう。

今日も両紙の論調はかなり個性のでたものでした。みなさんはどちらの論調が好きですか?
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