蓮池透さんの「奪還」
投稿者: nijinohahacyama 投稿日時: 2003/05/11 11:34 投稿番号: [79707 / 99628]
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/459901-8.html
書名著者
波 2003年5月号より
「家族の絆」を取り戻すために
蓮池 透『奪還─引き裂かれた二十四年─』
安倍晋三
--------------------------------------------------------------------------------
北朝鮮に拉致されていた蓮池薫さん、奥土祐木子さん、地村保志さん、浜本富貴恵さん、曽我ひとみさんの五人が日本に帰国して、ちょうど半年が経った。
五人の方々はそれぞれ、二十年を超える空白の時を乗り越えて、新たな人生を切り開くために懸命に努力されている。当初は北朝鮮によって“洗脳”されているのではないかという懸念もあったが、それは杞憂に過ぎなかった。
おそらく、北朝鮮にいる間は生きていくために優等生として行動せざるを得なかったのだろうし、帰国が決まってからも「北朝鮮からは逃れられないのではないか」という恐怖感がつきまとっていたのだろう。
しかし、今はその呪縛からもすっかり解放されたようだ。もちろん、北朝鮮に残されている家族のことはご心配であろうが、日本で前向きに生きていくことを考えておられる様子が窺える。
われわれも何とか五人の方々の不安を取り除きたいと考え、できる限りの支援をしようと努めてきたが、この半年間を振り返って考えると、何よりも大きな力として帰国した被害者を支えたのは、やはり「家族の絆」だったと思う。
このほど、被害者蓮池薫さんの兄であり、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の事務局長でもある蓮池透さんがお書きになった本を読んで、改めてその思いを強くした。
蓮池さんとは家族会の活動を通じて何年も前から顔は合わせていたが、言葉を交わすようになったのは昨年九月の小泉総理訪朝の前後からである。常にクールで自分の信念を曲げず、マスコミに対しても迎合しない姿勢には敬意を覚えるし、彼がわれわれ政治家に投げかけてくる問いにはいつも重いものを感じる。
昨年十一月、私が新潟県柏崎市の蓮池家を訪れた時、薫さんから「子供たちは大丈夫でしょうか」と訊ねられた。私は「万が一の時には、日本政府にも考えがある」と答えたのだが、隣にいた透さんが一瞬、驚いた表情で私を見つめたのが今でも印象に残っている。その反応には、日本政府に対する様々な思いが込められているように感じられた。
蓮池さんはこの本の中でも、日本は国としてどうあるべきなのかという根本的な問題を問いかけている。そして、その問いの原点にあるものは「家族の絆」である。
われわれ日本人が戦後五十七年の間に忘れ去ってしまった最も大きなものが、「家族の絆」ではないか。家族の愛情が薄まり形骸化してきたことが、教育を初めとする現在の諸問題に直結しているのは間違いない。
そんな風潮の中で、蓮池さんは自らを省みず生活の上で犠牲も払いながら、弟のために懸命に活動を続けている。その姿は日本人の原風景とも言うべきものであり、だからこそ多くの人々の琴線にふれ、共感を呼ぶのだと思う。
「家族の絆」は地域のコミュニティーにつながり、そして国を思う心へと昇華していく。蓮池さんの問いかけは、日本の国民全てに向けられているといっても過言ではない。今こそ、守るべき国とは何かを考え直さなくてはならない時だと思う。
北朝鮮拉致問題は、まだ終結したわけではない。
「拉致問題には、『落としどころ』など存在させてはいけないと思います。拉致を認めた以上、北朝鮮は即刻、被害者とその家族を返す義務があります。そして、日本政府も今こそ、威信にかけて『国民を返せ』と強く迫るべきではないでしょうか」
蓮池さんは「あとがき」でそう書いているが、まさにその通りだと思う。拉致という国家犯罪に対しては、原状を回復せよと言い続けることが基本であり、一切の妥協を排さなくてはならないのである。
拉致された日本人とその家族を全員、奪い還すまで闘い続けるという蓮池さんの決意と姿勢は、今の日本において本当に尊く貴重なものだと感じた。
(あべ・しんぞう 内閣官房副長官)
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>万が一の時は日本にも考えがある・・・
