イラン大統領の権限
投稿者: fyojizzzz 投稿日時: 2004/01/10 14:57 投稿番号: [742 / 3876]
yokabattenjanさん、どうも。
おっしゃるように、地震から日が経ち、がれきに埋まった被災者の捜索・救助から、被災後の生活支援や
街の再生復興などに焦点が移るにつれて、イラン政府や関係諸機関の対応のまずさや、被害の人災的側
面を指弾する声が、国内外から聞かれるようになってきましたね。
ところで、ご指摘の
>やはり最高指導者には大統領でさえも頭があがらないという事でしょうか?
という問いですが、ぼく自身イランの政治や統治機構についてまったくの素人で、誤解や理解不足がある
かもしれませんが、基本的にはおっしゃる通りではないでしょうか。大統領といっても、米国の大統領制と
比べると、ハタミ大統領といえどもその権限は相当限定されているように思われます。
まずイランでは、憲法によってイスラム法学者による統治(ベラーヤテ・ファギーフ)が基本原則とされて
おり、政教一致を旨とするイスラム共和体制の枠内でしか改革・自由化・民主化が進められない、という制約
があります。「イスラム体制」(その含意には解釈の差があるようですが)と反するような改革は最初から
封じ込められているという事です。
また、統治機構上も、大統領は最高権力者ではなく、最高指導者(現在はハメネイ師)の下で政策を立案し
たり実行する責任者と位置づけられています。
ご承知のように、現在イランでは民主化・自由化を旗印に国民の圧倒的支持で選ばれた大統領と、その
大統領を支持する改革派の国会議員が多数派となっている議会によって国政が担われていますが、議会で
可決された法案でも、その法案は最高指導者によって半数が任命される「護憲評議会」によって憲法や
イスラム法に抵触すると判断されれば無効になってしまいます。
万が一、護憲評議会をパスした場合でも、最高指導者はその法案を拒否する権限をもっています。
さらにいえば、最高指導者は大統領自体を解任する権利をもっている、とのことです。
確かに、現在イランでは民主化・自由化を求める大多数の国民の意志を反映して、行政と立法の両分野で
改革派勢力が優位な立場にありますが、現実には、国民の求める改革が遅々として進まず、若者を中心に
(つまり国民の大半が)政治に対して幻滅を感じているのも、根本のところではこのような大統領や議会の
権限が大きく制約されていることに原因があるのではないでしょうか。
さらに付け加えると、司法府、国軍、革命防衛隊、警察など、ハードな国家機構は大統領ではなく、最高
指導者の権力下にあります。
これは メッセージ 739 (yokabattenjan さん)への返信です.
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