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批判者を排除した組織は独善に陥りやすい

投稿者: r13812 投稿日時: 2012/05/01 09:30 投稿番号: [58012 / 62227]
2007年04月12日

●海のグラフィック誌「スフィア」より
http://dolph.osakazine.net/e33778.html


・イルカが無主物、捕まえた人のものという考え方が日本にはある。
しかし、イルカも空気も人類の共用財であり、水産資源は漁業者にとっては借り物であると私は考える。
世界的にはこうした考え方のほうが普通である。その共用財の管理方法が水産資源では遅れている。

(中略)

これを受けて、漁業者や水産庁のような漁業支援組織は、資源減少の証拠を確実かどうかをとことん確認しようとする。また、回遊の変化とか天候の影響とか、思いつくままに別の可能性を指摘して、それらが否定されるまでは対応を遅らせることができる。

つまり、資源が被害を受けていることを証明するのは、保護を要求する側の役目である。これでは、資源が壊滅して、誰も反論できなくなるまで待つしかない。

これからは、この仕組みを逆にして、資源が悪化していないことを証明する責任を漁業サイドに与えるべきであると私は考える。その証明ができなければ漁業を止めるなり、漁獲量を削減させるのである。外国の水産研究者の間にも同様の主張がでてきた。環境汚染物質の排出規制などでは、このような安全重視のやり方が一般的になっている。

この仕組みには、明確な資源管理目標の設定とならんで、研究の場と情報の公開が不可欠である。昔はスジイルカの資源研究は大学の研究者がしていたが、1980年代からは水産庁研究者も参加してきた。研究者層の広がりとしては好ましい方向だが、憂慮すべき現象も出始めている。一部のイルカ漁業者は漁獲物の研究を、水産庁研究者にしか許さなくなってきたのである。

批判者を排除した組織は独善に陥りやすい。
多くの研究者が参加してこそ学問の進歩や早いし、資源管理も安全なものにある。
人類の共有財を利用する水産業の社会的責任も忘れてはならない。

●粕谷俊雄氏
東京大学農学部水産学科卒業、財団法人日本捕鯨協会鯨類研究所所員、東京大学海洋研究所助手、水産庁遠洋水産研究所底魚海獣資源部鯨類資源研究室室長、三重大学生物資源学部教授のち、当大学教授、退官後はフリー。
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