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東京・北陸中日新聞「こちら特報部」(2)

投稿者: r13812 投稿日時: 2010/08/30 21:15 投稿番号: [47148 / 62227]
補助金産業化、懸念の声
「捕りすぎたら海へ捨てる」
冒頭の元船員男性は話を続ける。「そもそも訴えたかったのは、横領の話じゃなくて、漁師として感じた調査捕鯨のおかしさなんです」
  そのひとつが「捕りすぎたときは、どんどん肉を海に捨てること」と言う。「捨てるくらいなら捕らなきゃいいのに、と仲間内で話していた」
  反捕鯨団体の妨害行動でクジラを捕れない期間が続いた後は、一日の捕獲頭数を増やす。だが、20頭以上だと船の冷凍室がいっぱいになるため、雑肉を捨てるという。
  特に、捕獲目標頭数が急増した05年から06年は「売れる肉でも頻繁に捨てていた」と男性は振り返る。
  では現在の調査捕鯨の実情はどうなのか。東京大先端科学技術研究センター特任研究員の大久保彩子さんは「商業捕鯨再開のためのクジラの生態調査とされているが、実質的には鯨肉供給の手段になっている」と話す。
  その上で、調査捕鯨が「補助金産業」化していることを問題視する。

水産庁傘下の企業が独占「利権の護送船団」
  その構図とは―。実施主体は鯨研だが、捕獲作業や鯨肉の加工販売は、水産会社の捕鯨部門が統合してできた株式会社「共同船舶」が随意契約で独占的に請け負う。
  鯨研は、調査捕鯨に許可を出す水産庁から毎年補助金をもらい、歴代の役員には天下りで同庁OBがいる。今年の補助金は、捕鯨妨害行為への対策費を含めて約8億円。すなわち共同船舶は、水産庁傘下のファミリー企業で「鯨肉利権の護送船団」との指摘もある。
  連合国軍総司令部(GHQ)が戦後の食糧難対策で南極での捕鯨を許可し、鯨肉消費がピークとなったのは1962年。その後の消費は落ち込む一方だ。国際捕鯨委員会(IWC)が商業捕鯨のモラトリアムを採択し、日本では87年から調査捕鯨に切り替えられたが、鯨肉の在庫はだぶつき、最近では四千数百トンを超える。捕鯨事業の経費は鯨肉を売って賄われるが、これも赤字に陥っている。
  大久保さんは「商業的に成り立たない南極海での捕鯨を、国が補助している。仮に商業捕鯨が再開され、補助金が受けられなくなれば、かえって南極海捕鯨は衰退する可能性が高い」とみる。
  IWCは6月の会合で「南極海での調査捕鯨を大幅に縮小するかわりに、沿岸での商業捕鯨を認める」との議長案が議論されたが、決裂した。
  「捕鯨国にも、反捕鯨国にも、今の状態が一番好都合だともいえる」と大久保さん。「反捕鯨国は、国内産業との利害関係がないから『商業捕鯨には何が何でも反対』と理念に突っ走っていればいい。捕鯨国が存在するから、反捕鯨団体のシー・シェパードには資金が集まるし、“活躍”の場を与えられる」
  いわば「日本の食文化の伝統を守れ」というメッセージのもと、反捕鯨国・団体への国民の反感に守られる形で調査捕鯨が存立する。
  大久保さんは言う。「各国の意地の張り合いの中、国際規制がないまま調査捕鯨が続けられることが一番の問題でしょう」

デスクメモ
  かつて夏の昼は冷やしそうめんに缶詰のクジラが定番。尾の身など特上部位を「口にできるのは船員と一部の官僚、政治家ら」と聞き、真偽をよそに不満だった。共同船舶は事実上の国営企業といえるのに、土産以外の横流し実態。テロ対策費は別に、蓮ホウさん、補助金を一度事業仕分けしたらいかが。(呂)


http://www.greenpeace.or.jp/info/20100823tokyoshinbun_html
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