歴史的事実を無視する時代劇
投稿者: jgeilsbandfreak 投稿日時: 2008/02/04 06:46 投稿番号: [1062 / 2701]
記事入力 : 2008/02/03 17:13:47
歴史的事実を無視する時代劇
忠寧大君は家出したのか。成宗は於于同(オ・ウドン)に会いたくて王宮の壁を越えたのか。
正統派時代劇を謳うドラマが、歴史的事実を歪曲したり、ありもしないことを歴史的事実であるかのように表現していることに対し、「やり過ぎではないか」という批判を受けている。いくらドラマチックな再構成を行ったとしても、度が過ぎているという指摘だ。とりわけ、若い夫婦が子どもに「歴史の勉強になるから」といって時代劇の視聴を勧めるケースもあることから、歴史を歪曲する脚色が批判の対象となっている。
◆あまりにも虚構だらけの「正統派」時代劇
KBS第1テレビの『大王世宗』は、太宗の3番目の息子だった忠寧大君が世宗になる過程を描いている。番組の中で忠寧大君の性格が気高いことを強調して見せようと、制作陣は「王子家出事件」まで作り出した。人民がどのように暮らしているのか気になった忠寧大君が、好奇心を抑えきれずに王宮をこっそり抜け出し、街中でならず者に拉致される、という内容だ。
制作陣は、「忠寧大君が高麗の復活を夢見る勢力に拉致されながらも脱出した場面を通じ、彼の非凡な一面を描写しようとした」と釈明した。しかし歴史学者は、「王子が街中で拉致されるというのは、理解できない展開だ」と指摘した。
また、譲寧大君に関する描写も不自然だ。おとなしく弟に王位を譲った譲寧大君の実際の姿とは異なり、ドラマの中では忠寧大君と譲寧大君が権力をめぐって争いを繰り広げる。さらに、先王の後宮を弄ぶにとどまらず、素手で人を殴り倒す姿まで見られた。
一方SBSテレビの『王と私』ではドラマの主人公、金処善(キム・チョソン)が睿宗代に王宮入りし、燕山君の父である成宗が王位にあるときはまだ一内侍に過ぎなかったと設定し、議論となった。金処善が文宗から燕山君まで6代の王に仕えたという記録を無視した設定だ。
成宗が於于同(オ・ウドン)に溺れる余り壁まで越え、王の身分を隠したまま愛を交わす姿も放送された。しかし実録では、成宗が於于同の品行に憤怒して絞首刑に処したと記されている。
少し前に放送が終了したKBS第1テレビの『大祚栄』も、天門嶺での戦いの前に死ぬはずの乞四比羽が最後まで生き残るように設定されており、視聴者の指摘を受けた。
◆美化したり、歪曲したり
MBCテレビの『イサン』は、主人公の正祖と貞純王后との関係を対立の構造で描いているが、これもまた事実ではない。正祖実録15巻、正祖7年(1783)に「王大妃に尊号を贈る」という内容が登場する(『正祖実録』巻十五、正祖七年三月戊午「加上尊号于 王大妃」)。王大妃とは先王の妃を呼ぶ言葉で、正祖が貞純王后の称号をさらに高めて呼び、正祖が貞純王后を丁重に遇したことを知ることができる。貞純王后がドラマの中で、イサンが即位することになったという話を聞き、「命を奪わなければならない」と叫んだ場面は結局、面白さ優先の歪曲だったというわけだ。
小さな子どもや青少年に歪曲された歴史観を植え付けかねないという心配も多い。現在、中学・高校の韓国史の授業時間は、10年前に比べ1週間当たり1時間ずつ減っている。歴史ドラマを見て歴史的事実を誤解する可能性も、それだけ大きい。視聴者のチェ・チョンスンさんは、KBSの掲示板に「子どもたちと一緒に勉強するために『大王世宗』を見ているが、番組の中で蒋英実(チャン・ヨンシル)が恋愛ばかりしているように映り、戸惑った。歴史的事実に則ったドラマを作り、子どもたちの教育にも無理がないようにして欲しい」と書き込みを残した。
ソウル教育大社会教育科のイム・ギファン教授は、「ドラマであるためフィクションが一部加わるのはやむを得ないが、歴史の基本的なあらましと状況を越える加工は混乱を招く。歴史学界の既存の解釈を完全にひっくり返すほどの描写まであり、戸惑ってしまう」と語った。
ソン・ヘジン記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
