田辺信介「予防原則で議論を」
投稿者: r13812 投稿日時: 2011/06/15 22:37 投稿番号: [54464 / 62227]
春の褒章:県内から5人
/愛媛
http://mainichi.jp/area/ehime/news/20110615ddlk38040662000c.html
春の褒章で県内からは、紫綬褒章に長年、環境問題に取り組んできた愛媛大沿岸環境科学研究センター教授の田辺信介さん(60)、藍綬褒章に4人が選ばれた。また、危険業務従事者叙勲は32人が受章した。例年は4月下旬に発表していたが、今年は東日本大震災の影響で延期されていた。発令は4月29日付。(紫綬褒章受章者一覧は社会面に)【中村敦茂】
◇福島原発事故「予防原則で議論を」−−紫綬褒章、環境学者の田辺信介さん(60)
◇放射性物質以外にも警鐘
「環境化学は社会性の強い学問。社会に還元し、行政にも提示して、動かす力が求められる」。環境汚染研究で世界的な業績を積み重ねてきた環境化学者は語る。東日本大震災の福島第1原発事故についても「安全神話に隠れ、転ばぬ先のつえである『予防原則』に立った議論がなされていなかった」と批判。津波で流れ出た放射性物質以外の汚染にも警鐘を鳴らす。
震災後、国は、放射線量の基準がなかった食品に急きょ暫定値を設け、原発作業員の被ばく許容線量をなし崩し的に引き上げた。田辺さんは「事故が起こり得ると想定せず、妥当な基準が用意されていなかった」と指摘する。こうした状況下の市民の対応として「市民には、さまざまなデータを、NGOやNPOなどの見解を聞いて判断し、行動をする力がある。その中で、放射線感受性の強い子供を抱える母親が食品を選ぶなど、自己防衛をするしかない」と説明。前提となる政府などのデータ公開について「隠されればどうしようもない。混乱があったとしても、オープンにすることが極めて重要」と指摘した。
またポリ塩化ビフェニール(PCB)を含む変圧器などの廃棄物や、毒物・劇物を含む医療廃棄物が津波で海に流された可能性を指摘。モニタリングの必要性を訴えた。
◇「学者は社会的使命を」
環境化学の道に進んだきっかけは、愛媛大農学部在学中に出会った恩師、立川涼・愛媛大名誉教授の授業。「教科書はなく行き当たりばったり」だったが、米国の化学物質汚染の実態を語るとともに、国や政治家、研究者らの姿勢を、鋭く、熱っぽく批判した。他の授業ではよく教室を抜け出していた田辺さんだが、「一番前でかぶりついた」。
門下に入り、80年代には、ダイオキシン類など化学物質を南極や北極の空気、水から検出し、環境汚染の地球規模の広がりを告発した。外洋の鯨類などに、人間とはけた違いに汚染物質が蓄積されていることも証明。
NHKの科学番組「爆笑問題のニッポンの教養」に出演、「万物は汚れている」と強い言葉で警告を発した田辺さん。学問と社会の接点を重んじる恩師の授業が、今もその姿勢に生きている。「社会的使命を持たねばいけないという思いは、死ぬまで変わらない」
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■ことば
◇予防原則
化学物質などによる健康被害について、科学的な因果関係が完全に証明できていない段階でも、人や生態系への影響が疑われれば、予防的に対策を取るべき、という考え方。健康や環境を守る基本原則として、欧州で生まれた。
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http://mainichi.jp/area/ehime/news/20110615ddlk38040662000c.html
春の褒章で県内からは、紫綬褒章に長年、環境問題に取り組んできた愛媛大沿岸環境科学研究センター教授の田辺信介さん(60)、藍綬褒章に4人が選ばれた。また、危険業務従事者叙勲は32人が受章した。例年は4月下旬に発表していたが、今年は東日本大震災の影響で延期されていた。発令は4月29日付。(紫綬褒章受章者一覧は社会面に)【中村敦茂】
◇福島原発事故「予防原則で議論を」−−紫綬褒章、環境学者の田辺信介さん(60)
◇放射性物質以外にも警鐘
「環境化学は社会性の強い学問。社会に還元し、行政にも提示して、動かす力が求められる」。環境汚染研究で世界的な業績を積み重ねてきた環境化学者は語る。東日本大震災の福島第1原発事故についても「安全神話に隠れ、転ばぬ先のつえである『予防原則』に立った議論がなされていなかった」と批判。津波で流れ出た放射性物質以外の汚染にも警鐘を鳴らす。
震災後、国は、放射線量の基準がなかった食品に急きょ暫定値を設け、原発作業員の被ばく許容線量をなし崩し的に引き上げた。田辺さんは「事故が起こり得ると想定せず、妥当な基準が用意されていなかった」と指摘する。こうした状況下の市民の対応として「市民には、さまざまなデータを、NGOやNPOなどの見解を聞いて判断し、行動をする力がある。その中で、放射線感受性の強い子供を抱える母親が食品を選ぶなど、自己防衛をするしかない」と説明。前提となる政府などのデータ公開について「隠されればどうしようもない。混乱があったとしても、オープンにすることが極めて重要」と指摘した。
またポリ塩化ビフェニール(PCB)を含む変圧器などの廃棄物や、毒物・劇物を含む医療廃棄物が津波で海に流された可能性を指摘。モニタリングの必要性を訴えた。
◇「学者は社会的使命を」
環境化学の道に進んだきっかけは、愛媛大農学部在学中に出会った恩師、立川涼・愛媛大名誉教授の授業。「教科書はなく行き当たりばったり」だったが、米国の化学物質汚染の実態を語るとともに、国や政治家、研究者らの姿勢を、鋭く、熱っぽく批判した。他の授業ではよく教室を抜け出していた田辺さんだが、「一番前でかぶりついた」。
門下に入り、80年代には、ダイオキシン類など化学物質を南極や北極の空気、水から検出し、環境汚染の地球規模の広がりを告発した。外洋の鯨類などに、人間とはけた違いに汚染物質が蓄積されていることも証明。
NHKの科学番組「爆笑問題のニッポンの教養」に出演、「万物は汚れている」と強い言葉で警告を発した田辺さん。学問と社会の接点を重んじる恩師の授業が、今もその姿勢に生きている。「社会的使命を持たねばいけないという思いは、死ぬまで変わらない」
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■ことば
◇予防原則
化学物質などによる健康被害について、科学的な因果関係が完全に証明できていない段階でも、人や生態系への影響が疑われれば、予防的に対策を取るべき、という考え方。健康や環境を守る基本原則として、欧州で生まれた。
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