看板コラムニスト田岡俊次の戦闘行為解説
投稿者: rykutukgi 投稿日時: 2003/07/06 01:48 投稿番号: [10387 / 28311]
7月4日、朝日新聞の軍事オタ・コラムニスト、田岡俊次の解説がまた出ました。ファンの期待の期待を裏切らない読者の引きつける名解説だったので、ここで紹介したいと思います。
■朝日新聞(7月4日夕刊4版、18面第二社会面)
●奇怪な「戦闘」の定義
イラク復興支援特措法案の国会審議では、戦闘地域とそうでない地域をどう分けるか、が一つの焦点となった。だたそれ以前にこの法案の戦闘の定義に疑問がある。
法案は「戦闘行為」を「国家的な武力紛争…」と説明している。だが、、武力紛争が「国際的」でなければ戦闘行為と見なさないというなら、内線の場合には激戦が起きてもそれは戦闘ではないということになる。
例えば西南戦争はまったく国際性が無く、西郷隆盛ら鹿児島県側は日本からの分離独立を目指してもいないから、「国に準じるもの」とは言えない。すると日本史上最後の内戦であるこの戦争の大勢を決めた田原坂の戦いは戦闘ではなかったことになる。
日本は1927、8年に中国山東省に出兵した。蒋介石の国民党軍と張作霖の北軍との内戦の中、在留邦人の出兵陳情と英米の派兵要請に応じたものだった。北伐は国際的武力紛争ではないから、日本陸軍は非戦闘地域に派遣されたことになる。
法案の定義が正しいなら日本史、世界史の教科書は何十カ所も訂正する必要があるだろう。
(後略)
法律というのは世間一般からはずれたその法律だけで有効な言葉の定義を行っているものです。例えば、水道法で水道の定義は次のようになっています。
「導管及びその他の工作物により、水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体をいう。ただし、臨時に施設されたものを除く。」
この定義で言うと、農業・畜産用に敷設された水道は「水道」には該当しません。また、イベントや災害のために設置された水道も「水道」ではなくなってしまいます。
措置法では「戦闘行為」を「国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為をいう」と定義しています。ここでいうところの戦闘行為とはイラク復興支援特措法のみで有効な定義であり、他の法律や世間一般の定義と同じである必要はありませんし、過去の歴史にさかのぼって適用すべきものではありません。まして、歴史教科書を書き換えるようなものでもありません。もし、法律の定義を遵守して生活しなければならないのであれば、災害場所に設置された水道を「これは水道じゃない!」などと叫ばなければならない羽目になってしまいます。
長々と法案へのイヤミを書こうとして、かわいくずっこけて読者の笑いを誘う田岡俊次。さすが看板コラムニストは落としどころを知っています。
これは メッセージ 10386 (electric_heel さん)への返信です.
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