Re: 中国経済と金融危機
投稿者: a_vulgar_chinese 投稿日時: 2009/04/06 10:50 投稿番号: [10 / 85]
中国経済の特徴は、その成長パターンが外需主導型であり、内需が弱いことにあるといわれる。しかし内需は決して小さくはない。内需のうちでも国内消費が一段と冷え込む一方、国内投資が圧倒的に大きいことが問題なのである。投資はやがて最終消費財の供給力を拡大する。最終消費財の拡大供給を支える購買力は弱く、これがデフレとなって経済の低迷をもたらす危険性がある。
中国が最終消費を中心に据えた内需主導の発展軌道を見いだすことは容易ではない。人口の圧倒的部分を占める農村人口の所得上昇のための政策が不在だったからである。所得分配不平等化は明らかである。
直近の家計調査によれば、農家家計において最下位30%所得階層、都市家計において最下位20%所得階層の家計貯蓄がマイナスである。マイナスの家計貯蓄とは、みずからの経済的地位を向上させる手段をもたないことと同義である。現在の中国においては「貧困者の貧困化」が構造化されているのである。
≪中央の指令きかない地方≫
高成長の過程で中間層が拡大したことは事実である。しかし、それよりもはるかに速い速度で貧困階層(「弱勢群体」)が増加している。貧困農村から押し出される「民工」がその典型である。今回の全人代が「8%死守」を提起したのは、それが実現されねば「弱勢群体」の規模を一段と大きくしてしまい、鬱積(うっせき)する彼らの不満に抗するすべがないという、退(の)っ引きならない判断が党中央にあってのことであろう。
中国に高成長をもたらしてきたのは、固定資産投資の持続的増加である。過熱の危機が叫ばれたのは2003年であった。同年の増加率は31・5%に達し、鉄鋼、アルミ、セメント、不動産などでは実に100%超であった。
公定歩合や銀行準備率の相次ぐ引き上げも奏功せず、銀行融資枠設定、建設プロジェクト再検討、土地管理強化、関係者処罰などの直接介入に打って出たものの、2004年の固定資産投資増加率は27・6%とわずかな減少にとどまった。05年24・5%、06年24・5%、07年25・8%、08年25・5%となお高い増加率をつづけている。
中央コントロールの機能麻痺(まひ)である。なぜ機能が麻痺しているのか。地方政府が中央の指令に聞く耳をもっていないからである。地方政府は、開発業者、仲介業者、投機筋、傘下の国有企業や商業銀行などから成る強固な利益共同体と化し、野放図な投資拡大に走っている。
固定資産投資総額のうち、中央政府のコントロールが可能な部分は1割である。1割を制御できても9割が野放図であれば、投資の抑制は叶(かな)わない。
4兆元の刺激策はまずもって「地方の暴走」を促すに違いない。実際、4兆元決定と同時に地方政府は次々と大規模投資計画を発表し、その合計額がすでに4兆元をはるかに上回っているらしい。問題は他にもある。
≪地方で非効率投資が累積≫
第1に、中国では地方政府の起債は許可されておらず、それゆえ採用される方式は中央政府による国債増額の地方政府への転貸である。10年前のアジア経済危機時に採られたのもこの方式であったが、転貸分の多くは中央政府に返済されずに不良債権化し、結局は帳消しとなった。
4兆元には4大商業銀行による融資分も含まれる。緊急対策としての政府主導の融資である。融資審査もおのずと緩やかなものたらざるをえまい。地方政府のモラルハザードによる非効率的な投資の累増が避けられない。
3月末、雲南省昆明などいくつかの都市を回ってきた。地方政府関係者は中央の景気刺激策を投資拡大の好機と見立てているとの感を深くした。財政部が複数の地域で地方債の発行を許可し始めているという情報をも耳にした。地方の非効率的投資はさらに拡大しそうな気配なのである。
第2は、冒頭で述べたように景気刺激策によって累積した投資はやがて生産力化し、これが最終消費財の大量供給をもたらしてデフレの到来を不可避としよう。輸出ドライブが強まるものの、低迷の度を増す世界経済に中国の生産力を吸収する力はない。
