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1976年6月5日朝日新聞(夕刊)

投稿者: r13812 投稿日時: 2010/07/17 11:50 投稿番号: [45968 / 62227]
日本の業者“海賊捕鯨”米議員が非難
アフリカや南米沖 子会社船など使い乱獲

【ワシントン四日―村上特派委員】
日本による鯨の乱獲が世界的に問題になっている所から四日、米会員のベル議員(共和党)が日本の鯨肉業者がアフリカ西海岸で所属不明の“海賊捕鯨船”から鯨肉を買い込み、「スペイン産」のインチキ商標をつけて日本に持ち込んでいるほか、南米のチリやペルーでも子会社や現地企業と提携して鯨を乱獲、鯨肉を日本に大量輸入している、と暴露した。同議員はもし日本やソ連、韓国、ノルウェーなおの諸国が捕鯨を中止しないなら、米国は米漁業専管水域(二百カイリ)内での漁業許可をこれらの国に与えるべきではない、と言明している。

国際捕鯨委未加盟国を利用
ベル議員によると、アフリカ西海岸での捕鯨はソマリアの国旗を掲げた「シエラ」という大型キャッチャー・ボートで行われ、日本人の鯨肉業者が常時四人同船に乗り込んでいるといわれる。
「シエラ」は一時、カリブ海のバハマ諸島を基地に同海域の禁漁クジラを乱獲していた札つきの海賊捕鯨船。ソマリア国旗を掲げながら、同船はソマリアには寄港せず、船籍はノルウェーの銀行を通じてリヒテンシュタインに登録してあるという。同議員によると、「シエラ」はアフリカ西海岸一帯で、絶滅にひんしているイワシクジラ、セミクジラを年間約五百頭も乱獲し、乗り組みの日本人鯨肉業者が鯨肉処理を監督、船内で冷凍、いったんアンゴラまたはコートジボアールに陸揚げしている。こうして箱詰めされた冷凍鯨肉は箱に「スペイン産」のスタンプが押され、日本ではスペイン産の鯨肉として正規に輸入通関されているという。
一方、南米ではペルーに大洋漁業の関連会社が現地子会社を設立。キャッチャー・ボート三隻を使って捕鯨し、年間約二千五百㌧の鯨肉などが日本に送り込まれているという。この子会社にはペルー政府も出資しているが、国際的に捕鯨への批判が高まるなかで、「ニッポン・ホゲー」の強引なやり方に強い不満を抱きはじめたと伝えられる。同社のキャッチャーボートは船長、漁労長など主役はすべて日本人で、ペルーが国際捕鯨委に参加していないとはいえ、実質的には日本人による捕鯨だという。
チリの場合も、コメ市の現地企業と日本の捕鯨会社が提携して、国際条約のワク外の捕鯨を行っていると指摘され、ベル議員や民主党のレゲット下院議員らは日本による海賊的な捕鯨活動とみなして強い不満を表明している。


現地会社で整然と操業
大洋漁業が反論
この問題について、大洋漁業の塩谷政徳副社長は「大洋漁業が出資している日本捕鯨がペルーに合併会社を設立して沿岸捕鯨をしているのは事実だが、操業はペルーの管理方式に基づいてやっているはずで、無差別な乱獲をしていることはない。米国ではいつもロンドンの捕鯨会議が近づくとこういう発言をするが、十分な調査結果に基づいているのか疑問だ」といっている。
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