お馬鹿な人を発見
投稿者: jgeilsbandfreek 投稿日時: 2007/12/05 15:26 投稿番号: [5733 / 10735]
将来、本当に共同体はできるのか。アジアの地域主義など国際関係に詳しい東京理科大准教授の大庭三枝さんに聞きました。記者・清水
孝幸
清水 東アジア共同体という言葉を聞くと、多くの人は欧州連合(EU)を連想します。アジアにEUみたいな地域組織はできますか。
大庭 三十年とか五十年後にEUと同じようなものができるかどうか、私も迷いがあります。国家意識はしばらく解消しないでしょう。一般の人まで巻き込んだ本当の意味の共同体ができるかどうかも未知数です。
ただ、アジアでは国家間の協力を制度化する仕組みがここ十数年間、かなり進んできました。実際に経済や社会の分野で交流が増えていくことで、アジアのあり方が変わっていくと思います。
清水 課題はどこにありますか。
大庭 東アジアのイメージにも共同体のイメージにもぶれがあって、どの範囲でどんな共同体をつくるのか、まだ確定してないことでしょう。
例えば、アジアには国際的な枠組みがたくさんあります=表参照。最終的にどういう形の共同体をつくるべきかということは、政治や安全保障の問題ともからみ、なかなか合意を得るのが難しいのが現状です。
清水 共通の価値観も見いだしにくいですね。
大庭 欧州統合を始めるときも、価値観のばらつきはありました。戦後、「欧州は一つ」とあえて意図的に推し進めた気がします。
でも、アジアで同様の物語をつくるのは難しいです。儒教文化圏といっても、東南アジアの多くはイスラム教徒の国。同質性を共同体の根拠にするのは無理です。関係を強化して、新しい東アジアのアイデンティティーをつくっていくしかないと思います。
清水 そもそも共同体は必要なのでしょうか。
大庭 まず確認しておきたいのは、共同体はユートピア(理想郷)ではないってことです。昔のムラ社会のように、いざこざはあるし、嫌いな人もいるけど、なるべく殴り合いのけんかは避けつつ、一緒にやっていくしかないというイメージです。
それでも私は必要だと考えています。不安定要因やリスクを減らすためには、縁のある人々や国々がまとまって、共通の価値や利益のもとで協力するシステムをつくった方がいいと思います。
清水 どんな枠組みが望ましいですか。東アジア首脳会議には豪州、ニュージーランド、インドも入っています。
大庭 豪州とニュージーランドは東アジアの金融協力に深くかかわってきましたが、「アジア」と言ったときに「この二つの国を入れるの?」っていう感情は一部には残るでしょう。
インドを入れるのも、近年、出てきた急な動きです。戦後直後、アジアの地域主義でインドが中心だった時期もありましたが、その後、インドを中心とした南アジアと、東南アジアは離れていきました。最近、急速に経済発展したインドを引き込みたいとか、インドを入れることで中国の影響力を相殺したいという戦略なのでしょうが。
清水 共同体構想をめぐって中国と日本の主導権争いがあります。鍵を握るのは。
大庭 ASEAN諸国がドライビングシート(運転席)にいると、よく言われています。東アジア首脳会議がASEANを中心に運営されているからですが、リーダーシップを取れるかというと、それはやっぱり日本と中国なんでしょう。
ただ、ASEANに力がないわけではありません。ASEANを核に東アジアの枠組みはできてきました。日中のどちらかが主導権を握ることも、また共同でリーダーシップをとるのも難しいので、ASEANを尊重し、そこを要にして進めていくしかないのです。
清水 日本政府の取り組みはどうですか。
大庭 日本は経済協力とか機能的な協力を積み重ねていますが、共同体という以上、それだけでいいのでしょうか。そもそも、どの程度まで真剣に共同体を目指しているのか分かりません。
日本は豪州とニュージーランド、インドを入れた拡大東アジア共同体構想に積極的な姿勢を示していますが、結局、中国封じと米国への配慮を混ぜ合わせた結果ではないでしょうか。
清水 福田首相はアジア重視といわれます。
大庭 安倍政権の「自由と繁栄の弧」とは随分と違うんじゃないですか。あれは明らかな中国外し。中国が扱いの難しい隣人だとしても、それを刺激するのはいかがなものでしょうか。
共同体をつくるには価値観の共有が必要です。そのためには、アジアの過去の歴史について認識のすり合わせ作業は避けられません。日本は自国の歴史を顧みつつ、アジアの隣人に歩み寄る努力をすべきです。
