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イランの知名人(8)バニエテマド

投稿者: fyojizzzz 投稿日時: 2004/03/14 00:21 投稿番号: [871 / 3876]
ラクシャン・バニエテマド。
イランを代表する女性監督。1954年テヘラン生まれ。テヘラン大学で映画製作
を専攻。卒業後、テレビなどで
多くのドキュメンタリー番組を手がける。その後、多くの映画を監督。

2001年に製作した「街の陰」(Under the Skin of the City)が国内外で大ヒット。モスクワ国際映画祭では Grand
Jury賞を獲得。

実は、彼女のことは、数日前CS放送で「街の陰」を見て、初めて知りました。

見て、かなり衝撃を受けました。リアリズムに徹していて、テヘランの今(1990年代後半)が、その暗部を中心に
赤裸々な形でドラマ化されています。

テヘラン南部に住む一家。足の悪い夫に代わって、老境に入りつつある妻は繊維工場で働く一家の稼ぎ頭。喉をや
られながらも、料理に洗濯と家事もきりもみする。嫁にいった長女は、夫の暴力に耐えかねて、しばしば里帰りを
繰り返す。

もうひとりの主人公ともいえる長男は、服メーカーに勤めるメッセンジャー・ボーイ。貧困から抜け出そうと、日
本への出稼ぎを計画しているが、パスポート(ビザを含む?)取得のためにまとまったお金を必要と必要としてい
る。

次男は大学受験を控えた高校生だが、正義感が強く、政治運動にかかわっている。末の妹は活発で勝ち気な女
子高生(中学生かも)、友だち思いで2人で内緒にコンサートにいったりする。

長男が日本行きを実現させるために、家を売って資金を作ろうとすることから、この一家に暗雲がただよい、物
語が急展開していくのですが、そこにはイランが抱える多くの問題が凝縮しているように思えました。

貧困というより、先行きの見えない閉塞感、夫や兄による家庭内暴力、娘の家出や売春、麻薬、政治への絶望感、
などなど。

ただ、同時に、強い家族の絆と愛情が満ちあふれており、「これさえ失わなければ、なんとかなる」、そんなメ
ッセージ、ある意味、きわめて強力で楽観的な勇気を与えてくれる映画でした。

バニエテマド、気になる映画監督になりました。
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