田中昌一氏、RMP開発競争時の思いを語る
投稿者: r13812 投稿日時: 2009/02/22 21:55 投稿番号: [32198 / 62227]
田中昌一:RMP の開発の最初から最後まで関わった一人なんですけれども、その当時の
ことを思い出してみると、RMP がとにかく出来上がったというのは、政治的中立性とい
うお話が出ていましたけれども、これは政治的中立性と言いますかね。5 つの方式を提案
したうちの2 組は、札付きの反捕鯨のグループだったんです。最終的に採択されたのがそ
のうちの一つ。札付きの反捕鯨の案が、これが一番いいといわれて採択されてしまったわ
けです。それは、その当時参加していた全員の気持ちを思いだしてみますと、日本の利益
を守ろうとか捕鯨を再開させようとかそういうものではなくて、ある意味で純粋科学的だ
ったのではないかと。ですから、その中で捕鯨グループも反捕鯨グループもお互いに同じ
レベルで競争できた。ですから、それが中立的になった結果と思うんですけれども。
もう一つは我々がその時に何を一生懸命やったかといいますと、他の4 人に負けないよ
うな、最も性能のいいというのは、捕獲量が一番多くて、危険度が一番小さい、そういう
方式を開発しようじゃないかということで、みんなそれぞれが夢中になって競争していた。
これはコンペティションだったというふうに評価されていますけど、まさにそういうふう
だったと。ですから、私なんかもこれがうまくいけば捕鯨が再開されるかもしれないねと
いう期待を持っていましたけれども、そうすると反捕鯨の連中がなんでそんなものを1 週
間でやったのかということをとても理解できないわけですよね。なんかそこで問題が純粋
に科学的なものに抽象化されてしまって、そんなこと科学者がおもいっきり楽しんだとい
いますけれども、そういう感じがします。
それからもう一つは、RMP の開発の手法を思い出してみますと、先程工学的という話
が出ていましたけれども、まさに工学的な開発ですね。ですから新しい飛行機を設計して
それをその風洞実験をして、そして実践試作機をこしらえて飛ばそうと、試験飛行をさせ
ようと。それと同じプロセスを通ってるんですよ。風洞実験の代わりに何をやったかとい
うとコンピュータ・シミュレーションを膨大にやっているんですよね。それで、いよいよ
完成されて完全な設計図が出来上がったんですけれども、試作機を作る事を許してもらえ
ない。ましてやそれを試験飛行することもできないということになりますと、工学的な飛
行機を設計して飛ばすという例で言いますと、試験飛行をして何の手直しも受けなかった
飛行機というのは過去にないと思います。飛ばしてみるとどっか不都合が必ずでてきて、
いろいろ手直しして、それでジェット機とかジャンボとかみんなそれで飛び出すわけです
よね。
航空工学みたいな技術のレベルが何十年と積み上げたそういう非常に高いレベルにあ
るものでもそうなので、私はどうしてもRMP のテストをぜひとも一度させてもらいたい
と思うんですけれども。でもこれどうしてもやるとなると商業捕鯨の再開ですからね。
IWC や皆さんが賛成するような何かうまい手を考えないとできないと思っておりますけ
れど。その当時、そういう形で科学者は純粋に科学的な問題にそれぞれの興味を持って取
り組んでいたと。結果的にそれが非常によかったのではないかと。逆に私は、あれはいい
ものができてきたということで、コミッショナーはショックを受けたと思いますよ。「ど
うせ科学者なんてろくなことできないから、任せとけ任せとけ」といっていたら、とんで
もない化け物を作ってきた、というような気分があったのではないかと想像しております。
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2005/JSPS16631004.pdf
(2004.11.04.)
ことを思い出してみると、RMP がとにかく出来上がったというのは、政治的中立性とい
うお話が出ていましたけれども、これは政治的中立性と言いますかね。5 つの方式を提案
したうちの2 組は、札付きの反捕鯨のグループだったんです。最終的に採択されたのがそ
のうちの一つ。札付きの反捕鯨の案が、これが一番いいといわれて採択されてしまったわ
けです。それは、その当時参加していた全員の気持ちを思いだしてみますと、日本の利益
を守ろうとか捕鯨を再開させようとかそういうものではなくて、ある意味で純粋科学的だ
ったのではないかと。ですから、その中で捕鯨グループも反捕鯨グループもお互いに同じ
レベルで競争できた。ですから、それが中立的になった結果と思うんですけれども。
もう一つは我々がその時に何を一生懸命やったかといいますと、他の4 人に負けないよ
うな、最も性能のいいというのは、捕獲量が一番多くて、危険度が一番小さい、そういう
方式を開発しようじゃないかということで、みんなそれぞれが夢中になって競争していた。
これはコンペティションだったというふうに評価されていますけど、まさにそういうふう
だったと。ですから、私なんかもこれがうまくいけば捕鯨が再開されるかもしれないねと
いう期待を持っていましたけれども、そうすると反捕鯨の連中がなんでそんなものを1 週
間でやったのかということをとても理解できないわけですよね。なんかそこで問題が純粋
に科学的なものに抽象化されてしまって、そんなこと科学者がおもいっきり楽しんだとい
いますけれども、そういう感じがします。
それからもう一つは、RMP の開発の手法を思い出してみますと、先程工学的という話
が出ていましたけれども、まさに工学的な開発ですね。ですから新しい飛行機を設計して
それをその風洞実験をして、そして実践試作機をこしらえて飛ばそうと、試験飛行をさせ
ようと。それと同じプロセスを通ってるんですよ。風洞実験の代わりに何をやったかとい
うとコンピュータ・シミュレーションを膨大にやっているんですよね。それで、いよいよ
完成されて完全な設計図が出来上がったんですけれども、試作機を作る事を許してもらえ
ない。ましてやそれを試験飛行することもできないということになりますと、工学的な飛
行機を設計して飛ばすという例で言いますと、試験飛行をして何の手直しも受けなかった
飛行機というのは過去にないと思います。飛ばしてみるとどっか不都合が必ずでてきて、
いろいろ手直しして、それでジェット機とかジャンボとかみんなそれで飛び出すわけです
よね。
航空工学みたいな技術のレベルが何十年と積み上げたそういう非常に高いレベルにあ
るものでもそうなので、私はどうしてもRMP のテストをぜひとも一度させてもらいたい
と思うんですけれども。でもこれどうしてもやるとなると商業捕鯨の再開ですからね。
IWC や皆さんが賛成するような何かうまい手を考えないとできないと思っておりますけ
れど。その当時、そういう形で科学者は純粋に科学的な問題にそれぞれの興味を持って取
り組んでいたと。結果的にそれが非常によかったのではないかと。逆に私は、あれはいい
ものができてきたということで、コミッショナーはショックを受けたと思いますよ。「ど
うせ科学者なんてろくなことできないから、任せとけ任せとけ」といっていたら、とんで
もない化け物を作ってきた、というような気分があったのではないかと想像しております。
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2005/JSPS16631004.pdf
(2004.11.04.)
これは メッセージ 32124 (r13812 さん)への返信です.
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