この人、現在の政治体制に一切触れていない。
清水 東アジア共同体という言葉を聞くと、多くの人は欧州連合(EU)を連想します。アジアにEUみたいな地域組織はできますか。
大庭 三十年とか五十年後にEUと同じようなものができるかどうか、私も迷いがあります。国家意識はしばらく解消しないでしょう。一般の人まで巻き込んだ本当の意味の共同体ができるかどうかも未知数です。
ただ、アジアでは国家間の協力を制度化する仕組みがここ十数年間、かなり進んできました。実際に経済や社会の分野で交流が増えていくことで、アジアのあり方が変わっていくと思います。
清水 課題はどこにありますか。
大庭 東アジアのイメージにも共同体のイメージにもぶれがあって、どの範囲でどんな共同体をつくるのか、まだ確定してないことでしょう。
例えば、アジアには国際的な枠組みがたくさんあります=表参照。最終的にどういう形の共同体をつくるべきかということは、政治や安全保障の問題ともからみ、なかなか合意を得るのが難しいのが現状です。
清水 共通の価値観も見いだしにくいですね。
大庭 欧州統合を始めるときも、価値観のばらつきはありました。戦後、「欧州は一つ」とあえて意図的に推し進めた気がします。
でも、アジアで同様の物語をつくるのは難しいです。儒教文化圏といっても、東南アジアの多くはイスラム教徒の国。同質性を共同体の根拠にするのは無理です。関係を強化して、新しい東アジアのアイデンティティーをつくっていくしかないと思います。
清水 そもそも共同体は必要なのでしょうか。
大庭 まず確認しておきたいのは、共同体はユートピア(理想郷)ではないってことです。昔のムラ社会のように、いざこざはあるし、嫌いな人もいるけど、なるべく殴り合いのけんかは避けつつ、一緒にやっていくしかないというイメージです。
それでも私は必要だと考えています。不安定要因やリスクを減らすためには、縁のある人々や国々がまとまって、共通の価値や利益のもとで協力するシステムをつくった方がいいと思います。
清水 どんな枠組みが望ましいですか。東アジア首脳会議には豪州、ニュージーランド、インドも入っています。
大庭 豪州とニュージーランドは東アジアの金融協力に深くかかわってきましたが、「アジア」と言ったときに「この二つの国を入れるの?」っていう感情は一部には残るでしょう。
インドを入れるのも、近年、出てきた急な動きです。戦後直後、アジアの地域主義でインドが中心だった時期もありましたが、その後、インドを中心とした南アジアと、東南アジアは離れていきました。最近、急速に経済発展したインドを引き込みたいとか、インドを入れることで中国の影響力を相殺したいという戦略なのでしょうが。
清水 共同体構想をめぐって中国と日本の主導権争いがあります。鍵を握るのは。
大庭 ASEAN諸国がドライビングシート(運転席)にいると、よく言われています。東アジア首脳会議がASEANを中心に運営されているからですが、リーダーシップを取れるかというと、それはやっぱり日本と中国なんでしょう。
ただ、ASEANに力がないわけではありません。ASEANを核に東アジアの枠組みはできてきました。日中のどちらかが主導権を握ることも、また共同でリーダーシップをとるのも難しいので、ASEANを尊重し、そこを要にして進めていくしかないのです。
清水 日本政府の取り組みはどうですか。
大庭 日本は経済協力とか機能的な協力を積み重ねていますが、共同体という以上、それだけでいいのでしょうか。そもそも、どの程度まで真剣に共同体を目指しているのか分かりません。
日本は豪州とニュージーランド、インドを入れた拡大東アジア共同体構想に積極的な姿勢を示していますが、結局、中国封じと米国への配慮を混ぜ合わせた結果ではないでしょうか。
清水 福田首相はアジア重視といわれます。
大庭 安倍政権の「自由と繁栄の弧」とは随分と違うんじゃないですか。あれは明らかな中国外し。中国が扱いの難しい隣人だとしても、それを刺激するのはいかがなものでしょうか。
共同体をつくるには価値観の共有が必要です。そのためには、アジアの過去の歴史について認識のすり合わせ作業は避けられません。日本は自国の歴史を顧みつつ、アジアの隣人に歩み寄る努力をすべきです。
この人、現在の政治体制に一切触れていない。
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