Re: 生態系モデル鯨資源管理
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/05/17 08:21 投稿番号: [34680 / 62227]
>パルンビ100万頭説のときもそうですが)前々から疑問に思ってたんですが、
>この67万頭って数字は1991年の76万頭を一応は
>参考(基数)にしたものなのでしょうかね?
>あるいは全く関係なしに導き出された数字?
まったく関係無しです。
木村資生、太田朋子など国際的に尊敬されている日本の遺伝学者たちが
大きく進歩させた数理遺伝学的手法で、ある生物個体群の来歴、有効な
集団のサイズ、長期的安定生息数を推定するというやりかたです。
鯨細胞の中のDNA多様性と突然変異の発生確率、継承確率、残存確率に
少しだけ込み入った関連性があることに着目して、このグループはどういう
規模で種の成立以来数百万年を生き抜いてきたのかというのを、数値付き
系図のように描き出すという作業ですね。
ただしこのやり方にもまだ改良点はいっぱいありそうです。
最後の、<結論>のあとの<検討・考察>の部分を引用しておきます。
http://www.iwcoffice.org/_documents/sci_com/SC61docs/sc61docs.htm
7−8頁
[DISCUSSION/考察・検討]
<現在の推定生息数と長期推定生息数>
われわれの長期的集団サイズ、67万1000頭(95%信頼区間:37万4000−115万)は、
IWCの監督下で行われた3回の南極周回調査の推定値の幅にまたがるような形になっている。
1978-1984年の周回調査では60万8000頭(標準偏差÷算術平均=0.089)、
1985-1991年には76万6000頭(標準偏差÷算術平均= 0.091)(Branch &Butterworth, 2001)
1991-2004年についてのIWC未公刊のレポートだと33万8000頭(CV=0.079)となっている。
(Branch, 2006a)
はじめの二つの推定と最後の生息数推定の差についてはいまだに論争が残って
いるが(Branch & Butterworth, 2001; Clapham et al., 2007)、われわれの
推定値はこれらのエコロジカルな推定値に近似しているか、やや高い。
遺伝子的な長期個体数推定と、現在の短期的個体数推定がナンキョクミンク
クジラで似通ったものであるということは、これまでの他の鯨種での両推定値
比較と比べると対照的である。既存の他鯨種とはザトウクジラ、ナガスクジラ、
コククジラである (Roman & Palumbi, 2003; Alter et al., 2007)。
遺伝子的な長期個体数推定と、現在の短期的個体数推定がナンキョクミンク
クジラで近い数値になっているということを説明する主要要因は、おそらく
ナンキョクミンククジラが他の鯨種のように、絶滅に近いほどにまでは
捕獲されてこなかったという点だろう。
われわれの結果が示唆するのは、人口論的推定が反映することができるのは、
激しい過剰捕獲をこうむらなかった集団のエコロジカルな推定だということ
であり、乱獲を被ったヒゲクジラ類の長期的個体数推定で同様の遺伝子的方法
を用いた以前の研究をも支持することになる。
>この67万頭って数字は1991年の76万頭を一応は
>参考(基数)にしたものなのでしょうかね?
>あるいは全く関係なしに導き出された数字?
まったく関係無しです。
木村資生、太田朋子など国際的に尊敬されている日本の遺伝学者たちが
大きく進歩させた数理遺伝学的手法で、ある生物個体群の来歴、有効な
集団のサイズ、長期的安定生息数を推定するというやりかたです。
鯨細胞の中のDNA多様性と突然変異の発生確率、継承確率、残存確率に
少しだけ込み入った関連性があることに着目して、このグループはどういう
規模で種の成立以来数百万年を生き抜いてきたのかというのを、数値付き
系図のように描き出すという作業ですね。
ただしこのやり方にもまだ改良点はいっぱいありそうです。
最後の、<結論>のあとの<検討・考察>の部分を引用しておきます。
http://www.iwcoffice.org/_documents/sci_com/SC61docs/sc61docs.htm
7−8頁
[DISCUSSION/考察・検討]
<現在の推定生息数と長期推定生息数>
われわれの長期的集団サイズ、67万1000頭(95%信頼区間:37万4000−115万)は、
IWCの監督下で行われた3回の南極周回調査の推定値の幅にまたがるような形になっている。
1978-1984年の周回調査では60万8000頭(標準偏差÷算術平均=0.089)、
1985-1991年には76万6000頭(標準偏差÷算術平均= 0.091)(Branch &Butterworth, 2001)
1991-2004年についてのIWC未公刊のレポートだと33万8000頭(CV=0.079)となっている。
(Branch, 2006a)
はじめの二つの推定と最後の生息数推定の差についてはいまだに論争が残って
いるが(Branch & Butterworth, 2001; Clapham et al., 2007)、われわれの
推定値はこれらのエコロジカルな推定値に近似しているか、やや高い。
遺伝子的な長期個体数推定と、現在の短期的個体数推定がナンキョクミンク
クジラで似通ったものであるということは、これまでの他の鯨種での両推定値
比較と比べると対照的である。既存の他鯨種とはザトウクジラ、ナガスクジラ、
コククジラである (Roman & Palumbi, 2003; Alter et al., 2007)。
遺伝子的な長期個体数推定と、現在の短期的個体数推定がナンキョクミンク
クジラで近い数値になっているということを説明する主要要因は、おそらく
ナンキョクミンククジラが他の鯨種のように、絶滅に近いほどにまでは
捕獲されてこなかったという点だろう。
われわれの結果が示唆するのは、人口論的推定が反映することができるのは、
激しい過剰捕獲をこうむらなかった集団のエコロジカルな推定だということ
であり、乱獲を被ったヒゲクジラ類の長期的個体数推定で同様の遺伝子的方法
を用いた以前の研究をも支持することになる。
これは メッセージ 34670 (r13812 さん)への返信です.
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