こーゆー風に、小泉さんはやってけばいい
投稿者: guiseinoyuu 投稿日時: 2005/05/18 14:44 投稿番号: [22216 / 49973]
http://www.sankei.co.jp/news/050518/kok033.htm
【湯浅博の世界読解】「現代を鑑」に歴史を裁くのか
「追悼と和解」を掲げながら、「優劣と誤解」を振りまくバカげた席順であったと思う。モスクワで開かれた今月九日の対独戦勝六十周年の記念式典の風景である。
第二次大戦の勝ち組であるブッシュ、プーチン米露両大統領を中心に、英仏中が脇を固める形で「追悼」が演出された。これら五カ国は、国連安保理常任理事国(P5)の戦勝国クラブとしていまにつながる。
日本は戦勝P5の横にドイツ、イタリアの首脳とともに、旧敵国として中央から外れた席次が与えられた。戦勝国と敗戦国の区分けがあまりに露骨で、はて、どこが「和解」だったのか。
ところが、この区分けを崩した政治家がいた。首脳たちが横一線で歩き出したとたんに、隅っこからスーッと真ん中に寄ってきて、ブッシュ大統領と仲良さそうに肩を抱き合った。むかし敵国、いま同盟国の小泉純一郎首相である。
小泉首相にすれば、現在の盟友、ブッシュ氏と親交を示す最高の見せ場だったに違いない。しかし、目の前を素通りされた中国の胡錦濤主席からみると、戦勝国クラブの晴れの舞台を崩された思いが強かろう。
先ごろは「反日デモ」の利用で、日本の常任理事国入り阻止という腹黒い意図を見抜かれたばかりだ。胡氏には、再度「歴史カード」が使えるこの式典にかける期待が大きかったと推察する。
ところが、小泉−ブッシュの抱擁シーンが、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙などいくつかの米欧紙の一面を飾った。この一枚の写真によって、戦勝国・中国の敗戦国・日本に対する優越が覆されてしまったのだ。
もともと、ロシアの近隣国にとって戦勝記念日は、ナチの暴虐からソ連の圧制に入れかわった日に過ぎない。チェコのハベル前大統領ら欧米の知識人が批判の公開書簡を出し、バルト三カ国のうち二カ国の首脳がモスクワの「祝賀」をボイコットした。
だから、ブッシュ大統領はラトビアの首都リガの演説で、「中東欧の多くにとって、勝利は別の帝国による鉄の支配をもたらした」と痛烈に戦後ヤルタ体制を批判していた。クレムリンの反発は百も承知で、遠雷のように「歴史の真実」をとどろかした。
大国主義復活を夢見るプーチン氏にも痛手だが、現役の共産主義の指導者、胡錦濤主席にはもっとこたえた。
胡氏はプーチン氏と会談したさい、大戦末期にソ連軍が日ソ中立条約を破って、旧満州に侵攻したことを「ソ連の貢献」と賛美した。
中国はかつて、ソ連の対日参戦や北方領土の占領に批判的な立場をとったことがあったはず。現実の政治の流れしだいで、変幻自在に主張を変えるということだろう。
そうしてみると、中国のいう「歴史を鑑(かがみ)」にするとの外交原則の実相は、「現代を鑑」に歴史を裁こうとする危うい立場なのではないか。
小泉首相には、ブッシュ流の「遠雷」演説の芸当ができない。北方四島はソ連が中立条約を一方的に破棄して不法占拠をしたままなのだ。六十年前の日本に対する暴虐ぶりを国際的にあぶりだす格好の機会だったはずである。
いまはただ、小泉首相のパフォーマンスが、このマイナス面をけ散らす効果があったことを期待せずにはいられない。(東京特派員)
【2005/05/18 東京朝刊から】
【湯浅博の世界読解】「現代を鑑」に歴史を裁くのか
「追悼と和解」を掲げながら、「優劣と誤解」を振りまくバカげた席順であったと思う。モスクワで開かれた今月九日の対独戦勝六十周年の記念式典の風景である。
第二次大戦の勝ち組であるブッシュ、プーチン米露両大統領を中心に、英仏中が脇を固める形で「追悼」が演出された。これら五カ国は、国連安保理常任理事国(P5)の戦勝国クラブとしていまにつながる。
日本は戦勝P5の横にドイツ、イタリアの首脳とともに、旧敵国として中央から外れた席次が与えられた。戦勝国と敗戦国の区分けがあまりに露骨で、はて、どこが「和解」だったのか。
ところが、この区分けを崩した政治家がいた。首脳たちが横一線で歩き出したとたんに、隅っこからスーッと真ん中に寄ってきて、ブッシュ大統領と仲良さそうに肩を抱き合った。むかし敵国、いま同盟国の小泉純一郎首相である。
小泉首相にすれば、現在の盟友、ブッシュ氏と親交を示す最高の見せ場だったに違いない。しかし、目の前を素通りされた中国の胡錦濤主席からみると、戦勝国クラブの晴れの舞台を崩された思いが強かろう。
先ごろは「反日デモ」の利用で、日本の常任理事国入り阻止という腹黒い意図を見抜かれたばかりだ。胡氏には、再度「歴史カード」が使えるこの式典にかける期待が大きかったと推察する。
ところが、小泉−ブッシュの抱擁シーンが、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙などいくつかの米欧紙の一面を飾った。この一枚の写真によって、戦勝国・中国の敗戦国・日本に対する優越が覆されてしまったのだ。
もともと、ロシアの近隣国にとって戦勝記念日は、ナチの暴虐からソ連の圧制に入れかわった日に過ぎない。チェコのハベル前大統領ら欧米の知識人が批判の公開書簡を出し、バルト三カ国のうち二カ国の首脳がモスクワの「祝賀」をボイコットした。
だから、ブッシュ大統領はラトビアの首都リガの演説で、「中東欧の多くにとって、勝利は別の帝国による鉄の支配をもたらした」と痛烈に戦後ヤルタ体制を批判していた。クレムリンの反発は百も承知で、遠雷のように「歴史の真実」をとどろかした。
大国主義復活を夢見るプーチン氏にも痛手だが、現役の共産主義の指導者、胡錦濤主席にはもっとこたえた。
胡氏はプーチン氏と会談したさい、大戦末期にソ連軍が日ソ中立条約を破って、旧満州に侵攻したことを「ソ連の貢献」と賛美した。
中国はかつて、ソ連の対日参戦や北方領土の占領に批判的な立場をとったことがあったはず。現実の政治の流れしだいで、変幻自在に主張を変えるということだろう。
そうしてみると、中国のいう「歴史を鑑(かがみ)」にするとの外交原則の実相は、「現代を鑑」に歴史を裁こうとする危うい立場なのではないか。
小泉首相には、ブッシュ流の「遠雷」演説の芸当ができない。北方四島はソ連が中立条約を一方的に破棄して不法占拠をしたままなのだ。六十年前の日本に対する暴虐ぶりを国際的にあぶりだす格好の機会だったはずである。
いまはただ、小泉首相のパフォーマンスが、このマイナス面をけ散らす効果があったことを期待せずにはいられない。(東京特派員)
【2005/05/18 東京朝刊から】
これは メッセージ 22212 (honkytonk_2002_x さん)への返信です.
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