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奨忠体育館

投稿者: jgeilsbandfreek 投稿日時: 2007/10/31 07:21 投稿番号: [1409 / 4504]
  奨忠体育館といえば、60〜70年代に全盛だったプロレスの殿堂でもありました。日本同様、当時プロレス人気はすさまじく、テレビ中継がある日には、夕ご飯を早く済ませ、家族みんなが白黒のテレビの前で中継を待っていました。特に「パッチギ(頭突き)王」といわれた金一(キム・イル=大木金太郎)選手の試合があるときは、「奨忠体育館から済州島まで」といわれるくらい全国のお茶の間を興奮させました。パッチギで外国人選手、特に日本人選手が倒されると、みんな涙を流すほど大喜び。私は女の子ながら、金一とアントニオ猪木が戦った夜は興奮しすぎて眠れなくなってしまったほどです。
  親に「金一選手の試合が観たいよ〜」とせがみ、行きたくて、行きたくてしかたがなかった奨忠体育館。30年が過ぎた今、プロレスではないものの、この体育館の席に座っていることはとても感慨深いことでした。
  かつては国民的娯楽だった韓国のプロレスですが、1965年にチャン・ヨンチョルという選手が「プロレスリングはショーだ」と暴露してからは次第に人気が衰退し、今では40代以上の人たちの郷愁の中にだけ存在している感じです。ここ5、6年、衛星やケーブルなどテレビが多チャンネル時代を迎え、日本のK−1やPRIDE、米国のUFCが中継されようになると、若者を中心に総合格闘技人気が爆発しました。
  日本の総合格闘技界にチェ・ホンマンをはじめとする韓国人選手の進出が活発化するなか、今回の『HERO’S 』ソウル大会は見どころの多い試合でした。なかでも韓国人の血が流れる秋山成勳と韓仏のハーフであるデニス・カーンの対決や、その他の韓日戦は、私は試合そのものよりも観客の様子に興味津々でした。
  韓日戦といえば、どんなスポーツでも盛り上がるのが我が国。負けたときは日本選手に対して非難や野次が飛んだりするのですが、今回は韓日戦4戦のうち3戦を韓国人が勝ったこともあり、あからさまな野次はほとんど聞かれませんでした。むしろ、いい技が出ると国籍に関係なく拍手を送る観客が多く、格闘技ファンの成熟が感じられました。
  日本のミノワマン選手のファンでしょうか。近くに座っていた20代らしき男性客は、韓国人選手と戦うミノワマンの名前を絶叫していました。同じ会場で、日本からやってきたアントニオ猪木(1976年)やボクシングの小熊正二選手(1980年、世界王者・朴賛希にKO勝ちでタイトル奪取)に罵詈雑言を浴びせた時代からは隔世の感がありますね。
  メインイベントで秋山選手がカーン選手を倒すと、観客は勝者にも敗者にも拍手を送っていました。試合終了後、すぐ席を発とうとする人が多いのは“せっかち”な韓国人の悪いクセ。もう少し余韻を楽しめばいいのに……。帰ろうとする観客を立ち止まらせたのは他ならぬ秋山選手でした。
  「ヨロブン   チャンカンマン   カジマセヨ!」(みなさん、ちょっと行かないでください)
  という秋山選手の流暢な韓国語に、「そうだ、そうだ」と思ったのは私だけでしょうか(笑)。

いやあ、おバカ。
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