耽美主義
投稿者: shinkuuboakagi00 投稿日時: 2005/04/08 16:01 投稿番号: [3527 / 15709]
わたしゃ、この言葉をみると、日本語のもつ翻訳能力のすごさをかんじるなあ。
aestheticism, decadenceの訳だろうけど、ウエブスターをみても、定義まで読まないと意味がわからないが、日本語だと語だけで意味がわかる。
耽美主義は二重の意味を持つみたい。
書かれる内容がaesthetic であるかどうかと、書く立場がaestheticであるかどうか(literature for literature's sake).
decadanceまで取り込むと、moralismの問題もはいってくるし。(道徳的頽廃を美的と見るかどうかは人によって違う。オスカー・ワイルド。美とmoralismは関係ないとする立場もある)。
三島が単純な耽美主義者なら、戯曲「わが友ヒトラー」は書かない。(このタイトルがヨーロッパで誤解されて三島がノーベル賞を貰える可能性がなくなったと言うひともいる)。
が、ものごとは複雑。ヒトラーがナチスの原理主義者レームを粛清したあと、ドイツの財界人たちに、「政治は中庸であらねばなりません」というくだりは、三島の反政治的な立場(政治というものを面白みのないものとみる耽美的立場の現れともいえるから)。
通俗小説(「複雑な彼」など)も結構かいているけど、花盛りの森から、午後の曳航、最後の豊穣の海に至るための流れは耽美主義とみてもいいのかなあ。
しかし、近代能楽集の「卒塔婆小町」(江戸川乱歩の「防空壕」に粗筋の本質がそっくり。双方同じような落ちがある。乱歩も一種耽美派などといわれる)などはこの落ちのゆえに純粋耽美主義ともいえない。一種のシニシズムともいえる。
結論:現実的耽美主義
これは メッセージ 3510 (newmoonrider_ver2 さん)への返信です.
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