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クロミンククジラ初期資源量/現在量

投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/04/24 19:19 投稿番号: [43605 / 62227]
r13812さんが各鯨類の日本語一覧表を作ってくれたので、いよいよ懸案の
1977年南極海鯨類増減表が日本語訳できましたw

南氷洋大捕鯨時代の大型鯨類激減をうけた、いわゆる「オキアミ余剰仮説」
の1977年オリジナル論文にある表です。

これ見ると、(南極)ミンククジラは昔から20万頭で、増えてもいなければ
減ってもいないですね。

日本語ウィキペディアの「クロミンククジラ」の項目見ると、「クロミンク
クジラの商業捕鯨モラトリアム以前の生息数は、ミンククジラの商業捕鯨が
比較的最近に始まったこともあって定かでないが、1970年代に初期生息数は
20万頭程度と報告されたことがある[7]」# ^ R. M. Laws, Seals and whales of the
Southern Ocean, Phil. Trans. R. Soc. London B. 279(1977), 81 -- 96.
とあります。

これ読むと、1980年代から現在にかけての、いわゆる大捕鯨時代後の
南極海「クロミンククジラ」生息数、76万頭とか、68万8000(岡村+北門)、
46万1000(ブラヴィントン+へドリー)という数値と比べて、昔は
少なかったのに、最近ではその2ー4倍に増えているという印象を
受けるでしょうね。

自然状態(20世紀はじめ頃の初期資源量)よりも何倍も増えている
鯨種だったら、遠慮なく捕ってもかまわないじゃないか、というのが
日本国内でわりとまともに物を考えている人でも考えつく結論かと思います。

だけど、これ違うのですね。
ウィキ日本語版が引用している1976年、英国のシンポジウムで発表
されたロウズの原論文だと、シロナガスやナガス、ザトウなどが激減して
増えたオキアミを、消費して増えたのはアザラシやペンギン類で、
ミンククジラではないのです。

ではなぜ、20万頭という今から見ると非常に低い原初頭数をロウズが
出したのかというと、単に当時のIWC<現在値>推定が低かったから
そうなったというだけの話なのです。

ロウズは、アザラシやペンギンについては、いろいろな南極の調査研究を
引用して、増えていることを実証的に示していますが、ミンククジラ
については20世紀初頭の推定値が無いので、単に1970年代のIWCの
「現在推定生息数」をそのまま過去に引き延ばしただけなのです。

特に近頃増えたという実証的研究は無いという論述きなのだから、
それはそれでいいわけです。

要するにシロナガスやナガスが減ってミンクが増えたという実証研究は
今も昔もないわけで、それがあったと信じている日本国内世論と、
いろいろな英語の論文を読んでいる海外の世論では、まったく食い違いが
出てきてしまうという一例ですね。

(つづく)
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