歪曲しているのは、ドラマだけじゃないぞ。
歴史的事実を無視する時代劇
忠寧大君は家出したのか。成宗は於于同(オ・ウドン)に会いたくて王宮の壁を越えたのか。
正統派時代劇を謳うドラマが、歴史的事実を歪曲したり、ありもしないことを歴史的事実であるかのように表現していることに対し、「やり過ぎではないか」という批判を受けている。いくらドラマチックな再構成を行ったとしても、度が過ぎているという指摘だ。とりわけ、若い夫婦が子どもに「歴史の勉強になるから」といって時代劇の視聴を勧めるケースもあることから、歴史を歪曲する脚色が批判の対象となっている。
◆あまりにも虚構だらけの「正統派」時代劇
KBS第1テレビの『大王世宗』は、太宗の3番目の息子だった忠寧大君が世宗になる過程を描いている。番組の中で忠寧大君の性格が気高いことを強調して見せようと、制作陣は「王子家出事件」まで作り出した。人民がどのように暮らしているのか気になった忠寧大君が、好奇心を抑えきれずに王宮をこっそり抜け出し、街中でならず者に拉致される、という内容だ。
制作陣は、「忠寧大君が高麗の復活を夢見る勢力に拉致されながらも脱出した場面を通じ、彼の非凡な一面を描写しようとした」と釈明した。しかし歴史学者は、「王子が街中で拉致されるというのは、理解できない展開だ」と指摘した。
また、譲寧大君に関する描写も不自然だ。おとなしく弟に王位を譲った譲寧大君の実際の姿とは異なり、ドラマの中では忠寧大君と譲寧大君が権力をめぐって争いを繰り広げる。さらに、先王の後宮を弄ぶにとどまらず、素手で人を殴り倒す姿まで見られた。
一方SBSテレビの『王と私』ではドラマの主人公、金処善(キム・チョソン)が睿宗代に王宮入りし、燕山君の父である成宗が王位にあるときはまだ一内侍に過ぎなかったと設定し、議論となった。金処善が文宗から燕山君まで6代の王に仕えたという記録を無視した設定だ。
成宗が於于同(オ・ウドン)に溺れる余り壁まで越え、王の身分を隠したまま愛を交わす姿も放送された。しかし実録では、成宗が於于同の品行に憤怒して絞首刑に処したと記されている。
少し前に放送が終了したKBS第1テレビの『大祚栄』も、天門嶺での戦いの前に死ぬはずの乞四比羽が最後まで生き残るように設定されており、視聴者の指摘を受けた。
◆美化したり、歪曲したり
MBCテレビの『イサン』は、主人公の正祖と貞純王后との関係を対立の構造で描いているが、これもまた事実ではない。正祖実録15巻、正祖7年(1783)に「王大妃に尊号を贈る」という内容が登場する(『正祖実録』巻十五、正祖七年三月戊午「加上尊号于 王大妃」)。王大妃とは先王の妃を呼ぶ言葉で、正祖が貞純王后の称号をさらに高めて呼び、正祖が貞純王后を丁重に遇したことを知ることができる。貞純王后がドラマの中で、イサンが即位することになったという話を聞き、「命を奪わなければならない」と叫んだ場面は結局、面白さ優先の歪曲だったというわけだ。
小さな子どもや青少年に歪曲された歴史観を植え付けかねないという心配も多い。現在、中学・高校の韓国史の授業時間は、10年前に比べ1週間当たり1時間ずつ減っている。歴史ドラマを見て歴史的事実を誤解する可能性も、それだけ大きい。視聴者のチェ・チョンスンさんは、KBSの掲示板に「子どもたちと一緒に勉強するために『大王世宗』を見ているが、番組の中で蒋英実(チャン・ヨンシル)が恋愛ばかりしているように映り、戸惑った。歴史的事実に則ったドラマを作り、子どもたちの教育にも無理がないようにして欲しい」と書き込みを残した。
ソウル教育大社会教育科のイム・ギファン教授は、「ドラマであるためフィクションが一部加わるのはやむを得ないが、歴史の基本的なあらましと状況を越える加工は混乱を招く。歴史学界の既存の解釈を完全にひっくり返すほどの描写まであり、戸惑ってしまう」と語った。
ソン・ヘジン記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
歪曲しているのは、ドラマだけじゃないぞ。
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