大久保彩子
投稿者: r13812 投稿日時: 2011/02/22 20:08 投稿番号: [52316 / 62227]
南極海調査捕鯨へのシー・シェパードの妨害活動と調査打ち切りに関する分析とコメント
http://yonemoto.rcast.u-tokyo.ac.jp/PDF/okubo_20110218.pdf
東京大学先端科学技術研究センター 特任研究員 大久保彩子
反捕鯨団体シー・シェパード(SS)による妨害活動の激化を受け、政府は南極海で行っている調
査捕鯨を打ち切り、船団を予定より早く帰国させることを決定した、との報道がなされた。SS 側はこ
れを自らの妨害活動の効果として宣伝しており、国内では暴力的な危険行為を繰り返すSS に屈す
るのか、との批判も聞こえてきている。調査団にけが人が出かねない危険な状況で、また、これ以
上SS に妨害活動の「舞台」を与えないためにも、早期帰国は妥当な判断だろう。問題はむしろ、今
回の事態を受けて捕鯨問題をSS だけの問題として捉えてしまうことだ。そうなれば、問題の本質を
見誤るだろう。
調査捕鯨は、商業捕鯨の再開に必要な科学研究を目的に掲げて1987 年に開始された。経費
は国庫補助金と調査の副産物としての鯨肉の販売で賄われる。そこには少なくとも2つの前提があ
る。まず調査の経費に見合う鯨肉の売り上げがあること、そして、南極海で商業ベースでの捕鯨の
操業を望む民間企業が存在することである。だが近年、調査副産物の鯨肉は当初想定したように
は売れておらず、その売り上げで調査経費を賄う仕組み自体に、かなりの無理が生じてきている。
さらに、南極海での捕鯨操業の意思を表明している民間企業はなく、商業捕鯨の担い手がいない
中、なぜ南極海での商業捕鯨再開を前提とした調査捕鯨が必要なのか、説明がつかない状態にあ
る。
現行の第二期南極海鯨類捕獲調査計画(JARPAⅡ)は2005 年度に開始されたもので、6年ご
とに内容をレビューし必要に応じて計画を変更することになっており、今年度はちょうどその6年目に
あたる。調査計画の見直しにあたっては、科学研究として掲げた仮説をどの程度検証できたのかと
いう側面だけでなく、国際的な合意に基づく資源管理という目的に照らして調査捕鯨がどのような
影響をもたらしてきたのかを国際交渉の実態を踏まえて検証する必要がある。それと並行して、これ
まで調査捕鯨の維持拡大を最優先としてきた日本の捕鯨政策を、現在の鯨肉消費や産業の実態
に即して組みかえていくことが肝要である。
南極海での捕獲調査では、1987 年以降20 年以上にわたるデータがすでに得られている。
2004 年度までの第一期調査で得られたデータの解析が十分になされない段階で、翌2005 年度
から日本が第二期調査を開始したことに対しては、国際捕鯨委員会においても異論が提起されて
きた。南極海での捕獲は一旦停止して、これまでに蓄積されたデータの解析に注力することも有力
な選択肢の一つである。同時に、国内への鯨肉供給の主力は沿岸捕鯨に委ねることが、商業捕鯨
モラトリアムにより経済的困窮に陥ってきたといわれる小規模捕鯨者の利益にもつながる。国内の
ニーズに応じた、また説明責任を果たすことのできる捕鯨政策に転換していく方策を、反捕鯨団体
への嫌悪感のみに囚われずに検討していくべきである。
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東大先端研特任研究員大久保彩子さん「南極海調査捕鯨へのシー・シェパードの妨害活動と調査打ち切りに関する分析とコメント」
http://yonemoto.rcast.u-tokyo.ac.jp/PDF/okubo_20110218.pdf
読売新聞2月19日朝刊に掲載されていた内容の詳細版ですね。
http://twitter.com/shimanomusume/status/39856445390467072
http://yonemoto.rcast.u-tokyo.ac.jp/PDF/okubo_20110218.pdf
東京大学先端科学技術研究センター 特任研究員 大久保彩子
反捕鯨団体シー・シェパード(SS)による妨害活動の激化を受け、政府は南極海で行っている調
査捕鯨を打ち切り、船団を予定より早く帰国させることを決定した、との報道がなされた。SS 側はこ
れを自らの妨害活動の効果として宣伝しており、国内では暴力的な危険行為を繰り返すSS に屈す
るのか、との批判も聞こえてきている。調査団にけが人が出かねない危険な状況で、また、これ以
上SS に妨害活動の「舞台」を与えないためにも、早期帰国は妥当な判断だろう。問題はむしろ、今
回の事態を受けて捕鯨問題をSS だけの問題として捉えてしまうことだ。そうなれば、問題の本質を
見誤るだろう。
調査捕鯨は、商業捕鯨の再開に必要な科学研究を目的に掲げて1987 年に開始された。経費
は国庫補助金と調査の副産物としての鯨肉の販売で賄われる。そこには少なくとも2つの前提があ
る。まず調査の経費に見合う鯨肉の売り上げがあること、そして、南極海で商業ベースでの捕鯨の
操業を望む民間企業が存在することである。だが近年、調査副産物の鯨肉は当初想定したように
は売れておらず、その売り上げで調査経費を賄う仕組み自体に、かなりの無理が生じてきている。
さらに、南極海での捕鯨操業の意思を表明している民間企業はなく、商業捕鯨の担い手がいない
中、なぜ南極海での商業捕鯨再開を前提とした調査捕鯨が必要なのか、説明がつかない状態にあ
る。
現行の第二期南極海鯨類捕獲調査計画(JARPAⅡ)は2005 年度に開始されたもので、6年ご
とに内容をレビューし必要に応じて計画を変更することになっており、今年度はちょうどその6年目に
あたる。調査計画の見直しにあたっては、科学研究として掲げた仮説をどの程度検証できたのかと
いう側面だけでなく、国際的な合意に基づく資源管理という目的に照らして調査捕鯨がどのような
影響をもたらしてきたのかを国際交渉の実態を踏まえて検証する必要がある。それと並行して、これ
まで調査捕鯨の維持拡大を最優先としてきた日本の捕鯨政策を、現在の鯨肉消費や産業の実態
に即して組みかえていくことが肝要である。
南極海での捕獲調査では、1987 年以降20 年以上にわたるデータがすでに得られている。
2004 年度までの第一期調査で得られたデータの解析が十分になされない段階で、翌2005 年度
から日本が第二期調査を開始したことに対しては、国際捕鯨委員会においても異論が提起されて
きた。南極海での捕獲は一旦停止して、これまでに蓄積されたデータの解析に注力することも有力
な選択肢の一つである。同時に、国内への鯨肉供給の主力は沿岸捕鯨に委ねることが、商業捕鯨
モラトリアムにより経済的困窮に陥ってきたといわれる小規模捕鯨者の利益にもつながる。国内の
ニーズに応じた、また説明責任を果たすことのできる捕鯨政策に転換していく方策を、反捕鯨団体
への嫌悪感のみに囚われずに検討していくべきである。
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東大先端研特任研究員大久保彩子さん「南極海調査捕鯨へのシー・シェパードの妨害活動と調査打ち切りに関する分析とコメント」
http://yonemoto.rcast.u-tokyo.ac.jp/PDF/okubo_20110218.pdf
読売新聞2月19日朝刊に掲載されていた内容の詳細版ですね。
http://twitter.com/shimanomusume/status/39856445390467072
これは メッセージ 52315 (r13812 さん)への返信です.
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