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ちょっと毛色の変わった史料

投稿者: toapanlang 投稿日時: 2008/08/21 01:37 投稿番号: [935 / 1474]
下記エントリ−にあるように、東学党の乱が勃発したとき、日本国内で逼塞していた自由党員らはこれを奇貨として行動を起そうと朝鮮に渡ろうとします。で、それを禁じるべく政府も手を打つわけです。

獄長日記   朝鮮国へ渡航禁止の件(一)
http://ameblo.jp/dreamtale/entry-10009968272.html

ここで取上げられていた明治27年の「勅令第百三十五号・許可ナクシテ朝鮮国ヘ渡航禁止」の施行について、大阪府公文書の「秘書綴   明治22年3月〜26年6月」の簿冊に収録されている内務大臣井上馨から大阪府知事山田信道への内訓があります。

http://photos.yahoo.co.jp/ph/toapnglang/vwp?.dir=/5505&.dnm=af03.jpg&.src=ph&.done=http%3a//photos.yahoo.co.jp/ph/toapnglang/vwp%3f.dir=/5505%26.dnm=4913.jpg%26.src=ph

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朝鮮国へ渡航の許可につき内訓

訓第五六八号
今般勅令第百三十五号を以て管轄地方庁の(東京府は警視庁以下做之)許可なくして朝鮮国に渡航することを禁せられたるに付ては無産無頼の徒猥りに渡航して事端を滋さゝる様渡航許可の際充分注意せらるへく即ち右許可に関し左之通心得らるへし
一   曽て保安条例第四条の処分を受けたる者予戒命令の執行を受けたる者予戒命令執行中の者並予戒令第一条の各事項に該当する者は許可を与ふへからす
二   商業漁業其他正当の目的なくして渡航せんとする者は許可を与ふへからす
三   商業漁業其他正当の目的を以て渡航せんとする者と雖も本人平生の行状に於て之を渡航せしむるは国際上危害の虞ありと認むへきときは許可を与ふへからす
四   曽て保安条例第四条の処分を受けたる者又は予戒命令の執行を受けたる者と雖悛改の情状著しき者に限り許可を与ふへし
五   渡航許可したる時は許可証を与ふへし
   許可証は左の様式に依り調製すへし
(許可証様式は省略)
六   朝鮮行の商舩漁舩抜錨の際には警察官を派遣し乗客並に乗込員の許可証を点検すへし若し許可証を有せさる者あるときは其乗込を差止むへし
七   許可を得すして密航したる者を探知したる時は直ちに其事実を外務大臣に申報し同時に在朝鮮国帝国領事館に通知すへし
右内訓す
  明治二十七年八月二日
        内務大臣伯爵井上馨

在野の連中よりも政府の方が対外的には「弱腰」であり、無責任に好き勝手をする在野勢力を抑えようとしていた例の一つです。
「自由民権運動」って立派なものに見えがちですが、出発点は反政府運動であり、西南戦争によって武力による反抗が挫折したために言論運動に転じた連中という内幕があるんですよねぇ。で、政府の困ることならなんでもやってのける、というこれ以降日本の野党の伝統となるものができるわけで…

東学党といえば、当時いわゆるアジア主義者の結社「玄洋社」に参加しており、後に大陸侵略を支えたとされる「黒龍会」の中心人物になる内田良平なんてのが「我らは『天佑侠』として東学党の乱に参加し、参謀や副将として彼らを助けた」なんて著述しているわけですが、史料的に裏付けがたいヨタとしか思えないんですよねぇ。

それでも、日本の侵略行動もしくはアジア解放行動の一環であったとして信じたがる人はいるようですが。
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