日本海産卵場での巻網の漁獲→境港へ
投稿者: r13812 投稿日時: 2010/03/26 14:21 投稿番号: [43185 / 62227]
http://katukawa.com/2010/03/bftjp02.html
最近、日本海での大型巻き網船の漁獲量が急激に増えている。日本海産卵場で漁獲されたクロマグロは、ほぼすべて境港に集まる。富山も市場が水揚げ報奨金を出したりして、水揚げの誘致しているんだけど、マグロの解体処理に必要な人手が確保できない。結果として、マグロの質が落ちてしまって、値段がつかないので、水揚げされないようだ。境港は、魚がいなくて暇をもてあましている沿岸漁業者が山ほどいるので、「明日マグロがあがるよー」と言えば、200人ぐらいの熟練労働者がすぐに集められる。現状では、まとまった漁獲はほぼすべて境港に水揚げされるので、ここを抑えれば日本海産卵場での巻網の漁獲は把握できる。境港のクロマグロの水揚げはこんな感じになっております。
それまで比較的コンスタントだったのが、2004年から急増した。この前後で、巻網の漁獲方法が変わったのである。2003年までは、クロマグロは混獲の対象であり、「イワシやサバの群れを巻いたら、マグロが入ってた。ラッキー」という感じだった。2004年から、何が変わったかというと、産卵場で、マグロの産卵群を狙った操業をはじめたのである。具体的にどういうことをやっているかは企業秘密なのだが、地を這うような聞き込み取材をしたところ、だいたいのイメージがつかめてきた。日本海のクロマグロの産卵群は、北の方から群れを作って産卵のために下ってくる。そのときに海の底を超高速で泳ぐ。餌も食べないし、網にもかからないので、つい最近まで、漁業者はクロマグロの産卵群が大量に回遊しているのを知らなかった。また、知っていたとしても、獲るための技術が無かった。その状況を変えたのがソナーである。従来の魚群探知機は、自分の船の真下しか見えなかったので、高速で海底を泳ぐマグロ産卵群を追跡することはできなった。ソナーをつかうと、船の周りを360度、1km先の魚群まで丸見えになる。ソナーが普及して初めて、マグロ産卵群を追跡できるようになったのである。
クロマグロ産卵群は、特定の水温帯を通って南下し、産卵条件が整ったら、海面に浮上して産卵行動を開始する。海底を泳いでいるうちは、巻き網では手出しができないので、ソナーを使って根気よく追跡し、産卵行動で浮遊してきたところを一網打尽にしているのである。巻き網漁業者曰く「産卵行動が終わってから、獲っているよ」とのことだが、本当のところはわかりません。
こうして、産卵期に、産卵場で獲られたマグロは、本当にまずい。栄養をすべて卵にとられたうえに、産卵回遊中は餌を食べないから、身がぱさぱさしている。食えたもんじゃない。ヨコワの方が100倍うまいという代物なのだ。これが築地にいくと1kg1200円ぐらい。日本海本マグロといえばありがたがって食べる消費者のおかげで、一応値段はつくのだが、一本釣りのクロマグロは1kg5000円ぐらい普通にします。巻き網のせいで、近海物の大型のマグロの水揚げが減っていて、まっとうなマグロを売りたい店は困っています。大西洋では、産卵場のマグロは、缶詰にしかならないので、畜養ブームになるまでは獲っていなかったわけであり、日本海だって産卵場で獲れば旨いはずがない。でもって、畜養もせずに、やせ細ったままで出荷しているんだから、資源の効率利用という観点からは、大西洋の畜養よりなお悪い。世界でもっとも非経済なクロマグロ漁業だろう。
最近、日本海での大型巻き網船の漁獲量が急激に増えている。日本海産卵場で漁獲されたクロマグロは、ほぼすべて境港に集まる。富山も市場が水揚げ報奨金を出したりして、水揚げの誘致しているんだけど、マグロの解体処理に必要な人手が確保できない。結果として、マグロの質が落ちてしまって、値段がつかないので、水揚げされないようだ。境港は、魚がいなくて暇をもてあましている沿岸漁業者が山ほどいるので、「明日マグロがあがるよー」と言えば、200人ぐらいの熟練労働者がすぐに集められる。現状では、まとまった漁獲はほぼすべて境港に水揚げされるので、ここを抑えれば日本海産卵場での巻網の漁獲は把握できる。境港のクロマグロの水揚げはこんな感じになっております。
それまで比較的コンスタントだったのが、2004年から急増した。この前後で、巻網の漁獲方法が変わったのである。2003年までは、クロマグロは混獲の対象であり、「イワシやサバの群れを巻いたら、マグロが入ってた。ラッキー」という感じだった。2004年から、何が変わったかというと、産卵場で、マグロの産卵群を狙った操業をはじめたのである。具体的にどういうことをやっているかは企業秘密なのだが、地を這うような聞き込み取材をしたところ、だいたいのイメージがつかめてきた。日本海のクロマグロの産卵群は、北の方から群れを作って産卵のために下ってくる。そのときに海の底を超高速で泳ぐ。餌も食べないし、網にもかからないので、つい最近まで、漁業者はクロマグロの産卵群が大量に回遊しているのを知らなかった。また、知っていたとしても、獲るための技術が無かった。その状況を変えたのがソナーである。従来の魚群探知機は、自分の船の真下しか見えなかったので、高速で海底を泳ぐマグロ産卵群を追跡することはできなった。ソナーをつかうと、船の周りを360度、1km先の魚群まで丸見えになる。ソナーが普及して初めて、マグロ産卵群を追跡できるようになったのである。
クロマグロ産卵群は、特定の水温帯を通って南下し、産卵条件が整ったら、海面に浮上して産卵行動を開始する。海底を泳いでいるうちは、巻き網では手出しができないので、ソナーを使って根気よく追跡し、産卵行動で浮遊してきたところを一網打尽にしているのである。巻き網漁業者曰く「産卵行動が終わってから、獲っているよ」とのことだが、本当のところはわかりません。
こうして、産卵期に、産卵場で獲られたマグロは、本当にまずい。栄養をすべて卵にとられたうえに、産卵回遊中は餌を食べないから、身がぱさぱさしている。食えたもんじゃない。ヨコワの方が100倍うまいという代物なのだ。これが築地にいくと1kg1200円ぐらい。日本海本マグロといえばありがたがって食べる消費者のおかげで、一応値段はつくのだが、一本釣りのクロマグロは1kg5000円ぐらい普通にします。巻き網のせいで、近海物の大型のマグロの水揚げが減っていて、まっとうなマグロを売りたい店は困っています。大西洋では、産卵場のマグロは、缶詰にしかならないので、畜養ブームになるまでは獲っていなかったわけであり、日本海だって産卵場で獲れば旨いはずがない。でもって、畜養もせずに、やせ細ったままで出荷しているんだから、資源の効率利用という観点からは、大西洋の畜養よりなお悪い。世界でもっとも非経済なクロマグロ漁業だろう。
これは メッセージ 42554 (r13812 さん)への返信です.
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