アドホックな仮説
投稿者: legal_guardian01 投稿日時: 2008/09/28 11:10 投稿番号: [28834 / 62227]
実を言うと、ここでは科学哲学的に典型例が議論されています。その意味でも面白い。
例えば、「日本の調査捕鯨以外に大型哺乳類を生態調査目的で毎年数百頭捕殺する例はない」(長いからモンク説と呼ぶ)
モンク説は科学としては意味ないけど、科学の言明としては「反証可能性」を含んでいるから、科学的言明として扱うことが出来る。モンク説は、「捕殺する例」をあげれば、否定されてしまう。こういう否定が出来る可能性を「反証可能性」という。科学は、根本的なところでは、その説が正しいと主張するのではなく、その説を否定する例がないという性格を持っている。反証可能性がない理論、例えばフロイドの精神分析は反証可能性がないから、科学とは看做されない。
さて、「捕殺する例」が挙げられた。したがって、モンク説は否定される。ところが、否定を回避する方法がある。ある限定をしたり、検証不能の仮説を付与すればいいのです。これをアドホックな仮説(Ad hoc hypothesis)という。後出しじゃんけんとはまさにこのこと。モンク説の「大型哺乳類」を「野生大型哺乳類」としたり、「海棲大型哺乳類」としたり、駆除はダメだとか、そのたもろもろの後付けをすればいい。
Ad hoc
とはラテン語で「その場限りの、その場しのぎの、臨機応変の、臨時の、特別な目的のための、特定の問題についての」という意味です。
科学哲学では明確になっていることだけど、多分科学哲学のことなんか知らない人たちが、同じような行動を起こすのは、見てて面白い。
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