軍事線上は野生の楽園ニダ
投稿者: jgeilsbandfreek 投稿日時: 2007/12/02 17:24 投稿番号: [758 / 2701]
軍事線上
野生の楽園
開発と保存
2007年11月27日
朝鮮半島に、半世紀にわたって自然の生態系が守られてきた一帯がある。南北を分かつ非武装地帯(DMZ)だ。一般人の立ち入りが制限されてきたため、周辺地域も含めると、67種の絶滅危惧(きぐ)種を含む2700以上の動植物が生息するという。緊張緩和を受け、韓国側にはここを自然公園に変える構想が浮かび、自治体は熱心に開発を求める。だが、DMZの実態は、非武装地帯ならぬ「武装地帯」だった――。週刊アジアの新シリーズは、「開発か、保存か」にまつわる各国事情を追う。(ソウル=牧野愛博)
■融和受け採用探る韓国
ソウルから北東に約200キロの江原道・麟蹄郡。北辺にDMZが横たわり、その南側5〜20キロに「民間人統制区域」と呼ばれる一帯が広がる。DMZと同様、一般の立ち入りが厳しく制限され、朝鮮戦争以前には寒村が散在したが、戦後は定住者もないという。
先月25日、韓国環境省がここで野外観察会を開いた。学者や自然保護運動家ら約50人が参加。湿地や林に広がるカラコギカエデやクサギなどの群落を見学し、豊富な生態系を称賛する声や「保存を急ぐべきだ」という声が上がった。
同じころ、同道・鉄原郡のDMZ内にタンチョウ約20羽が舞い降りた。タンチョウは韓国でも天然記念物だ。タンチョウ保護協会の全春基会長によれば、例年600〜800羽がここで冬を越す。「100年後に絶滅するかもしれない貴重種。安心して越冬できる場所は決して多くはない」
環境省によれば、山林や草地が97%を占めるDMZ一帯には、ほかにもユーラシアカワウソやツシマヤマネコ、イヌワシなど珍しい動物たちが生息する。DMZ内の調査は今年5月に連結した鉄道・京義線付近などに限られており、今後、新しい貴重種が発見される可能性もある。
観察会の開催は、今年7月に次いで2回目。なかなか進まないDMZの自然保護政策に業を煮やした環境省の「窮余の一手」だ。
南北関係を大きく前進させた00年の首脳会談以降、DMZに向けられる韓国内の視線は複雑に絡む。統一省の金基雄・平和体制構築チーム長は「軍縮、自然保護、開発という三つの政策が交錯している」と語る。
緊張緩和が進めば、いずれ広大な土地をめぐって、「生態の保護か、南北統一をにらんだ開発か」という問題が持ち上がる。政府は05年、一帯の自然生態系を保護する総合政策を発表。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「生物圏保存地域」への登録や開発にあたっての環境評価実施などを目指した。「将来の開発競争からDMZの自然環境を守る」(環境省)狙いだ。
一方、DMZを抱える麟蹄郡や鉄原郡など10の自治体は、軍事活動優先により開発に制約を受けてきた。10自治体は先月中旬、DMZ周辺地域の開発支援を政府にかけ合う共同協議体を来年1月に発足させることを決めた。鉄原郡庁の金顕模・企画監査室長は「他の地域よりも開発が遅れている」と不満を漏らす。
だが、どちらに転んでも課題は山積みだ。まずDMZの所有者がはっきりしない。京畿道のある地域では、所有者不明が78%にのぼる。環境省はDMZを三地域に分けて生態調査を行う方針をまとめているが、DMZへの立ち入り権限を握る国連軍司令部が難色を示し、立ち往生している。
北朝鮮側の反応も芳しくない。韓国側は、国際会議の場で北朝鮮側に繰り返しユネスコ登録への協力を求めたが、ほとんど反応はなかった。環境省自然保存局の担当官は「彼らが積極的に反応するのは、経済案件ばかりだ」と嘆く。
2に続きます。
2007年11月27日
朝鮮半島に、半世紀にわたって自然の生態系が守られてきた一帯がある。南北を分かつ非武装地帯(DMZ)だ。一般人の立ち入りが制限されてきたため、周辺地域も含めると、67種の絶滅危惧(きぐ)種を含む2700以上の動植物が生息するという。緊張緩和を受け、韓国側にはここを自然公園に変える構想が浮かび、自治体は熱心に開発を求める。だが、DMZの実態は、非武装地帯ならぬ「武装地帯」だった――。週刊アジアの新シリーズは、「開発か、保存か」にまつわる各国事情を追う。(ソウル=牧野愛博)
■融和受け採用探る韓国
ソウルから北東に約200キロの江原道・麟蹄郡。北辺にDMZが横たわり、その南側5〜20キロに「民間人統制区域」と呼ばれる一帯が広がる。DMZと同様、一般の立ち入りが厳しく制限され、朝鮮戦争以前には寒村が散在したが、戦後は定住者もないという。
先月25日、韓国環境省がここで野外観察会を開いた。学者や自然保護運動家ら約50人が参加。湿地や林に広がるカラコギカエデやクサギなどの群落を見学し、豊富な生態系を称賛する声や「保存を急ぐべきだ」という声が上がった。
同じころ、同道・鉄原郡のDMZ内にタンチョウ約20羽が舞い降りた。タンチョウは韓国でも天然記念物だ。タンチョウ保護協会の全春基会長によれば、例年600〜800羽がここで冬を越す。「100年後に絶滅するかもしれない貴重種。安心して越冬できる場所は決して多くはない」
環境省によれば、山林や草地が97%を占めるDMZ一帯には、ほかにもユーラシアカワウソやツシマヤマネコ、イヌワシなど珍しい動物たちが生息する。DMZ内の調査は今年5月に連結した鉄道・京義線付近などに限られており、今後、新しい貴重種が発見される可能性もある。
観察会の開催は、今年7月に次いで2回目。なかなか進まないDMZの自然保護政策に業を煮やした環境省の「窮余の一手」だ。
南北関係を大きく前進させた00年の首脳会談以降、DMZに向けられる韓国内の視線は複雑に絡む。統一省の金基雄・平和体制構築チーム長は「軍縮、自然保護、開発という三つの政策が交錯している」と語る。
緊張緩和が進めば、いずれ広大な土地をめぐって、「生態の保護か、南北統一をにらんだ開発か」という問題が持ち上がる。政府は05年、一帯の自然生態系を保護する総合政策を発表。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「生物圏保存地域」への登録や開発にあたっての環境評価実施などを目指した。「将来の開発競争からDMZの自然環境を守る」(環境省)狙いだ。
一方、DMZを抱える麟蹄郡や鉄原郡など10の自治体は、軍事活動優先により開発に制約を受けてきた。10自治体は先月中旬、DMZ周辺地域の開発支援を政府にかけ合う共同協議体を来年1月に発足させることを決めた。鉄原郡庁の金顕模・企画監査室長は「他の地域よりも開発が遅れている」と不満を漏らす。
だが、どちらに転んでも課題は山積みだ。まずDMZの所有者がはっきりしない。京畿道のある地域では、所有者不明が78%にのぼる。環境省はDMZを三地域に分けて生態調査を行う方針をまとめているが、DMZへの立ち入り権限を握る国連軍司令部が難色を示し、立ち往生している。
北朝鮮側の反応も芳しくない。韓国側は、国際会議の場で北朝鮮側に繰り返しユネスコ登録への協力を求めたが、ほとんど反応はなかった。環境省自然保存局の担当官は「彼らが積極的に反応するのは、経済案件ばかりだ」と嘆く。
2に続きます。
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