ちゃんとあったのかぁ!って私もびっくりしました(苦笑)
書名著者
波 2003年5月号より
「家族の絆」を取り戻すために
蓮池 透『奪還─引き裂かれた二十四年─』
安倍晋三
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北朝鮮に拉致されていた蓮池薫さん、奥土祐木子さん、地村保志さん、浜本富貴恵さん、曽我ひとみさんの五人が日本に帰国して、ちょうど半年が経った。
五人の方々はそれぞれ、二十年を超える空白の時を乗り越えて、新たな人生を切り開くために懸命に努力されている。当初は北朝鮮によって“洗脳”されているのではないかという懸念もあったが、それは杞憂に過ぎなかった。
おそらく、北朝鮮にいる間は生きていくために優等生として行動せざるを得なかったのだろうし、帰国が決まってからも「北朝鮮からは逃れられないのではないか」という恐怖感がつきまとっていたのだろう。
しかし、今はその呪縛からもすっかり解放されたようだ。もちろん、北朝鮮に残されている家族のことはご心配であろうが、日本で前向きに生きていくことを考えておられる様子が窺える。
われわれも何とか五人の方々の不安を取り除きたいと考え、できる限りの支援をしようと努めてきたが、この半年間を振り返って考えると、何よりも大きな力として帰国した被害者を支えたのは、やはり「家族の絆」だったと思う。
このほど、被害者蓮池薫さんの兄であり、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の事務局長でもある蓮池透さんがお書きになった本を読んで、改めてその思いを強くした。
蓮池さんとは家族会の活動を通じて何年も前から顔は合わせていたが、言葉を交わすようになったのは昨年九月の小泉総理訪朝の前後からである。常にクールで自分の信念を曲げず、マスコミに対しても迎合しない姿勢には敬意を覚えるし、彼がわれわれ政治家に投げかけてくる問いにはいつも重いものを感じる。
昨年十一月、私が新潟県柏崎市の蓮池家を訪れた時、薫さんから「子供たちは大丈夫でしょうか」と訊ねられた。私は「万が一の時には、日本政府にも考えがある」と答えたのだが、隣にいた透さんが一瞬、驚いた表情で私を見つめたのが今でも印象に残っている。その反応には、日本政府に対する様々な思いが込められているように感じられた。
蓮池さんはこの本の中でも、日本は国としてどうあるべきなのかという根本的な問題を問いかけている。そして、その問いの原点にあるものは「家族の絆」である。
われわれ日本人が戦後五十七年の間に忘れ去ってしまった最も大きなものが、「家族の絆」ではないか。家族の愛情が薄まり形骸化してきたことが、教育を初めとする現在の諸問題に直結しているのは間違いない。
そんな風潮の中で、蓮池さんは自らを省みず生活の上で犠牲も払いながら、弟のために懸命に活動を続けている。その姿は日本人の原風景とも言うべきものであり、だからこそ多くの人々の琴線にふれ、共感を呼ぶのだと思う。
「家族の絆」は地域のコミュニティーにつながり、そして国を思う心へと昇華していく。蓮池さんの問いかけは、日本の国民全てに向けられているといっても過言ではない。今こそ、守るべき国とは何かを考え直さなくてはならない時だと思う。
北朝鮮拉致問題は、まだ終結したわけではない。
「拉致問題には、『落としどころ』など存在させてはいけないと思います。拉致を認めた以上、北朝鮮は即刻、被害者とその家族を返す義務があります。そして、日本政府も今こそ、威信にかけて『国民を返せ』と強く迫るべきではないでしょうか」
蓮池さんは「あとがき」でそう書いているが、まさにその通りだと思う。拉致という国家犯罪に対しては、原状を回復せよと言い続けることが基本であり、一切の妥協を排さなくてはならないのである。
拉致された日本人とその家族を全員、奪い還すまで闘い続けるという蓮池さんの決意と姿勢は、今の日本において本当に尊く貴重なものだと感じた。
(あべ・しんぞう 内閣官房副長官)
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>万が一の時は日本にも考えがある・・・
ちゃんとあったのかぁ!って私もびっくりしました(苦笑)
これは メッセージ 1 (magekuri さん)への返信です.
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