所得再分配政策、農村開発、都市貧困住民の雇用確保を通じて内需が喚起されない以上、景気刺激策の採用後、いずれ投資反動不況到来の可能性が大である。
中国が最終消費を中心に据えた内需主導の発展軌道を見いだすことは容易ではない。人口の圧倒的部分を占める農村人口の所得上昇のための政策が不在だったからである。所得分配不平等化は明らかである。
直近の家計調査によれば、農家家計において最下位30%所得階層、都市家計において最下位20%所得階層の家計貯蓄がマイナスである。マイナスの家計貯蓄とは、みずからの経済的地位を向上させる手段をもたないことと同義である。現在の中国においては「貧困者の貧困化」が構造化されているのである。
≪中央の指令きかない地方≫
高成長の過程で中間層が拡大したことは事実である。しかし、それよりもはるかに速い速度で貧困階層(「弱勢群体」)が増加している。貧困農村から押し出される「民工」がその典型である。今回の全人代が「8%死守」を提起したのは、それが実現されねば「弱勢群体」の規模を一段と大きくしてしまい、鬱積(うっせき)する彼らの不満に抗するすべがないという、退(の)っ引きならない判断が党中央にあってのことであろう。
中国に高成長をもたらしてきたのは、固定資産投資の持続的増加である。過熱の危機が叫ばれたのは2003年であった。同年の増加率は31・5%に達し、鉄鋼、アルミ、セメント、不動産などでは実に100%超であった。
公定歩合や銀行準備率の相次ぐ引き上げも奏功せず、銀行融資枠設定、建設プロジェクト再検討、土地管理強化、関係者処罰などの直接介入に打って出たものの、2004年の固定資産投資増加率は27・6%とわずかな減少にとどまった。05年24・5%、06年24・5%、07年25・8%、08年25・5%となお高い増加率をつづけている。
中央コントロールの機能麻痺(まひ)である。なぜ機能が麻痺しているのか。地方政府が中央の指令に聞く耳をもっていないからである。地方政府は、開発業者、仲介業者、投機筋、傘下の国有企業や商業銀行などから成る強固な利益共同体と化し、野放図な投資拡大に走っている。
固定資産投資総額のうち、中央政府のコントロールが可能な部分は1割である。1割を制御できても9割が野放図であれば、投資の抑制は叶(かな)わない。
4兆元の刺激策はまずもって「地方の暴走」を促すに違いない。実際、4兆元決定と同時に地方政府は次々と大規模投資計画を発表し、その合計額がすでに4兆元をはるかに上回っているらしい。問題は他にもある。
≪地方で非効率投資が累積≫
第1に、中国では地方政府の起債は許可されておらず、それゆえ採用される方式は中央政府による国債増額の地方政府への転貸である。10年前のアジア経済危機時に採られたのもこの方式であったが、転貸分の多くは中央政府に返済されずに不良債権化し、結局は帳消しとなった。
4兆元には4大商業銀行による融資分も含まれる。緊急対策としての政府主導の融資である。融資審査もおのずと緩やかなものたらざるをえまい。地方政府のモラルハザードによる非効率的な投資の累増が避けられない。
3月末、雲南省昆明などいくつかの都市を回ってきた。地方政府関係者は中央の景気刺激策を投資拡大の好機と見立てているとの感を深くした。財政部が複数の地域で地方債の発行を許可し始めているという情報をも耳にした。地方の非効率的投資はさらに拡大しそうな気配なのである。
第2は、冒頭で述べたように景気刺激策によって累積した投資はやがて生産力化し、これが最終消費財の大量供給をもたらしてデフレの到来を不可避としよう。輸出ドライブが強まるものの、低迷の度を増す世界経済に中国の生産力を吸収する力はない。
所得再分配政策、農村開発、都市貧困住民の雇用確保を通じて内需が喚起されない以上、景気刺激策の採用後、いずれ投資反動不況到来の可能性が大である。
これは メッセージ 1 (higashiajiakyoueiken さん)への返信です.
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