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日本がいう「脱退」の意味と歴史①

投稿者: kujira77777 投稿日時: 2007/08/14 09:22 投稿番号: [20099 / 62227]
横浜、年次会議招致を降りる

  最終日、日本が沿岸小型捕鯨の暫定枠を求める議案を取り下げた後、2009年の開催地候補である、ポルトガルのマデイラ島と、日本の横浜市がそれぞれプレゼンテーションの映像を上映した。

  その上で、中田宏横浜市長が英語で「IWCはもはや改善の見込みがない。招致する価値はない。候補を取り下げる」(公式通訳大意)と発言し、2009年の年次会合開催地はマデイラ島に決定した。
  ・「開催地の立候補を取り下げました」(横浜市のプレスリリース)

  閉会後の日本政府代表団の記者会見には、日本政府代表、代表代理に加えて中田市長も同席している。その動画は鯨ポータルサイトで見ることができる。ただ、中田市長は一言も発することなく微動だにせず、動画は終わってしまうのだが。


日本脱退論議、ふたたび

  さて、中前明日本政府代表代理(水産庁次長)の発言のなかに以下のくだりがあったため、久しぶりに“脱退の可能性”が浮上した。

【「日本の忍耐にも限界が見えて」きており、我々は今回のアンカレッジ会合の結果を受けて、IWCに対する対応を根本的に見直す可能性があることを明確に致します。例えば、我が国の国民、与党を中心に強い要請があるものであり、1.IWCからの脱退、2.新機関の設立、3.沿岸での小型捕鯨の自主的再開であります。中でも国連海洋法にも合致するIWCに代わる鯨類資源保存管理機関設立のための準備会合の開催については、大きな関心を持っております】
  ・第59回IWC年次会合 - 我が国沿岸小型捕鯨の捕獲枠要求の取り下げ

  会議終了後の日本政府代表団の記者会見が終わると、各社は以下のように報道した。見出しを列挙する(各紙とも2007年6月1日夕刊。通信社配信の同一内容と思われる報道は一部省略)。
  日本、脱退検討を示唆(日経)
  IWC対応を批判   日本代表団、脱退にも言及(朝日)
  捕獲枠提案を取り下げ   脱退も示唆(読売・東京)
  IWC脱退辞せず(産経・大阪)
  「忍耐もはや限界」   IWC脱退示唆(産経・大阪)
  商業捕鯨禁止決議採択   日本   脱退の検討を示唆(NHK)
  「脱会も視野」*沿岸捕鯨再開認められず(北海道)
  脱退示唆   日本代表団(岩手日報)
  脱退も   沿岸捕鯨の再開合意見込めず(秋田魁新報)
  脱退を示唆   沿岸捕鯨再開   反対が相次ぎ   新機関設立も検討(中日)

  さきほど「久しぶりに“脱退の可能性”が浮上」と書いた。一部の報道で「脱退を表明するのはこれが初めて」としたメディアがあるが、これは正しくない。森下丈二代表代理(水産庁資源管理部交渉官)も総会終了後の記者会見で言及している(後述)。だからそれ自体はニュースではない。

  ポイントはそこではなく、今回が、本当に2〜3年のうちに日本が脱退するつもりの発言なのかどうか、この発言のあとどう日本政府が対処するのかのところが、鑑賞に値するのだ。

  なお、日本政府が示した3つの選択肢(脱退、新機関設立、沿岸での小型捕鯨の自主的再開)は、独自に今年考えついたことではない。2005年5月31日に、「自由民主党国際捕鯨委員会(IWC)対応検討プロジェクトチーム」(座長:林芳正参議院議員)が発表した「中間報告」が示している対応策(脱退、新機関設立、200カイリ内での商業捕鯨再開)をほぼ踏襲している。

  「脱退」「新機関設立」に限って言えば、2004年1月23日に発表した中間報告にすでに盛り込まれている。中前発言に「与党を中心に強い要請がある」としているのは、これを指している。IWC加盟国内での日本支持国が半数に迫っている時期には出てこなかったが、今回明らかに支持国が半数を割り込んだ。その手詰まりななかで掴んだのが、この「藁」だ。
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